考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< April 2025 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
損益算
大学生に数学(算数)を教えているのだが、彼らが不得意なのは「割合」。
分数に始まって、割合の概念が抜け落ちている。
小学校の4年くらいから習うはずなのだが…。

これがわからないと、その後は単元によっては全くわからなくなる。
割合が難しいのは、そこから抽象的な概念を扱うからだろう。
それまでは、四則演算であり、目で見て触れるものを扱う。
きっと割合で躓く人が多いのは、そこまでと違うからだ。

昔はそれをドリルでカバーしていた。
理屈よりも、身体で覚えるということだ。
何度もドリルをすることで、いつかわかるようになるのだ。

今はドリルよりも、まず理屈だ。
学習指導要領では、理屈をどう教えるかというところが大事ということになっている。
それをしたら、ドリルはあまりしない。
その他のくだらない科目が増えたからだろう。
でも、その時理屈がわかったと思っても、うわべだけだ。
その証拠に、大学生になって、割合がわからない学生がいかに多いことか…。

割合の中でも、就職筆記試験でよく出るのが損益算というやつ。
原価、定価、売価、利益率、値引率、利益というような言葉が出てくる。
実生活でも役に立つし、ビジネスの基礎みたいなものだ。
だから、一般常識としてもよく出題される。
ものの値段がオープン価格になって、定価がなくなり、よけいにわかりにくくなったのもある。

大きな企業ではパズルのような「推論」もよく出題されるのだが、それよりも割合の概念を知ることが、社会に出るうえで大事だと思う。
「割合」や「比率」ということを知らずに生きていくことは、もったいないとも思う。
それこそ、民主主義を支える上で必要な「知識」だろう。
経団連会長が言った、文系にも数学を教えるべきという事の基本だ。(経団連はもっと上のレベルを考えているとは思うが…)

とはいうものの、言うは易く行うは難しとはこの事。
なかなかそれをうまく教えることができない。
分数がわからないところからやらないといけなかったり、%や歩合からやらないといけなかったりする。
分数、小数、%、割の対応表を埋めさせたりして、1/2と0.5、50%、5割は同じものというところから始める。
これができないと重症だ。

さらに、原価、定価、売価などという言葉の意味。
一番難しいのが「利益」。売上と利益を混同している学生が多い。
売って得たお金が利益だという。
それは何度も「どうして最後に原価を引くのか?」という質問が出たことからわかった。
ぼくにとっては盲点だったが、そこで躓いている学生も多かったのだ。

今年の冬の講座は、非言語の講座を学習塾の先生に頼んだのだが、その先生のやり方は参考になった。
表を書く、というものだ。
文章題が苦手な学生は多いが、それは文章から式までの流れができないからだ。
本來は文章をイメージして、書いてあることを式にするのが普通なのだが、そこでも躓く。

だから、損益算の問題をみたらまず表を書くという作業をする。
原価、定価、売価、利益=売価−原価、という表を作る。
それで、表の中に文章に書いてある情報を埋めていくというもの。

文章の中のどの部分に着目したらいいのか、わからないから、式ができない。
それを表にして、書き出すようにしてやれば、やりやすいということだ。

この方式はあるレベルまで来ている学生には効果がある。
どうしたらいいか、わからない状態から、表を埋めるという作業ができる、という状態に変わる。
そうしているうちに、解けるようになっている。
これを続けることで、本当の意味が「わかる」ようになると思う。

やっと半歩ほど進んだ。






| | 考えたこと | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://hdsnght1957kgkt.blog.bai.ne.jp/trackback/237500
トラックバック