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2019.02.22 Friday
本に頼る
若い人の活字離れということが、以前から言われている。
でも実際には、若い人はネットは得意で、情報自体は得ているのだろう。 ここでいう「活字」というのは、文字通り印刷された文字のことだ。 つまり「本」という紙のメディアが読まれなくなったということだ。 実際、就職の相談に来る学生も、就活本とかいうものを持っている人は少ない。 公務員試験を受ける人とか、教員採用試験を受ける人も、問題集は持っていても、月刊誌などの情報を見ているか、と聞くと驚くほど見ていない。 本屋に行ってウロウロすれば、そのたぐいのものは目に入るはず。 結局本屋に行く、という習慣がないのだろう。 もちろん、ネットの情報でも、以前はその道のベテランのコンテンツが主だった。 しかし、今はかなりいい加減なものが増え、一見してその区別がつきにくい。 だから、ちょっとオカシイなと思って聞くと、「ネットに書いてありました」ということになる。 インターネットが日常検索するものになって、どんどん玉石混交になってきている。 前にも書いた覚えがあるが、本とネットのコンテンツの一番の違いは、編集者がいるかどうかということだ。 本というのは、著者と編集者が共同で作るもの。 1冊の本が出る過程で、何人かの目で確認される。 一応、編集者はその本の扱っている話題に詳しいはずだ。 著者に必要な資料を届けたり、取材先を選んだりしているからだ。 本が売れなくなって、そういうところも予算が削られているかもしれないが…。 出版社の責任というものもあるから、そんなにいい加減な本は出ないと思う。 ネットのコンテンツは、誰の目のチェックも経ない。 書き手の良心に期待するしかない。 もちろん、読み手の判断もある。 しかし、わからないから調べているのだから、そこはあまり期待できない。 書き手や読み手のバイアスもある。 どうしても、書きたいことを書き、読みたいものを読むということになる。 中立を保つのは難しいのだ。 そういう意味では、やはり何か困ったときには「本」に頼ったほうがいい。 学校を出て社会人になると、先輩に頼ること以外、本に頼るしかない。 なにかについて、まとまった知識を得たい場合は特にだ。 そういうリテラシーをどうやって身につけるか…。 このへんは教育になるんだろうなあ。 |
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