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2016.06.30 Thursday
シニア・インターン
去年の10月にロバート・デ・ニーロが主演したインターンの映画を見た。
あの映画では、シニア・インターンという制度を使って、IT通販の若い会社にデニーロが雇用されるところから始まった。 実際、アメリカの社会でどれだけそんな制度が一般的なのかはわからない。 しかし、あの映画は高齢のビジネスマンがその経験を生かしてまだまだ世の中のためになる、という話でもあった。 こういう制度はアメリカよりも高齢化が進んでいて、社会保障が破綻しようとしている日本でもっとやるべきだ。 もっと、と言っても日本では普通のインターンもちゃんとしていないのが実情だが…。 アメリカでは日本のような大卒新卒一括採用という制度はない。 どこの会社も新卒だからという区別はせず、学生時代の一定期間を企業でインターンし、大学を出てから履歴書を持ってインタビューを受け、就職するのが一般的だという。 だから、学部卒でも大学での専門性が問われるし、どの学位を持っているかということが大事になる。 この辺りは日本とはだいぶ違う。 日本では、文系の就職なら、全学部全学科で募集する企業がほとんどだ。 だから、文系では勉強を頑張ってもあまり評価されない。 ここを変えないと、学校は変わらない…、話がそれた。 日本ではアメリカのような有償型の長期(3ヶ月以上)のインターンはない。 無償型の「就業体験」というものがほとんど。 せいぜい2週間程度。昨今は1日や半日の似非インターンも増えた。 要は会社説明会の代わりにそういう名目でやっている。 本来のインターンの趣旨からは外れたものだ。 シニア・インターンの制度は、ベンチャーなどの助けにもなるだろう。 どうしても会社を興したてのところは、大きくなるためにはどんな制度やシステムが必要か、というところがなかなか見えない。 そこを年寄りは知っているから、シニア・インターンで賄うことができる。 インターンのいいところは、使い物にならなければ、3ヶ月でクビにできるというところだ。 もちろん、働く側もここはダメだと思えば辞めることができる。 日本ではインターンは中高年から始めたらどうか、と思う。 中高年の再就職が難しいのは、日本では正社員の壁が高すぎるからだと思う。 一応、試用期間というのがあるにはあるが、インターンだとさらに雇いやすくなる。 3ヶ月社員を体験してもらって、雇うかどうかを決めるのだ。 今や新卒一括採用も減り、中途採用も増えてきているのだから、そこにインターン制度を入れてはどうかと思う。 まさに、仕事のスキル、人柄、適性を見るためにインターンするのだ。 厚労省の役人たちにあのデニーロの姿を見せたい。 天下りばかり考えていたら、思いつかないだろうなあ。 |
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