イギリス人のカーディーラーがいろんな国に行って、クルマを買い付けるという新番組を見た。
英語が通じるということで、元植民地だったインドが最初に選ばれたのだろう。
インドといえば、日本メーカーではスズキだ。
唯一日本メーカーで成功している。
日本での軽自動車での設計・生産のノウハウが活かされるているのではないかと思う。
BRICs辞典によると、インドの自動車生産台数は「年間自動車販売台数は248万台(09年4月〜10年3月期)と、中国の1350万台(09年1〜12月)と比べて5分の1以下に過ぎません。しかし21世紀半ば頃には、インドの人口は中国を抜き17億人まで膨らむと予想されており、経済発展と相まって自動車市場が拡大するのは自明の理です。」と書かれていた。
インドの人口が17億人になるのが本当かどうか確かめられる時には、ぼくはいなくなりそうだが、たいがいの本では将来性は中国より高いと書かれている。
自動車メーカーのシェアはスズキ・マルチ(スズキ)が40%となっていて、圧倒的に高い。
トヨタもホンダも3%程度で、まさにスズキの天下である。
それに続くのがタタという現地の会社。20%程度だ。
余談になるが、タタは儲かっていて、イギリスのジャガー、ランドローバーを買った会社だ。
昔の植民地が本国の会社を買うという、皮肉な現実。
でも、インド人とイギリス人の相性がよいのか、皮肉にもアングロサクソンのフォード傘下にいたときよりも、ジャガーらしいクルマが出てきている。
インドという国は、植民地の宗主国を恨むのでもなく、仲良くやっているように見える。
そして、第二次大戦の後の東京裁判の時も、一方的な連合国の断罪に反対し、「戦争の勝ち負けは腕力の強弱であり、正義とは関係ない。」と言ったパール判事もインド人だった。
ヒンズー教という宗教が関係があるのかもしれない。
つまり、インドでクルマを扱うとしたら、まずはスズキとタタ、ということだ。
番組の中ではスズキアルト(日本より大きい仕様)とタタのワゴンを買って、上手に売っていた。
20年前ならこの企画は成り立たなかっただろう。
クルマはインドではまだまだ普及していなかった。
それが今はこの状況。
今や石油の埋蔵量が減り始めたのに、インドではモータリゼーションが起ころうとしている。
どうやって、ガソリンを調達するのか、と思うが、その頃にはまた日本車がハイブリッドで強くなっているかもしれない。
今日本ではリッター150円〜160円だが、その頃には300円以上になるかもしれない。
そうなると、またトヨタとホンダが伸びるか。
でも、タタが出しているナノというクルマ、20万円とのこと。
これは安い。
インドのモータリゼーションはどうなるかわからないなあ。
タタ自動車のナノのCM。珍しいから載せておく。
http://www.tatamotors.com/vehicles-and-services/nano/nano.php