考えたこと2

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損益算
大学生に数学(算数)を教えているのだが、彼らが不得意なのは「割合」。
分数に始まって、割合の概念が抜け落ちている。
小学校の4年くらいから習うはずなのだが…。

これがわからないと、その後は単元によっては全くわからなくなる。
割合が難しいのは、そこから抽象的な概念を扱うからだろう。
それまでは、四則演算であり、目で見て触れるものを扱う。
きっと割合で躓く人が多いのは、そこまでと違うからだ。

昔はそれをドリルでカバーしていた。
理屈よりも、身体で覚えるということだ。
何度もドリルをすることで、いつかわかるようになるのだ。

今はドリルよりも、まず理屈だ。
学習指導要領では、理屈をどう教えるかというところが大事ということになっている。
それをしたら、ドリルはあまりしない。
その他のくだらない科目が増えたからだろう。
でも、その時理屈がわかったと思っても、うわべだけだ。
その証拠に、大学生になって、割合がわからない学生がいかに多いことか…。

割合の中でも、就職筆記試験でよく出るのが損益算というやつ。
原価、定価、売価、利益率、値引率、利益というような言葉が出てくる。
実生活でも役に立つし、ビジネスの基礎みたいなものだ。
だから、一般常識としてもよく出題される。
ものの値段がオープン価格になって、定価がなくなり、よけいにわかりにくくなったのもある。

大きな企業ではパズルのような「推論」もよく出題されるのだが、それよりも割合の概念を知ることが、社会に出るうえで大事だと思う。
「割合」や「比率」ということを知らずに生きていくことは、もったいないとも思う。
それこそ、民主主義を支える上で必要な「知識」だろう。
経団連会長が言った、文系にも数学を教えるべきという事の基本だ。(経団連はもっと上のレベルを考えているとは思うが…)

とはいうものの、言うは易く行うは難しとはこの事。
なかなかそれをうまく教えることができない。
分数がわからないところからやらないといけなかったり、%や歩合からやらないといけなかったりする。
分数、小数、%、割の対応表を埋めさせたりして、1/2と0.5、50%、5割は同じものというところから始める。
これができないと重症だ。

さらに、原価、定価、売価などという言葉の意味。
一番難しいのが「利益」。売上と利益を混同している学生が多い。
売って得たお金が利益だという。
それは何度も「どうして最後に原価を引くのか?」という質問が出たことからわかった。
ぼくにとっては盲点だったが、そこで躓いている学生も多かったのだ。

今年の冬の講座は、非言語の講座を学習塾の先生に頼んだのだが、その先生のやり方は参考になった。
表を書く、というものだ。
文章題が苦手な学生は多いが、それは文章から式までの流れができないからだ。
本來は文章をイメージして、書いてあることを式にするのが普通なのだが、そこでも躓く。

だから、損益算の問題をみたらまず表を書くという作業をする。
原価、定価、売価、利益=売価−原価、という表を作る。
それで、表の中に文章に書いてある情報を埋めていくというもの。

文章の中のどの部分に着目したらいいのか、わからないから、式ができない。
それを表にして、書き出すようにしてやれば、やりやすいということだ。

この方式はあるレベルまで来ている学生には効果がある。
どうしたらいいか、わからない状態から、表を埋めるという作業ができる、という状態に変わる。
そうしているうちに、解けるようになっている。
これを続けることで、本当の意味が「わかる」ようになると思う。

やっと半歩ほど進んだ。






| | 考えたこと | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
日本の高齢受刑者
今朝ワールドニュースを見ていたら、フランスのニュースを見てビックリした。
刑務所が老人ホームになろうとしている、というニュース。

「日本の高齢受刑者の一部は年金などでは生活できない人たちで、その人達は犯罪を犯して刑務所に入ることを選んでいる。そのせいで再犯率も高い。」

たしかニュースでは高齢受刑者の2割と言っていたと思うが、定かではない。
ニュースでは岩国刑務所が映され、中の様子が映る。
刑務所では高齢者に対応して、介護士を増やしているということだ。
実際に、介護状態になっている受刑者の姿も映る。
介護士が食事を食べさせていた。

そういう受刑者の多くは窃盗罪(万引き)などの罪。
望んで刑務所に入るのだから、当然刑務所を出ても戻ってくる。

実際、映像を見ていると、刑務所というよりは老人ホームだ。
部屋の中にテレビが置いてあったり、一般の刑務所のイメージではない。

海外の脱獄のドラマなどを見ていると、刑務所はとても入りたいと思うようなところではない。
でも、今日の映像を見ると、清潔な部屋で、介護も付いて、至れり尽くせりという感じだった。

フランスのニュースでは、高齢化が進んでいる日本ではこんな問題もある、というスタンス。

ふーん、と思ってネットで調べると「高齢受刑者で介護施設化する刑務所。その未来は税金の投入か、それとも収容の回避か」というような記事も出てきた。
1998年と比較すると、65歳以上の高齢受刑者数が2016年に4.8倍になっている。
フランスのニュースでもやっていたが、特に女性の高齢受刑者が増えていて、98年の10倍以上とのこと。

その人たちの2/3は医療ケアを必要としているらしい。
受刑者は刑務所内で労働を行う義務(懲役)があるが、刑務所側も彼らに仕事を用意するのは大変だ。
食事の配慮もせねばならず、これはもう「福祉」だ、と言っている。
若い受刑者が、高齢受刑者の介護を「労働」にしている、という状況もあるらしい。

もちろん認知症の人もいる。
罪を犯したこと自体を忘れてしまったら、懲役の意味があるのだろうか…。

そういう状態の高齢受刑者が釈放されたら、どこにつなぐか、という問題もある。
もう働くことはできないし、犯罪を犯すこともできないのだろう。

記事の締めくくりの言葉。

「刑務所において高齢受刑者に費やすコストは決して安くはありませんし、このコストはすべて税金で賄われます。そして彼ら彼女らは、必ず被害者を生む”犯罪”という、社会への害悪を伴う存在です。“塀の中の介護”は、国や刑務所だけでなく、納税者であり、安心・安全な生活を望む我々国民に提起されている大きな問題ではないでしょうか。」


これがフランスで放送され、日本では映像化されないのは、どういうことだろうか。

いつまでも「臭いものには蓋」という状態は続けられないぞ。



| | 考えたこと | 20:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
ぼくらの時代
年をとっていいことの一つは、自分が生きた時代のことを俯瞰できることだろう。
長いこと生きないとそれは無理だから、年寄りの特権みたいなものだ。

ぼくはいろんな時代を見てきたと思う。
高度成長で、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた時代。
そして、バブルで踊った時代。
それが崩壊して、不景気になった時代…。

紙の時代から、パソコンへの切り替わりも見たし、そこからネットワークの時代になって、現在のインターネットの時代への移り変わり、そしてこれからインターネットが主役になる時代。
毎日夕方になると、10センチくらいのFAXの束が机の上に置かれていた。
メールの時代の前だ。

人によっては、環境が変わって大変だったという人もいるだろう。
でも、ぼくは新しいことをいきなり知ったのではなく、前の時代を知って使うことができた。
それはラッキーだと思う。
今では当たり前のことも、当たり前でない時代を知っているのだ。

レコードで音楽をありがたがって聞くこともできたし、今の便利さも享受できる。
その途中のカセットやVHSの時代も知っている。
それらを知っていると、なぜ今が出てきたのか、昔はどうだったのかがわかる。
だから、今しか知らない若者よりも得だと思う。

スマホなど影も形もなく、電話が「呼び出し」だった時代(電話の呼び出しもおそらく死語だろう)。
ラッキーにも戦争は体験せずに済んだし、それでもちょっと貧しい時代は過ごした。
小学校の頃の写真は半分以上白黒だし、家の前の道は舗装してなかった。
それでも、小学校の時に授業中に歩き回るような生徒はいなかった。

初めて乗ったクルマはホンダN360だった。
チョークがついていて、寒い日はエンジンをかけるのにコツが要った。
今のクルマは、車線を外れたら警告が出るし、高速道路で自動追尾することができる。

キューバ危機は覚えていないが、世界が東西に分かれた冷戦時代を肌で知っているし、それが終結したベルリンの壁が崩れたのも知っている。
中学高校の時代はベトナム戦争の時代でもあった。
それと並行して、アメリカのドラマや音楽が普通にテレビやラジオで流れていたのも知っている。
ビートルズの解散も覚えているし、ジョンレノンの射殺も知っている。

今になって考えてみると、ちょうどぼくらの生きた時代は、世界が大きく変わった時代だったと思う。
これからもっと変わるのかもしれないが…。

そして、まだこれからの時代もしばらくは見ることができる。
きっとインターネットが世の中を変えていくだろうし、AIがいろんなところで使われ、賢い機器が増えるだろう。

昔、手塚治虫の鉄腕アトムで夢みたいだったことが、一部は本当になる。
ロボットと会話ができる時代が来るだろう。

ぼくらの時代を若い人たちに伝えることはできない。
経験していないからだ。

街中にチェーン店でない喫茶店があったり、モールではない市場があったり、正月三が日は店が閉まっていたり…。
そんな経験は伝えられない。
ぼくらが死に絶えたら、それは完全に紙の上の歴史になる。

もうすでに、戦争中の出来事が紙の上の歴史になっているように。




| | 考えたこと | 23:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
天満天神繁昌亭
先週、天満天神繁昌亭に行ってきた。
トリの春団治以外は全く知らない人ばかりだったが、面白かった。
落語の定席ができたということは、若手の落語家が上手になるという効果があるのだろう。

ぼくが落語研究会をやっていたのはもう40年前。
そのころは定席などなかったから、若手の落語家はなかなか演る場所がなかったんだと思う。
余興の営業とか、ラジオの仕事とかはあっただろうが、それは落語の練習にならない。
寄席でやらないと、練習が積めないということだ。

当時は会館で定期的にやる寄席はあったが、いつ行っても落語をやっているという定席はなかった。
そうなると、ベテランで名が売れている人はいいのだが、人前で経験を積んでいない若手は、本番が練習なのだ。
だから、若手の勉強会などに行くと、全く笑えない寄席もあった。
落研の仲間と行って、今日は我慢会だったなあ、と帰りにぼやいた。
もちろん、そんな寄席は値段は安かったのだが…。
それを思うと、隔世の感がある。

今日は色物で、バイオリン慢談と浪曲があった。
バイオリン漫談の人は、バイオリンが上手だったし、23歳の若手の浪曲師はめちゃくちゃ面白かった。
時間が短かったから、オーソドックスな浪曲ではなく、朝起きてトイレに行こうとしたら家族が入って行けない…というネタをやっていた。
ああいう人がいるのなら、まだまだ浪曲は面白い。
ぼくが知っている浪曲は、森の石松や討ち入りなどの任侠物ばかりだったが…。

落語は新作が7人中2人。
やっぱり新作は面白い。
平日でほとんど客は高齢者。古典でも受ける状態だったが、新作は強くウケていた。
通天閣を作る噺と、キリスト教の噺。
自分で新作を作れる人でないと、これからは落語家になれないと思う。

だからこそ、上方落語協会の新会長が笑福亭仁智になったのだろう。

久しぶりに落語を見て、4年間やったことを思い出した。
人を笑わすというのは、楽しい。
舞台の上で演じて、それが伝わる感覚。
ああいうのは、やった人でないとわからない。
演じる自分を外から見ている快感は忘れられない。

ぼくはもう落語という芸は、滅びるのかなと思っていたが、今回見て生き残りそうだと思った。

若手落語家には頑張ってほしい。



| | 考えたこと | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
ダークウェブ
健全なWebの影に隠れて、専用ソフトを使ってネットにアクセスするダークウェブというのがある。
これがサイバー犯罪に使われる。
サイバー攻撃も、ここから行われるらしい。

活動の多くは薬物、ポルノ、銃の売買など。
その他に、ウィルスの一種であるマルウェアの売買も行われるとのこと。
ただ、信頼できる人の紹介が必要になる。
信頼できるといっても普通とは逆で、「犯罪歴」を証明させるなどのことだ。

中でも、ロシア語の閉鎖的なフォーラムは難しいらしい。
ロシア人でもわからないような、犯罪者のスラングがある。
たとえば、ロシア語の「ポテト」は「盗み出したクレジットカード」の意味らしい。
そういうもので守られているから、なかなか入り込めない。
そのために、セキュリティの研究をやる人は、ロシア人を雇っているとのこと。

いったん会員になれば、いろんなものがオープン市場になっていて、比較的簡単に違法薬物などを購入できるという。
なんだか、すごい仕組みだ。
オープンで誰にでも平等に使えるインターネットが、それを使って闇取引に利用される。

その気になれば、フリーソフトを使ってダークウェブに入ることはできるだろうが、とてもやる気にはならない。
日本のヤクザも使っているのだろうか。
警視庁のサイバー犯罪課では、モニターしているんだろうと思うが…。
ヤクザにロシア語が使えるのだろうか。

通信の秘密を守るための技術が、闇取引を安全に行うための技術にもなる。
逃げる側と追いかける側は、いたちごっこなのだろう。
ネットワークを管理している側は、全ての秘密を見ることができるだろうが、これも法治国家では難しい。
もし見たとしても、それをおおっぴらにはできない。

この分野は日本は弱いと思う。
海外ではだいたいハッカーと呼ばれる人たちを捕まえて、改心した人を高給で雇ってホワイトハッカーにしたりしている。
でも、日本人はあまりそういう悪さをしないのではないか。

だからといって、ハッカーを推奨するわけにもいかないし…。

もしサイバー戦争になったら、どうするのだろう。



| | 考えたこと | 23:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
sonogenic
ヤマハが「SHS-500」という新しいショルダーキーボードを出した。
ソノジェニック、というシリーズ。
肩からかけて、ギターのように弾ける。

このキーボードは、楽器が弾けない人のための楽器だという。
何とも矛盾したキャッチフレーズ。
新製品の説明書きにはこうある。

「sonogenic」は、従来の楽器演奏者層と音楽リスナー層の間に位置するお客様に焦点を当てた新しいブランドです。「楽器演奏の知識やスキルはないが、聴くだけではなくもっと能動的に音楽に関わりたい」というニーズに対応し、音楽の新しい楽しみ方を提案いたします。


このキーボードは、スマホのアプリ「Chord Tracker」と連動させて、曲のコード進行を分析して、キーボードの鍵盤を押さえると、そのコードに合った音が出る仕組み。
デモ演奏をみても、それらしい音が出ている。
つまり、自分の気に入った曲をスマホに入れて、その曲に合わせてセッションができるということだ。
これが、「楽器が弾けない人の楽器」。

よくできていると思う。
音源の曲を分析するのは、理論的にはそんなに難しくない。
ルートは、ベースの音をチェックする。
いろいろと動きはあるが、小節の中で一番低い音を探せばOKだろう。

その上にどんな和音が積んであるかを調べる。
CPUが良くなったから、音を分析して和音がわかるようになった。
周波数分析して、音の高さを調べているんだと思う。
もちろん、ボーカルの音を除外するとか、リズム楽器を除外するとか、いろんな工夫はしているんだろう。
いろんな会社が同様のソフトをすでに出している。

これもスマホというデバイスを、みんなが持っているという前提。
新しい製品の形だ。
これからこういう製品が増えてくるだろう。

しかし、このシリーズ、これからまだ製品を増やしていくつもりなのだろうか。
実際、市場では受け入れられるのか、それともポシャるのか…。

難しいところだ。




| | 考えたこと | 16:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
本に頼る
若い人の活字離れということが、以前から言われている。
でも実際には、若い人はネットは得意で、情報自体は得ているのだろう。
ここでいう「活字」というのは、文字通り印刷された文字のことだ。
つまり「本」という紙のメディアが読まれなくなったということだ。

実際、就職の相談に来る学生も、就活本とかいうものを持っている人は少ない。
公務員試験を受ける人とか、教員採用試験を受ける人も、問題集は持っていても、月刊誌などの情報を見ているか、と聞くと驚くほど見ていない。
本屋に行ってウロウロすれば、そのたぐいのものは目に入るはず。
結局本屋に行く、という習慣がないのだろう。

もちろん、ネットの情報でも、以前はその道のベテランのコンテンツが主だった。
しかし、今はかなりいい加減なものが増え、一見してその区別がつきにくい。
だから、ちょっとオカシイなと思って聞くと、「ネットに書いてありました」ということになる。
インターネットが日常検索するものになって、どんどん玉石混交になってきている。

前にも書いた覚えがあるが、本とネットのコンテンツの一番の違いは、編集者がいるかどうかということだ。
本というのは、著者と編集者が共同で作るもの。
1冊の本が出る過程で、何人かの目で確認される。
一応、編集者はその本の扱っている話題に詳しいはずだ。
著者に必要な資料を届けたり、取材先を選んだりしているからだ。
本が売れなくなって、そういうところも予算が削られているかもしれないが…。
出版社の責任というものもあるから、そんなにいい加減な本は出ないと思う。

ネットのコンテンツは、誰の目のチェックも経ない。
書き手の良心に期待するしかない。
もちろん、読み手の判断もある。
しかし、わからないから調べているのだから、そこはあまり期待できない。

書き手や読み手のバイアスもある。
どうしても、書きたいことを書き、読みたいものを読むということになる。
中立を保つのは難しいのだ。

そういう意味では、やはり何か困ったときには「本」に頼ったほうがいい。
学校を出て社会人になると、先輩に頼ること以外、本に頼るしかない。
なにかについて、まとまった知識を得たい場合は特にだ。

そういうリテラシーをどうやって身につけるか…。

このへんは教育になるんだろうなあ。




| | 考えたこと | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
FIRE
アメリカの若者の間では、FIREという言葉が流行っている。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early(FIRE=経済的自立と早期退職)」のこと。

それを狙う人たちは家計を切り詰めているという。
40歳で200万ドル(2億円以上)貯めないといけないらしい。
そのために野菜や果物は廃棄寸前の安いものを買う。食費は月に75ドル前後とのこと。
ガソリンを節約するために、徒歩通勤。
ネットのストリーミングもパスワードを友人から借りて見ている。
ただ、FIREを考えている人たちは、それなりに高給取りだ。

FIREの支持者は2000年代以降に成人になったミレニアル世代や、ジェネレーションXのうち若い世代だから、1970年代生まれということだ。
今の年齢で、40代より上ということだ。

今のアメリカの退職はだいたい65歳。
日本がこないだまで60歳だったことを考えると、長く働いている。
その退職者の多くは老後の備えが準備できていない。
その上、高齢者は多くの負債を抱えているらしい。
それを目の当たりにしているから、FIRE(早くお金をためて、引退しよう)ということになる。

しかし、強烈なインフレや株価の暴落などがあったら、たちまち計画は成り立たなくなる。
そんなリスクをはらみながらも、FIRE信奉者は増えているらしい。

彼らは、親の世代の、大量生産、大量消費はもうダメだと思っている。
倹約し、お金を貯めるのだ。
目標は「仕事への復帰を強いられなくて済むような生き方に挑戦すること」だという。

ちょっと危なっかしいような気もする。
貯蓄に頼ることになるからだ。
働ける間は働くことが、貯蓄のみに頼るリスク回避の唯一の道だと思う。
急な病気になったりしたらどうするのだろう。
ある人は、退職後はAirB&B(ネットの民泊)で1年のうち10ヶ月は海外を旅行するというが、それで人生を満足できるだろうか。

「残りの人生を自由に生きる」というのが、FIREのコンセプト。

一方で、アメリカの経済を支えているのは旺盛な個人消費なのだから、FIREの信奉者が倹約生活をすればするほど景気は悪化する。

FIREを信奉するミレニアル世代は、金融危機などの影響で、資本主義や自由な市場への猜疑心が強いとのこと。

当たり前だが、アメリカもずっと同じアメリカではないということか。

しかし、40歳で仕事を辞めるというのもなあ…。





| | 考えたこと | 21:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
社内失業者
民間企業では、事務の効率化を進めている。
パソコンが導入されて2000年代あたりにだいぶ進んだが、それからさらに進めようということだ。
巷で取りざたされているAIはまだまだ特定の職場だけだが、RPAというロボティクス・プロセス・オートメーションというのが、ぼちぼち主役になる。

RPAというのは、決まったパソコンの操作を自動化する、というもので、今まで人がやっていたことをそのまま自動化する。
エクセルのマクロプログラムみたいなものだ。

銀行あたりでそれらが導入されて、事務がどんどん効率化しているようだ。
もちろん、IT企業でもやっている。

去年の10月、富士通はグループで5000人の大規模な配置転換を発表した。
転換される対象部署は人事、経理、総務などの間接部門。
その人たちを営業やシステムエンジニアに異動させるという。
要するに、管理部門を効率化して余った人を実働部隊に組み入れる、ということだ。
富士通の間接部門は2万人というから、25%を異動させるということで、規模は大きい。

長いこと間接部門で働いてきたら、いきなり営業やSEにというのは難しい人もいるだろう。
特に、中高年の間接部門の社員は難しいと思う。
実際、富士通では無理な人は新しい道を切り開いて…、と言っており、事実上の転職の勧めだと思う。

転職サイトなどで、中途退職者の声を聴くと、わりと多いのが「そんなに働いていない中高年が余っている」という声。
その人たちが年功序列で高い賃金をもらっているのが不公平だ、というものだ。

今回の富士通の措置はそういう声への対策もあるのだと思う。

ソフトバンクも同様だ。
通信事業の社員6800人を新規事業に配置転換する計画。
こちらもRPAによる余剰人員だという。
まだ新規事業に転換するだけましだとも言える。

みずほ銀行では、RPAなどで余った人員1万9000人を削減する予定。
三菱UFJ、三井住友も同じような業務量削減を言っている。
削減された業務をやっていた人がどうなるかはわからない。

これから働く人が減って、優秀な人材の確保は難しくなる。
そういう人材に来てもらおうと思えば、社内の効率化を進め、年功賃金を見直すしかない。
その第一歩が、富士通やソフトバンクの動きだと思う。

最も保守的だった銀行も、そういうことをやらないと生き残れない、ということだ。
メガバンクは特に学生の人気がなくなったから、早めにやろうとしているのだろう。

だぶついた中高年をどう配置転換するか。
新卒一括採用、年功序列賃金の制度がもう疲労している。
毎年会社は大きくなっていかないし、部署も増えないし、ポストも増えない。

だぶついた中高年のために、無理やりポストを作れるような時代ではない。
そんなことをしていたら、生産性は上がらないし、優秀な若い人は来ない。

ようやく、日本の硬直した雇用制度も変わり始めていると思う。

余った中高年を社内の新規事業で吸収するか、それとも社外で人が足りないところに転職するか、方法はいろいろあるだろう。
その制度設計をしないといけない。

そうすれば、まだまだ外国人に頼らなくても、雇用は確保できる。

痛みは伴うだろうが、それしかこれから日本が生き残る道はないと思う。



| | 考えたこと | 00:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
尊厳死保険
こないだ学生と話をしていて、新しい保険のアイデアを思いついた。
「尊厳死保険」という名称。
いろんなアンケートによると、延命治療をしたくないと思っている高齢者は7割以上いるという結果もある。
しかし、いろんな制約があって、日本では全く尊厳死というものは議論されていない。
寿命が長いことは絶対的な善だと思っているからだろう。
この保険は尊厳死を実現するためのものにしたい。

この保険に入ると、尊厳死についての自分の考えを明確にすることができる。
当然、毎年書き換えられるが、初回は対面で行う。
家族や第三者の立ち会いも認める。

そこで、保険会社の社員が聞き取りをする。
その際、現在の尊厳死に対する注意点や、どういうことが必要かをわかりやすく説明する。
高齢者相手だから、ここには力を入れたいところ。
もちろん、通常の生命保険や疾病保険も兼ねており、そこは現状通り。

要は、どういう状態になったら、どうしたいか、ということを明確にするということだ。
胃ろうはやめてほしいのか。
植物状態になったら、延命措置は打ち切ってほしいのか。
がんなどの場合は、どういう状態になったらホスピスのようなところを希望するのか。
よくわからないが、いろんなケースを想定して、決めていく。

併せて、遺言も作成すればいいと思う。
普段暮らしていると、そういうことはやりづらくなるので、こういう機会にやっておいたほうがいい。

今は後見人制度などもあるが、どうもそういう役目は知り合いには頼みづらい。
子どもたちにも、言いにくかったりする。
いざという時に、家族ともめるのも困る。
弁護士は敷居が高い。
それなら、保険サービスの一環でできないか、というのがこのアイデア。

これからは多死社会。
高齢化社会は多死社会でもある。
1億2000万人いる人口が、どんどん減っていくのだ。

頼みにくい後見人よりも、保険会社を使って、ビジネスライクにやればよい。

まあ半分冗談としても、半分は本気なのだが…。




| | 考えたこと | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
世論調査
テレビのニュースでは世論調査をよく聞く。
政権の支持率や話題となっているものに対する意見など。
いつも、なんとなく聞いて、ふーん、で終わるのだが、あれはどういう前提で行われているのだろうか。
質問の選択肢の示し方など、なんとなく恣意的に感じるものがあるが、ああいうのはどう決められているのか。

Wikipediaで「世論調査」を調べてみると、いろんな記述がある。
質問の仕方によって、回答に偏り(バイアス)が生じるという問題について、

「意図的かどうかにかかわらず、『設問文によって回答が誘導される』『ある設問の存在が以降の設問の回答に影響を与える(キャリーオーバー効果)』といった世論誘導が行われないよう実施しなければならない。さらに、「あいまいな回答」や「無回答・分からない」という回答の扱い方が難しいため、統計学的に母集団を推定するうえでは問題もある。」

と書かれている。

世論調査というもの、どう聞いてもある程度のバイアスは避けられないような気がするが、最近の世論調査の結果を聞いていて、こんなこと多くの国民は知らないのではないかと思うような事もある。

消費税のことにしたって、新聞業界は売上の減少を嫌って、軽減税率を適用させたということがある。
そのせいで、みんな「増税は悪」という論陣を張っている。
でも、先進国で8%というような低い消費税の国はないと思う。
なぜ消費税率が高いかというと、増え続ける高齢者のための医療費や年金などの社会保障があるからであり、一時は繁栄を誇った日本といえども、その例外ではない。

今の政府はそれを隠して、控えめに増税を進め、年金の支給開始を遅らせようとしている。
堂々と増え続ける社会保障のことを言うと、マクロンのように多くの人達から批判されるから仕方ないのだろう。
しかし、そういう問題提起をするのがマスコミの役目ではないのか。

これだけたくさん新聞やテレビ局があるのだから、一つくらいは「こんな事をやっていては続かない」とか、「もう少し高齢者の負担を増やさないと、若者が気の毒だ」いうところがあってもいいのではないか。

これでは、戦前の日本と同じだと思う。

海外の消費税はどうなっているかとか、今の財政赤字の状況とか、今の若い人たちの社会保障の負担は昔に比べてどうなのかとか、いろんな状況を表す数字はあるはずだ。
それらをもっと真面目に紹介して、どう考えるかを国民に示すのがマスコミの役割だと思う。

それができないのなら、これこそマスゴミだ。




| | 考えたこと | 23:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
音楽はありがたい?
今音楽をありがたがって聞く人がどれくらいいるのだろう。
アメリカではストリーミングが主流になって、音楽は毎月定額を払って聞くものになった。
所有するものではなく、その時に聞ければいいという位置づけ。
CDというメディアもまだあるが、ほとんど売れない。
それは日本も同じ。
だから、ライブで稼ごうということになった。

日本はCDという形のあるものがまだ売れる国だが、それでも一時に比べるとかなり減った。
そして、いずれはオンラインで、月額いくらで聞く時代になる。
それは「所有しない文化」であり、インターネットの未来ではそれが主流になるのだろう。

そんな中、東京でカセットテープ専門店が成功している、という記事を見た。
店内に約5000本のテープがあり、中古のラジカセ等も販売している。
カセットテープには丁寧にキャプションが付けられているので、価値があるように見える。
アートのように置くことを意識したようだ。
それが功を奏して、ここ2年は黒字決算を続けているという。

ストリーミングで音楽を聞くほうが、圧倒的に便利だし、実際に利用者も多い。
しかし、それによって音楽は日用品になり、消耗品になった。
それに対するアンチテーゼが、カセットであり、レコードであるのだろう。

面倒なことをしてでも、わざわざ聞く、ということが音楽を能動的に聞いている、という気にさせる。
そういうことなんだろう。

日常品でなく、消耗品でないもの。
昔は音楽はそういうものだった。

毎月の小遣いをもらって、レコード屋に行って、1枚のLPレコードを買う。
どれを買おうか迷う。これがひと月分の小遣いを使うのだから、当然だ。
流行りの曲で選ぶのか、アーティストで選ぶのか…。
時間をかけて1枚選ぶ。
そこから、1ヶ月は主にそのLPを聞くのだ。
必然的に気合は入るし、思い入れも大きくなるし、買ったLPレコードは「ありがたい」ものになった。
それがキャロル・キングだったり、5thディメンションだったり、ビートルズだったりした。
あの当時の、小遣いで毎月1枚という時代のLPレコードは本当によく聞いた。
まさに、擦り切れるくらいだったなあ。

たしかに、就職してお金が入って、毎月何枚か買えるようになって、ちょっとLPのありがたみが減ったのは事実。
モノは、コモディティ(一般商品)化すると、心理的価値も下がる。

そこから考えると、今のデジタルミュージックはありがたみが薄い。
ウチの息子たちはまだかろうじてCDの時代だったから、好きなアーティストのCDは買っている。
まだ、ありがたみが残っているのだろう。

その「ありがたみ」を覚えている中高年がいるから、このカセットの商売はできる。

でも、果たしてそういう中高年がいなくなって、続くのだろうか…。


| | 考えたこと | 18:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
科研費の無駄遣い
LGBTの発言で話題になった水田議員が名誉毀損で訴えられた。
彼女が、科研費の無駄遣い、ということを発言したらしい。
4人の教授が訴えた。

ぼくは大学で勤務し、文系の科研費は無駄遣いが多いし、実際にいい加減なことがやられている例を見てきたので、一度どんなことか見てみた。

問題になっているのはこのホームページ

この研究がどうであるかは知らない。
しかし、このページの作成に100万円以上出しているというのは、呆れる。
科研費というのは税金であり、国民の財布から出しているのだ。

今の科研費は成果をほとんど問われない。
だから、いったんもらうことが決まったら、使ったら勝ち、ということになる。
それを専門に狙う業者もいる。

とにかく、法外な値段をふっかける。
払う方は、そこでお金を使いたいのだ。
そして、こんなページが百数十万で作られる。

どう考えても、これは無駄遣いだと思う。
ネットに詳しくない人ばかりなのか、それともわかっていて高い金を払っているのか…。

一度このページ、見てみてください。
こんなのが、100万以上。

やっている業者を責めるつもりはない。
本当は良心的な値段でやろうとしているのに、高い額を請求させられているかもしれないからだ。

あとの判断は、みられた人に任せます。
おそらく、こんなのは枚挙にいとまがない。

ぼくは無駄遣いだと思う。
それに気づいていないとしたら、今どき科研費をもらう資格がない。




| | 考えたこと | 23:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
大学改革はどうでもいい
文科省が大学改革の基本方針をまとめた。
方針は以下の4つの柱からなっている。

・高等教育へのアクセス確保
・大学教育の質保証・向上
・研究力向上
・教育研究基盤・ガバナンス強化


この内容は、新たに教育無償化の流れができて、最初の高等教育へのアクセス確保という項目が増えただけで、残りはずっと言ってきたこと。
今さらの感はあるが、これはこれでやってくれたらいいと思う。
でも、極論すれば大学改革はどうでもいいのだ。

改革すべきは初等・中等教育だ。
きっと初等、中等教育も改革しようと思っているはずなのだが、それがなかなかニュースにならない。
それは、初等・中等教育は文科省の天下りの対象にあまりならないことと、逆に主になってやるのが文科省そのものだからだ。
高等教育は所詮学校法人の仕事。
それを許認可権で監督すればいいだけだ。
大学が困れば、文科省の天下りも受け入れてくれやすい。

教育なんて、結局は積み上げであり、ピラミッド型にしか積み上がらない。
つまり、基礎がなければ、いくら上で頑張っても小さいものしかできないのだ。

ここで基礎にあたるのは、まさに小中学校の義務教育。
ここをしっかりする必要がある。

小学校ではやれ英語だ、やれプログラミングだと目先を変えることばかりやっているが、肝心の教員の資質とか教育課程の内容などちゃんと考えていない。
教員養成課程の変更など、どうなっているのか。

中学校でもイジメ、部活の問題などの影に隠れているが、英語教師の能力や、大学まで持ち越される数学の崩壊など、本当に課題は多いと思う。
こんな状態で、どうやって世界に伍してくのだろう。

大学改革などどうでもいいから、そっちをやってほしい。
その方が、投資効果が圧倒的に効果が大きいのだから。



| | 考えたこと | 23:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
抽選に当たった!
ぼくはクジ運があまり良くない。
小学校の頃、マーブルチョコレートのシールを集めて、何度か応募したことがあるが、全部ハズレ。
友達が当たったのが羨ましかった。

「悟空の大冒険」の如意棒は欲しかったなあ。
当たってみれば、ちゃちな物だったと思うけど…。
それ以降、なにかに応募して当たって賞品がもらえた、という経験はないのだが、今回ついに当たった。

ぼくは「ローランドの楽屋にて」というメルマガを購読している。
楽器メーカーのローランドが出しているやつ。
いろんな楽器の開発者の声や、製品の開発ストーリー、メルマガの著者(もとローランドの社員)のインタビューなどが面白くて、1年ほど前から読んでいる。
もちろんタダだ。

それの1月31日号であったプレゼントに申し込んだ。
賞品は選べたので、ぼくはブランケットにした。
ローランドのロゴが入っていたと思う。

そしたら、今日メールが来て「特製ローランドブランケットが当選いたしましたので、お知らせのメールをいたしました」とのこと。
素直にうれしい。

たしか、コメント欄に「初代のBoss(ローランドの子会社)のエフェクターを3台持っています」と書いた。
別に媚を売ったわけではなく、ぼくがローランドを昔から使っている、ということを言いたかったのだ。
まあ、それ以降は別の会社のマルチエフェクターを使っているのだが…。

ローランドというと、やっぱりシンセサイザーだろう。
ぼくはキーボードは弾けないが、そういうものの仕組みを調べたり、カタログを集めたりするのが好きだったし、若い頃はキーボード・マガジンも購読していた。
80年代のシンセサイザーは、アナログからデジタルへの途上で、いろんな方式が出てきてエキサイティングなモノだったと思う。

ローランドのギターの製品は少ないが、それでもヤマハ、コルグ(今はヤマハの子会社)と並んで、世界に通用する日本の楽器メーカーだ。

当時の楽器フェアに行って、カタログやステッカーを集めたこともあった。

大学卒業時には、就職したいと思った(思っただけで、無理だと思ってやめた)。
電子回路など全くわからず、音のことも就職してから勉強した(ノイズを計測していたから)くらいだから、やめておいて正解だった。

しかし、そこから40年を経て、ローランドの抽選に当たるとは…。

まことに感無量。こんなこともある。

バンザイ!


| | 考えたこと | 19:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
甲子園批判
横浜DeNAの筒香選手が高校野球を批判している。
投手の連投による投げ過ぎの問題だ。
夏の甲子園の熱中症の問題もある。
そこに新聞社が絡んでおり、批判に対してメディアがちゃんと機能していないということを言った。

プロは長い目で見たら、強くなるために合理性や効率性に対応していく。
まあ、日本の野球はアメリカに対して、だいぶ遅れている感じはあるが、それでもいずれ追いつくと思う。

しかし、学生のスポーツは残念ながらそうではない。
リトルリーグの指導者も、そこで学んだりした中学高校の指導者も、昔ながらの指導。
根性、やる気というやり方。

そこに、野球ビジネスも絡む。
これは野球そのものではなく、野球を使って、学校法人を有名にしたい、というようなものだ。
一時は県外からの助っ人の数を制限しようとしたが、結局現場の声に負けて、やり放題になった。
最近、聞いたことがない高校が、どんどん出てくるのはそのせいだ。
結局、高校野球を強くするには、地方に行って都市部で余った野球選手を連れてきて、野球漬けにしてやればいい。
もちろん、寮を作ったり、設備は必要だが、全国で宣伝するよりも安くつくから、ペイするのだ。
監督もコーチも選手も県外からの助っ人。

そのために選手は使われる。
ビジネスの歯車なのだ。
だから、勝つことが第一。

そういう状態をちゃんと説明して、そういうビジネスとして高校野球をやっています、と言えばいいのだが、それには蓋をする。
そして、高校生の美談で新聞紙面は埋められる。
高校野球連盟と朝日、毎日新聞、有名になって入学希望者がほしい学校法人が結託して、こんなことが行われる。

大リーグに行った田中もダルビッシュも手術をした。
それは身体ができていない状態での投げ過ぎが原因の一つだろう。
おまけに、夏は昔に比べて暑い。
余計に体力を消耗する。

医学的に明らかな無茶を平気でさせているのが、今の高校野球の指導者や高校野球連盟。
そういうことがわかって、ぼくは高校野球への興味が失せた。

新潟県の県高野連は今年の春から、一人の投手の1試合の投球数を100級に制限するとのこと。
ついに良識があるところが出てきた。
これが早く広まったほしいと思う。

若者の将来を潰すスポーツは見たくない。



| | 考えたこと | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
SNS炎上の心理
最近、たむらけんじというお笑いタレントが来たラーメン屋で、店主が写真撮影をさせてもらったあと、ツイッターでつぶやいて、炎上するという出来事があったらしい。
店主は「マイク、カメラなかったら、おもろないやつでした」ということをつぶやいたという。

店主が失礼だと思うが、お笑いタレントだって始終おもろいわけではなく、それは当たり前だと思うのだが、これに対する反応がスゴイ。
一日に1000件以上嫌がらせの電話がかかってきて、本当かどうかはわからないが、店主の個人情報まで拡散されているとのこと。

ここまで来ると、ちょっと怖い。
たかが、お笑いタレントの悪口(というと語弊があって、炎上するかもしれないが)くらいで、ということだ。
世の中には、不満があふれていて、それがちょっとした拍子に爆発する、という感じ。
炎上騒動に加わった人たちがみんな、たむらけんじのファンで、プライベートのたむらがおもしろくない、といわれることに怒りを感じてツイッターでつぶやき、嫌がらせの電話をかけたとは思えない。
個人的には、そんなに面白い芸人でもないと思うし、ぼくは一度も面白いと思ったことはない。
どちらかというと、なぜ彼が売れるているのかがわからない。
だからといって、プライベートで行ったラーメン屋の主人にそう言われてもいい、とは思わないが…。

こういう炎上騒ぎが大きくなれば大きくなるほど、無関係の人が加わるのだと思う。
その沸点を超えると、もうコントロール不能になるのだろう。

別にたむらけんじのことなど、どうでもよかった人が、便乗してラーメン屋の店主のことを叩く。
叩けばそれが拡散して、ひょっとしたらフォロアーが増えるという計算もあるかもしれない。
さらに、炎上仲間とつながったような気になれるのだろう。

まあ、普段面白くもないタレントが、私生活でおもしろないやつ、と言われても当たり前やん、で終わるところがそれでは終わらない。
この場合は明らかに店主が悪いのだから、それは制裁すべきということになる。
実際、1000件も嫌がらせの電話がかかってきたら、もう制裁されていると言えると思う。
店主もツイッター上でつぶやくから、こんなことになる。

店主の側も、こういうことをつぶやけばフォロアーが増えるとか、同意する人がいるはず、と思ったのかもしれない。

この騒動を分析しているページがあった。
それによると、この原因は主に2つあるという。

・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の発達とインフラ化によって、私たちはインターネットのコミュニケーション空間からのデタッチメント(分離の意)が困難になり、「どうでもいいこと」に粘着しやすくなっている
・社会的なつながりの希薄化、社会的な承認の不足によって、私たちは自己肯定感が持ちにくくなっており、不安やストレスにさらされた際の避難所(シェルター)的な場所が限られる状況下で、SNSへの依存度合いが高まっている


まあ、そうだろうと思う。
ぼくはこの中で、社会的な承認の不足、というのが大きいような気がする。
そしてそれを煽っているのは、他でもないSNSなのだろう。

「いいね」がついた数を気にし、フォロアー数を気にして生活していると、そうなると思う。
実際、インフルエンサーという極めてフォロアー数(友だちの数と言ってもいい)が多い人たちは、ひと言で何万人もに影響を与えることができる。
身近な自分と比べられる人がプチインフルエンサーになっていたりすると、自分もなりたいと思う。
フォロアー数が、社会からの承認だと思うのだろう。

インフルエンサーは下手をすると、購読数の少ない新聞や雑誌よりも、影響が大きい。
マスコミが第4の権力というなら、インターネットのインフルエンサーも同じ扱いなのに、それが個人の考えだけで拡散する。
今や一部のマスコミも同じレベルに落ちたと思う。
悪貨は良貨を駆逐するのだ。

どうしてもリアルの生活が充実していないと、ネットに依存する率が上がり、そこで社会的承認を得ようとする。
ひいては、それが社会のコンセンサスを作るところまで行くと、衆愚政治ということになる。

ラーメン店主は確かに悪いが、それがここまで増幅されるのはそういう病理があると思う。
ひいては、これがインターネットの時代、民主主義のアキレス腱になる。

フェイクニュースを識別したり、こういう炎上を防いだりする技術はこれから大事になると思う。





| | 考えたこと | 22:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
ライティングの心理的効果
このブログを始めて、もうすぐ丸14年。
始めた頃は、記事をそんなに書けなかったが、2009年あたりからほぼ毎日更新している。
その頃から、書くことが面白くなった。

最近はネットの記事やニュースを見て、元ネタにしているものも多い。
年をとったり、仕事が減ったりすると、書くことがなくなる。
無理やり書こうとすると、元ネタが必要になるのだ。

でも、テーマはわりと決まっている。
大学で勤めていたので、教育のことや言葉、心理、クルマ、コンピューター関係、働くこと、宇宙のこと…など、自然にそうなった。
ネタがない日はホントに困る。その時のために書き溜めたものを準備はしているが…。

ライフハッカーというサイトで、ライティングの心理的効果を紹介している。
それによると、文章を書くことで、気分や幸福度が向上するとか、書くことで不安やストレスが減るとか、頭をクリアにできるとか…、いう効果があるという。
そんなにいいことがあるような気はしないが、2014年の4月から15年の9月まで、仕事をやめて資格取得の勉強をしていたころは、役に立ったと思う。
何かを書いて、ブログにあげることで、一つのことをやった、という充実感はあった。
それがなければ、何もなかったかもしれない。

昔は仕事が忙しくて考える暇がなかったり、業務上のことで書けなかったりしたが、今はそんなことは少ない。
だから、できるだけ日々の個人的なことを書こうと思っているが、それでもネタのない日が多い。

ものを創造している職業の人たちが、年をとって創作意欲が減ってくるというのがよくわかる。
感受性が固くなるというか、感じなくなるというか…。
おまけに、頑固にもなってくる。
新しい考えを受け入れられなかったり、今までの考えに固執する。
そんなこんなで、同じことばかり書くようになる。

ここでも、「前にも書いたが…」という言葉が増えた。
いつまで続くかわからないが、もう少し続けてみようと思う。

4453の記事を書いたが、これが4454番め。

もうネタ切れかな。



| | 考えたこと | 13:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
音声UI
こないだ朝のニュースで、スマートスピーカーを高齢者に配って、テストをしている自治体があった。
スマートスピーカーはグーグルなどが出している、人間の言うことを理解していろんな事を聞けるスピーカーだ。
ニュースではグーグルのものを配っていたが、「OK、グーグル」と呼びかけると、スイッチが入る。
高齢者は天気を聞いたり、ラジオ体操の音楽を鳴らしてもらったりしていた。
老人会の会計をやっている人は、足し算を話して、結果の検算をしていた。

ひとり暮らしの老人は、家で話し相手ができた、という感想を言っていた。
それは大事だろうと思う。
ペットでも同じこと。
話し相手になる、というのは重要な機能だと思う。

家族がどんどん減っていき、仕事も少なくなってくると、話し相手がなくなる。
ペットロボットのaiboも、声をかけて寄ってくる、というのがいいのだと思う。

そういう機能を実現させるのが、音声UI。
UIというのはユーザー・インターフェースのことだ。
音声でコミュニケーションして、答えられるようになると、キーボードが要らなくなる。

ぼくは、この音声UIによるコミュニケーションが、これからの日本でのボケ予防などに使われるべきだと思う。
動かないけど、ヒト型のロボットで、話すことが目的。
これが一番ほしいもの。

第二次大戦でドイツの暗号を解読したコンピューターの生みの親、アラン・チューリングが、人工知能の定義として、普通に世間話ができること、と言った。
それができるマシンを「チューリング・マシン」という。
今はその入口まで来ている、ということだ。

実際、スマホの日本語音声入力の精度はすごく上がった。
ほぼ間違わない。

ちゃんと聞ければ、あとは会話だ。
検索履歴でその人の興味の領域を知り、SNSでどんな友達がいるかなどがわかっていれば、チューリングマシンもどきはできるかもしれない。
単にものを注文したり、天気を聞いたりするだけではなく、その人に合った話題を提供し、会話を成立させるような人工知能だ。

そのためには、個人情報をIT企業に公開しないといけない。

いい話し相手ができるなら、ぼくはそれもアリだと思う。

この年令になったから、そう言うのだが…。


| | 考えたこと | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
図面の仲間
昨日は前の会社で、図面の仕事をした仲間と久しぶりに会って宴会。
夕方5時から、11時前まで約6時間、ずっと梅田のアメリカンバーで飲んだ。
そんなに長いこといたとは思わなかった。
約2年ちょっと続いた仕事の関係者とは、今会っても話が尽きない。

まだ会社にいるのは一人だけ。
その一人ももうすぐ定年を迎える。
たしか、ぼくが会社を辞めた年にシステムが本格稼働したから、もうまる15年経つ。
バージョンアップをしたらしいが、まだ今も動いているらしい。

と言っても、飲みに行ってもう図面の話などしない。
各々の近況や、適当な話題で時間が過ぎていく。
だいぶ飲むには飲んだが…。

図面の仕事をしたのは、その時その担当だった人たち。
別に気が合うから、仲間になったわけではない。
でも、一緒にやっている間に気が合った。
一つの目標に向かって何かをするということは、そういう気分になる。
それでも、会社をやめて10年ほど経って、声をかけたら集まって楽しく話ができる、というのはめったにないことだ。

もうすぐみんな会社を辞める。
辞めても、仕事の縁でつながっている。
でも、もうその仕事の話は出ない。

こういうのが会社づとめをしていた人の人脈なんだろう。
ただ、日常的に会えないから、どうしても疎遠になる。

こういう付き合いをどうやってキープするかは、難しい。

頑張ってやっていこう。



| | 考えたこと | 20:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
イチロー杯
イチローの名を冠したカップがあるのを知らなかった。
今年で23回もやっている。
「イチロー杯争奪学童軟式野球」というのが正式名称。

「イチロー杯表彰式でイチローが伝えたかったこと」という日経の記事を見て、びっくりした。
そんなカップがあったのか。
去年の12月23日に表彰式が行われたとのこと。

イチローがその席で熱く語ったことは、

「みんなに伝えたいことは、自分ができると思ったことは、必ずできるとは限らないけれど、自分ができないと思ってしまったらそれは絶対にできない、ということ」

「周りができないということはたくさんあるんだけれども、それでも自分が頑張っていたら、最後はできることがたくさんあります。できないことももちろんあると思うけれど、自分の中で自分の可能性を決めないでほしい」


「人がどんな人間かっていうのは、人が見ているところで見える姿ではなくて、人の見えないところでどんな自分であるかということが、その人であるのかなという気がします。自分一人で頑張らなきゃいけないときに頑張るというのは力がいるし、難しいことなんですね。だから、常に自分に自分はどうなんだということを問うというか、そんな人間、大人になってほしい」


「僕はそれをできているとは決して言えないんだけれども、(昨年)5月頭にゲームに出られなくなってから一人でトレーニングをしたり、バッティングをしたり、ボールを投げたり、ほとんどがそういう時間だったんですね。で、そこで思ったのは、自分でこれを続けられるかどうか、続ける自信があるかどうか。手を抜くことも同時に簡単にできてしまう。でも、そこで手を抜いてしまうと、最後、シーズンを終えたときに自分が自分に負けてしまったような感覚がきっと残ると思った。今年(昨年)、それは自分でできたんじゃないかなと思っている」


だった。

さすがイチロー。
記者も書いているが、これは去年プレイヤーを外れても練習を続けた経験を語ったものだ。

彼の去就は決まっていないが、まだまだ選手としてやってほしいと思う。



| | 考えたこと | 10:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
スルメにお湯をかけても…
朝のドラマ「まんぷく」の盛りたて役、松坂慶子のセリフ。
この人は東京出身だが、ホントに関西弁が達者だ。

話はチキンラーメンの開発の物語だが、そこで乾かした麺にお湯をかけて戻す、というアイデアをどうやって実現するか、というところ。
今でこそ当たり前だが、チキンラーメンが存在しないときには、当たり前ではなかった。
それどころか、そんなことができるはずがない、とみんなが思っている。

松坂慶子の役回りは、ヒロインのお母さん役で、「武士の娘」というふれこみ。
いつも、みんなが思っていることを口に出して、煙たがられる。
それがやたらと面白い。
こないだも書いたが、それでいて本心では嫌がられず、愛されるキャラを作るというのは役者の力。

タイトルのセリフは、お湯をかけたらラーメンができる、というアイデアを聞いて「そんなことができるはずがない」という意味のことを言った。
それに続けて「スルメにお湯をかけても、イカには戻らない」。

それを大真面目な顔で言う。
みんなが、「そんなのできるのかな」と思っている場面。
それでも他の人たちが、なんとかなる、と言っているのに、一人正直に「そんなの無理」という。
こういう芝居ができるのは、ホントに大したもの。
本気でそういう顔をして、言わないとウケない。

今回の朝ドラの主役は、松坂慶子だ。



| | 考えたこと | 23:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
ロボットに奪われる職業
以前AIに奪われる職業というのがあったが、今度はMSNニュースにロボットに奪われる職業というのがあった。
もちろん、AI搭載のロボットになるが、一部は実際に使われているもの。
それだけに真実味がある。

1.レセプショニスト
ハウステンボスでもう使われているが、受付業務はロボットでできる。
顔認証のシステムを入れれば、犯罪者など一発でわかる。
言葉も、多言語OKだ。これはもう実用化されている。

2.販売員・店員・ウエイター
ペッパー君がすでに飲食店などで稼働している。
将来はアパレルの販売員などにもなるらしい。本当かと思うが、そういう計画なんだろう。

3.弁護士・法律アシスタント
すでにアメリカの大手法律事務所では活躍しているらしい。
過去の膨大な法律関係の文書などを蓄積して分析。これはコンピューターの得意分野。
将来は弁護士という職業がなくなるという予想もある。

4.運転手
これは自動運転になったら当然なくなる。
だいぶ真実味を帯びてきた。でも、事故などを起こしたときはどうするという不安もある。

5.振付師・作曲家
これはびっくりしたが、AIでダンスの型や動きをデーター化して、いい振付を作るらしい。
作曲も同じこと。過去の膨大なヒット曲からいいメロディーを作るのは時間の問題。

6.建設現場や工場の従業員
危ない仕事はロボットで代替できるようになる。
また、3Dプリンターで大きな建築物も作れるようになるとのこと。だから、作業は簡単になる。

7.清掃係・家政婦
家事全般をやるロボットも作られている。ルンバの高級版もある。家電の進歩もあるだろう。
未来では家事はロボットに任される。

8.料理人
料理のロボットもできる。今は寿司ロボなど特別分野だが、なんでもできるようになる。
後片付けもやってくれるようになるだとのこと。

9.外科医・医療アシスタント
今でも手術用のロボットは大活躍。これからもどんどん開発されて、外科医の仕事はなくなる。
そうなると手術室の看護婦も要らない。

10.ミュージシャン
すべてロボットからなるバンドのライブ演奏ができるようになる。
ボーカロイドもよくなったし、ドラムやシンセサイザーはずっと前からコンピューターでもできる。

11.教師
オンラインの授業システムができている。未来の世界ではロボットが教えるかもしれない。
ロボットならえこひいきもないし、一人ずつに合った内容で授業ができるだろう。

12.宅配・配送業者
アマゾンはドローンでの配達を試験的に実施。欧州では料理を運ぶロボットも採用されている。
これも時間の問題か。

13.農業
第一次産業にもロボットは進出している。無人のトラクターもある。土が要らない水耕栽培ファームなどもある。これからどんどん進む。

14.バーテンダー
これもプロトタイプはあるらしい。酒を混ぜて作るだけだから、できるだろう。
ただ、話し相手になるのはまだまだ難しいと思う。

15.レジ係
すでにレジがない店舗もできている。カメラや現金レス、IDタグなどでできる。

これらを見ていると、たしかになくなりそうな気もする。
以前は教育などの人とかかわる仕事は置き換わらないということだったが、それも置き換わりそうだ。
どれくらいの未来かはわからないが、こうなったら人間は何をするのだろう。
それこそ、暇つぶしの人生を送る方法を考えないといけない。

日本人には向いているかもしれない。





| | 考えたこと | 22:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
イメージは大事
こないだ、学生が来て相談を受けた。
数学の計算はできるのだが、文章題になるとできないという。
そういう学生は多い。

機械的な計算はできる。
一次方程式も式が立てれば機械的に解ける。
問題は「機械的でない部分」なのだ。

文章題でも公式があればできる、という。
だから公式を教えてほしいというが、「はじき」のように速さ、時間、距離の関係が分かったからと言って、問題は解けない。
文章題を見て、考えることが必要だからだ。
向かい合って出発するのか、追いかけるのか、単位は時間でそろえるのか、分でそろえるのか…。
これは要は国語の問題だ。
要は文章を読んで、考える、という作業ができない、ということになる。
だから、就職筆記試験では「集合」のように「公式」がないジャンルの問題が増える。

でも、そういう学生でもパズルのような問題は得意だったりするから、どうなっているのかわからない。
AはBより早い。CはDより遅いが、Bより早いとかいう問題。
これは単純にイメージできるからマシなのではないかと思う。

速度や損益、濃度などは本当に苦手な学生が多い。
要は、イメージできないのではないかと思う。

速度では、「速度は単位時間あたりに移動する距離」という言葉がイメージできない。
「1時間に走る距離を時速という」と言い換えてもまだ難しい。
損益では、原価、定価、値引き率、売価、売り上げ、利益などの言葉がわからないと、問題がイメージできない。
利益は売り上げから原価を引いたもの、ということが直感的にわからないのだ。
濃度でも、食塩と食塩水、濃度の関係が式の上ではわかるのだが、「濃度」という概念が頭に入っていないとわからない。
結局、そういう抽象的な概念操作が訓練されていないのだと思う。

言葉の意味がわかる、ということはそれをイメージできる、ということだ。
イヌとかネコとか、友だちとか、ごはんとか、そういう手で触れるものは実際にイメージできる。
できなければ、どこかオカシイ。
しかし、速度とか、損益とか、濃度という、手で触れないもの、つまり「形而上のもの」が出てくると、イメージできなくなる。

表面的な意味や定義がわかっても、それをイメージすることとは違うのだと思う。
そういう脳の中の回路は、いつごろできるのだろうか。

3歳までにイメージする能力が形成されるということだが、その時期にビデオばかり見ていたら、どうなるのだろう。
そんなこととも関係があるのだろうか。

誰か、そういう研究をしてくれないか。


| | 考えたこと | 23:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
クルマが減る
世界でクルマがどれくらい減るかという調査があった。
イギリスのHISマークイットというところの調査。

「「保有」から「利用」へのシフトに伴い、2023年以降は年1億台程度の世界新車販売台数のうち約2%にあたる200万台規模の需要が「カーシェアなどの普及で消える」という結果。

まあ2%ならしれている、と思うが、業界の人にとってはその先がもっと問題になるんだろう。
世界中のカーメーカーが気にしている「百年に一度の変革」が起ころうとしている。
それを表す言葉が「CASE」(Connected、Autonomous、Shared、Electrc)。
クルマがネットワークにつながり、自動で運転され、共有され、電動化するという未来だ。

そのために、同業者や他業種と提携したり、投資したりしている。
トヨタがソフトバンクと、ホンダがGMと協力するのも、このCASEへの対応だ。

中国は電気自動車で先行しようとしている。
将来電気自動車がメインになるなら、エンジンで追いつくよりも、モーターで先行しようということだ。
ここは国がそっちに舵を切ったら、みんな一斉に向かうだけに強い。
ある意味、民主国家でないという強みがあるから、トップが方針を決めると一斉に動く。

何が問題かといって、自動車の台数が減ると、雇用が減るということだ。
日本に7社ほどある自動車メーカーは、生き残りをかけて頑張るだろうが、人口は減るわ、台数は減るわでダブルパンチになる。
人口が減る分は雇用が減って、かえって助かるという面もあるが…。

これからどうなっていくのだろう。

予測がつかない時代が来るなあ。




| | 考えたこと | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
城 南海
城 南海は「きづきみなみ」と読む。
奄美大島出身の歌手。
Wikipediaによると、1989年生まれの30歳。平成元年生まれだ。

BSで池波正太郎の時代劇の再放送をやっているが、そのエンディングでこの人の歌が流れる。
「サヨナラよりも伝えたかったこと」という歌。
この歌が、いい意味で昭和っぽくて好きだ。

この人はテレビのカラオケバトルの番組で連続で1位になったらしく、歌唱力は定評がある。
視聴者から、昔の歌をこの声でぜひ聞かせてほしい、という要望もあって、カバーアルバムを出している。
いくつか聞いたが、昭和の歌は「さらば恋人」「12月の雨」「少年時代」など。

当時の歌は、言葉数がそんなに多くなくて、彼女の歌い方に合っていると思う。
中高年向けのマーケティングなのかもしれないが…。
去年の大河ドラマ、西郷どんの劇中歌も歌ったらしい。

奄美大島出身だけあって、独特のコブシがある。
現在は鹿児島在住で、シマ唄を歌っている時にスカウトされたとのこと。
低い音から高い音に飛ぶ時に、上手に声を裏返らせる。
これが心地よい。

彼女の歌はほとんどプライムミュージックでストリーミングで聞ける。
自分のアルバムと、カバーアルバムがある。
やっぱり昔のカバーが目に留まる。

番組の方は、池波正太郎の短編の時代小説を1話ずつ見せるというもの。
池波作品に出てくる女性は、やっぱり昭和の女性という感じ。
時代劇でも、そんな感じだ。

そのエンディングで「サヨナラよりも伝えたかったこと」が流れる。

最後の部分の歌詞はこれだ。

春の桜も 夏の花火も
秋の日和も 冬の落ち葉も
あなたと見れて 幸せでした
大切な日々を 忘れない
私を愛してくれて ありがとう

作詞は小倉しんこうという人。調べたら1980年生まれだった。
もっと年を食っているのかと思ったが…。
ら抜き言葉がちょっと平成っぽいが、なかなか情感のある歌詞。
テレサ・テンが歌ったらいいかも、と思う。

でも、完全に昭和ではない。
コード進行など流行りのものが入っている。
ちょっとモダンな昭和という感じだ。

というわけで、このところヘビー・ローテーションの曲だ。



| | 考えたこと | 23:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
古希の小田和正
小田和正のドキュメントをやっていた。
去年の古希のパーティの様子が映っていたが、小田和正と仲間の4人の古希のメンバーと一緒に壇上にいた。
実際、コンサートツアーなどの関係者に、70歳に近い人はたくさんいる。
まあ小田と同年代のスタッフがそのままやっていれば、そうなるのもうなづけるが…。

でも、古希を過ぎて全国ツアーをやるのは、やっぱりスゴイと思う。
腹筋運動を100回やったり、走ったり、ラジオ体操したりして、身体は鍛えている。
努力を積み重ねて、ツアーをしているのだ。

若い頃は簡単にできていたことも、努力しないとできなくなる。
それが年をとるということだろう。

ハイトーンを出すということには、本人はそんなに苦労していないという。
出なくなるときは、出なくなるので、それまでは出るということらしい。
毎日それを心配する生活なんだろうか…。

彼は加山雄三が80歳になってもコンサートをやっているのを、どうやって前向きな気持に持っていくのかと言っていた。
前向きな気持ちにならないと、ツアーはできないということか。
そうだろうなあ。
半年くらい続くんだから、大変だ。

コンサートの前に、ギターのメンバーと歌を確認する。
それは前々回くらいから、間違えるところを確認するためにやっているとのこと。
リハで間違えたら、自分で気をつけるから、ということだ。

観客はほとんど50代以上。
ステージも1/3くらいは50を越えているかな。
武道館のステージでは、36年前のオフコースのコンサートにも来ていた人がたくさんいて、同窓会をやってるようだと言っていた。

「毎日がアンコール!」というのが、今回のツアーの名称だったが、あれは70歳を迎えて、今の彼の人生がアンコールみたいなものだと言っているような気がする。
もう本編は終わって、「ついで」のところに入っているという感じ。
そういう思いがあるんだろうと思う。

小田和正も、だいぶ人間が丸くなった。
若い頃はとっつきにくくて、鼻持ちならないやつだったんだと思う。
本人もそう言ってるくらい。
でも、今は小田のツアーの仕事は、スタッフもアルバイトも喜んでやっている。
古希を迎える歳になって、自分でもスタッフを信用して任せられるようになった。

ツアーの最中に71歳を迎えた。

60代とは違って、70代はやっぱりシンドイという。
60代は、シンドイといっても、まだまだやれる。
でも70代は違うのだ。

ツアーの最終日。
ステージから降りてくるたびに、「歌えたなあ」といって休む。
アンコールで、次があるかどうかわからないと言いつつ、精進して努力を重ねていきます、と言った。
何万人もの人に喜んでもらえている、という実感が彼に歌わせているのだろう。

最後に「また会おうぜ」と言ってステージを降りた。

まだまだ歌ってほしい。



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目覚まし時計
スマホの普及で使わなくなったものの一つが目覚まし時計。
今の若い人たちは、ほとんどスマホで起きているのではないか。

一つは目覚まし時計よりも機能がUPすることだ。
スマホのアラームは何種類か設定できる。
目覚まし時計が1種類しか対応できないのとは違う。
1日に2回以上セットもできるし、曜日によって分けることもできる。
例えば、平日は7時だが、土日はオフにするなど、簡単だ。
音の種類も多く、アラーム1つごとに好みの音を設定できる。
音の大きさも、最近のスマホはかなり大きい音も出るので、枕もとに置いておけば大丈夫。

もう一つは、寝る前や起きた時に最初に触るのがスマホ、という人が多いということだ。
SNSやスケジュールの確認など、スマホ経由の情報は多い。
天気や気温も確認できる。
どうせ起きた時に見るのなら、それを枕もとに置いておくのは自然だ。

実際に目覚まし時計の売れ行きがどうなっているのか、調べてみたら2010年に「睡眠に関する調査」があった。
対象は全国の男女。年齢分布等はわからない。
それでも、なんと55%の人が起きるのは「携帯電話のアラーム」だという。
あれからスマホが増えて、きっともっと増えているはず。

スマホが普及して、目覚まし時計を使わなくなった。
まさか、時計を作っているメーカーはそんな時代が来るとは考えなかっただろう。
とんだとばっちりだ。

コンパクトデジカメも、スマホのカメラがよくなって、売れなくなった。
電卓も、ちょっと押しにくいが私用ならスマホで十分。
万歩計も最近のスマホのものは精度が高い。
手帳もきっとスマホのスケジューラーがよくなって、売れ行きが減ったと思う。
若い人たちは、スマホで情報を得るから、新聞は取らない。
もちろん、固定電話など使わない。
新聞の購読料と固定電話の料金は、毎月かかってくるから大きいだろう。

そう考えると、通信費は上がっているが、スマホで代替えされるものは少なくない。

こないだ書いたが、カーナビもアメリカではスマホが主流という。
そのうち日本もスマホになるだろう。

トランジスタラジオも、そのうちスマホのネットラジオになると思う。
ボイスレコーダーも、スマホで十分だ。

中国では決済もスマホでやるらしい。完全に財布代わりだ。

本当にスマホは世界を変えていく。






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脳測定マシン
川島教授というと、「脳トレ」を開発した人。
今は東北大学の加齢医学研究所というところにいる。
その先生が、脳の血流を可視化する装置を日立と共同で開発したらしい。
重さはたった30グラム。手のひらに乗る。
この機械を手に持って額に当て、スマホと無線で接続して脳の活動状況を測定できるとのこと。

今までの脳波を測る機械とはSN比が3桁違うらしい。
画期的な装置だと思う。

これをつけて、意識を集中させてドローンを操作したり、ゲームに応用することもできる。
昔、石森正太郎のサイボーグ009で出ていた、サイコキネシスみたいなものだ。
念じたら、ものが動く、というやつ。
小学生の頃、夢物語だったものが、疑似的に実現する。

瞑想のいいパターンがわかれば、それを実現するためのガイドも簡単にできそうだ。
ストレスを軽減するために、何をすればいいかとか、そういうのもできるのではないか。
もちろん、認知症の研究にも使えるかもしれない。

日本は世界でも最も高齢化が進むところだから、世界に先駆けて認知症予防をやれば、その技術を輸出して儲けることもできるかもしれない。
金の亡者だと思われるかもしれないが、それは必要なことだ。

日本はこれから若い人が減って、相対的に高齢化が進み、人口も減る。
国内の市場は縮小せざるを得ない。
そんな中で飯の種を見つけないといけない。

脳は人間の器官のうちで、最も未知なもの。
ロボットの開発にも、人工知能の開発にも、脳の仕組みを今以上に知ることは大事なことだと思う。

川島教授に頑張ってほしい。





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