考えたこと2

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SNS炎上の心理
最近、たむらけんじというお笑いタレントが来たラーメン屋で、店主が写真撮影をさせてもらったあと、ツイッターでつぶやいて、炎上するという出来事があったらしい。
店主は「マイク、カメラなかったら、おもろないやつでした」ということをつぶやいたという。

店主が失礼だと思うが、お笑いタレントだって始終おもろいわけではなく、それは当たり前だと思うのだが、これに対する反応がスゴイ。
一日に1000件以上嫌がらせの電話がかかってきて、本当かどうかはわからないが、店主の個人情報まで拡散されているとのこと。

ここまで来ると、ちょっと怖い。
たかが、お笑いタレントの悪口(というと語弊があって、炎上するかもしれないが)くらいで、ということだ。
世の中には、不満があふれていて、それがちょっとした拍子に爆発する、という感じ。
炎上騒動に加わった人たちがみんな、たむらけんじのファンで、プライベートのたむらがおもしろくない、といわれることに怒りを感じてツイッターでつぶやき、嫌がらせの電話をかけたとは思えない。
個人的には、そんなに面白い芸人でもないと思うし、ぼくは一度も面白いと思ったことはない。
どちらかというと、なぜ彼が売れるているのかがわからない。
だからといって、プライベートで行ったラーメン屋の主人にそう言われてもいい、とは思わないが…。

こういう炎上騒ぎが大きくなれば大きくなるほど、無関係の人が加わるのだと思う。
その沸点を超えると、もうコントロール不能になるのだろう。

別にたむらけんじのことなど、どうでもよかった人が、便乗してラーメン屋の店主のことを叩く。
叩けばそれが拡散して、ひょっとしたらフォロアーが増えるという計算もあるかもしれない。
さらに、炎上仲間とつながったような気になれるのだろう。

まあ、普段面白くもないタレントが、私生活でおもしろないやつ、と言われても当たり前やん、で終わるところがそれでは終わらない。
この場合は明らかに店主が悪いのだから、それは制裁すべきということになる。
実際、1000件も嫌がらせの電話がかかってきたら、もう制裁されていると言えると思う。
店主もツイッター上でつぶやくから、こんなことになる。

店主の側も、こういうことをつぶやけばフォロアーが増えるとか、同意する人がいるはず、と思ったのかもしれない。

この騒動を分析しているページがあった。
それによると、この原因は主に2つあるという。

・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の発達とインフラ化によって、私たちはインターネットのコミュニケーション空間からのデタッチメント(分離の意)が困難になり、「どうでもいいこと」に粘着しやすくなっている
・社会的なつながりの希薄化、社会的な承認の不足によって、私たちは自己肯定感が持ちにくくなっており、不安やストレスにさらされた際の避難所(シェルター)的な場所が限られる状況下で、SNSへの依存度合いが高まっている


まあ、そうだろうと思う。
ぼくはこの中で、社会的な承認の不足、というのが大きいような気がする。
そしてそれを煽っているのは、他でもないSNSなのだろう。

「いいね」がついた数を気にし、フォロアー数を気にして生活していると、そうなると思う。
実際、インフルエンサーという極めてフォロアー数(友だちの数と言ってもいい)が多い人たちは、ひと言で何万人もに影響を与えることができる。
身近な自分と比べられる人がプチインフルエンサーになっていたりすると、自分もなりたいと思う。
フォロアー数が、社会からの承認だと思うのだろう。

インフルエンサーは下手をすると、購読数の少ない新聞や雑誌よりも、影響が大きい。
マスコミが第4の権力というなら、インターネットのインフルエンサーも同じ扱いなのに、それが個人の考えだけで拡散する。
今や一部のマスコミも同じレベルに落ちたと思う。
悪貨は良貨を駆逐するのだ。

どうしてもリアルの生活が充実していないと、ネットに依存する率が上がり、そこで社会的承認を得ようとする。
ひいては、それが社会のコンセンサスを作るところまで行くと、衆愚政治ということになる。

ラーメン店主は確かに悪いが、それがここまで増幅されるのはそういう病理があると思う。
ひいては、これがインターネットの時代、民主主義のアキレス腱になる。

フェイクニュースを識別したり、こういう炎上を防いだりする技術はこれから大事になると思う。





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