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2016.06.15 Wednesday
フィンガーピッキング
今、レッスンでブルーヘブンというシナトラの古い曲をやっている。
ブルーヘブンというと馴染みがないが、「狭いながらも楽しい我が家…」とエノケンが歌っていた曲。 シンプルな曲だが、コードはわりと凝っている。 先生はいろんなアレンジで弾くのだが、カントリー風にやるとこんな感じ、ということでフィンガーピッキングで弾いた。 懐かしい奏法だ。 ぼくがギターを始めた頃、PPM(ピーター・ポール&マリー)という3人組が有名で、パフがフィンガーピッキングの代表曲。 日本では高石ともやとか、高田渡、遠藤賢司などがよくやっていた。 「当時はフィンガーピッキングができたら一人前っちゅう感じでしたなあ」と先生が言う。 事実、そんな感じだった。 うちの息子たちはギターをやるが、フィンガーピッキングは通らなかった。 そういえば、今のアレンジでフィンガーピッキングが聞こえる曲はほとんどないと思う。 もうその言葉自体が死語になったのかな。 80年代はフォークだけでなく、アイドルの流行歌でも使っている曲がたくさんあった。 「サイモンとガーファンクル以降、減りましたなあ」とぼくは答えた。 ポール・サイモンはフィンガーピッキングの達人だ。 「4月になれば彼女は」とか、「フィーリン・グルーヴィー」とか…。 当時は耳コピなどできず、譜面が載っている雑誌を買って覚えたものだ。 その流れでピックで弾くストロークの話になったが、先生はアリスの「今はもう誰も」が最初の曲だ、と言っていた。 この曲、アリスがやって流行ったが、その前のウッディー・ウーのキーがCのやつだ。 ぼくは「戦争を知らない子供たち」だった。 サビ終わりのFからF#、Gと上がっていくのがかっこよくて、みんな弾いていたと思う。 そんな歌を弾いていた世代ももう還暦を迎える年齢。 先生とぼくは同じ年齢だ。 ギター一筋で生きてきた先生は、何でも弾けるスゴイ人だ。 寡黙な人で、あまり余分なことは話さないのだが、昨日はそんな話になった。 同じ時代を生きてきて、ぼくとはだいぶ違う。 羨ましいとは思わないが、あれだけ弾けたら気持ちいいだろうなあ、とは思う。 若いころはロックをやっていたが、今はガット・ギターをもっぱら練習している。 先生のレベルに少しでも近づけたらと思うが、ムリだろうなあ。 |
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