考えたこと2

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ぼくらの時代
年をとっていいことの一つは、自分が生きた時代のことを俯瞰できることだろう。
長いこと生きないとそれは無理だから、年寄りの特権みたいなものだ。

ぼくはいろんな時代を見てきたと思う。
高度成長で、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた時代。
そして、バブルで踊った時代。
それが崩壊して、不景気になった時代…。

紙の時代から、パソコンへの切り替わりも見たし、そこからネットワークの時代になって、現在のインターネットの時代への移り変わり、そしてこれからインターネットが主役になる時代。
毎日夕方になると、10センチくらいのFAXの束が机の上に置かれていた。
メールの時代の前だ。

人によっては、環境が変わって大変だったという人もいるだろう。
でも、ぼくは新しいことをいきなり知ったのではなく、前の時代を知って使うことができた。
それはラッキーだと思う。
今では当たり前のことも、当たり前でない時代を知っているのだ。

レコードで音楽をありがたがって聞くこともできたし、今の便利さも享受できる。
その途中のカセットやVHSの時代も知っている。
それらを知っていると、なぜ今が出てきたのか、昔はどうだったのかがわかる。
だから、今しか知らない若者よりも得だと思う。

スマホなど影も形もなく、電話が「呼び出し」だった時代(電話の呼び出しもおそらく死語だろう)。
ラッキーにも戦争は体験せずに済んだし、それでもちょっと貧しい時代は過ごした。
小学校の頃の写真は半分以上白黒だし、家の前の道は舗装してなかった。
それでも、小学校の時に授業中に歩き回るような生徒はいなかった。

初めて乗ったクルマはホンダN360だった。
チョークがついていて、寒い日はエンジンをかけるのにコツが要った。
今のクルマは、車線を外れたら警告が出るし、高速道路で自動追尾することができる。

キューバ危機は覚えていないが、世界が東西に分かれた冷戦時代を肌で知っているし、それが終結したベルリンの壁が崩れたのも知っている。
中学高校の時代はベトナム戦争の時代でもあった。
それと並行して、アメリカのドラマや音楽が普通にテレビやラジオで流れていたのも知っている。
ビートルズの解散も覚えているし、ジョンレノンの射殺も知っている。

今になって考えてみると、ちょうどぼくらの生きた時代は、世界が大きく変わった時代だったと思う。
これからもっと変わるのかもしれないが…。

そして、まだこれからの時代もしばらくは見ることができる。
きっとインターネットが世の中を変えていくだろうし、AIがいろんなところで使われ、賢い機器が増えるだろう。

昔、手塚治虫の鉄腕アトムで夢みたいだったことが、一部は本当になる。
ロボットと会話ができる時代が来るだろう。

ぼくらの時代を若い人たちに伝えることはできない。
経験していないからだ。

街中にチェーン店でない喫茶店があったり、モールではない市場があったり、正月三が日は店が閉まっていたり…。
そんな経験は伝えられない。
ぼくらが死に絶えたら、それは完全に紙の上の歴史になる。

もうすでに、戦争中の出来事が紙の上の歴史になっているように。




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