考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< June 2016 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
神戸山手短期大学
この短大、募集停止でついに閉めることになったらしい。
といっても、大学と中高は残るのだが、短期大学はもう人が集まらないということだ。
ホームページを見てみると、まだちゃんと学校紹介や学科のカリキュラムなど載っているから、いつ募集停止を行うのかと見てみると、平成30年度と書いてあった。

なんで30年度なのかなと思ったら、今年から従来の生活学科とキャリア・コミュニケーション学科を廃止して、現代生活学科を立ち上げたところだった。
完成年度(最初の卒業生を出す年)が29年度だから、そこまではちゃんとやります、ということだ。
文科省にこういう学科を作って、こういうふうに募集をかけて、受験生が集まる、という計画を出した手前、やらないと仕方がない。

情報公開のページを見てみると、定員100人に対して、91人の入学だった。
新しく立ち上げた学科は、人気があるはず(というかそれを狙って作った)だが、入学者が集まらず、学校法人も諦めたということだろう。
その前の状況を見ると、150人の定員で81人の入学だから、それよりは改善したということだ。
まあ、でも定員を50人減らして100人にして、さらに新しい学科にして、それでもダメだったということだろう。
資格取得に結びついていない学科だから、人気がなかったのかもしれない。
遠方の下宿生には初年度15万円の給付奨学金が出る、という制度まで作っているのに…という感じ。

学校法人としては、短期大学側に「これで集まらなかったら潰す」というクギを刺していたのかもしれない。
タイミング的にも、そういう感じだ。
赤字をいつまでも垂れ流すわけにはいかない。

ホームページのお知らせには、こう書いてある。

「神戸山手短期大学は、建学以来66年にわたり高等教育を提供してまいりましたが、短期大学を取り巻く厳しい環境を打破できず、将来にわたって教育研究活動を継続することは極めて困難であると判断し、平成30年度から学生募集停止という苦渋の決断をいたしました。
なお、2017(平成29)年度入学試験は、“入試案内ページ”で紹介させていただいております日程や選考方法により、予定通り実施いたします。
もちろん、在学生はもとより2017(平成29)年度入学生のみなさまの卒業に向けて、教育・学習支援や就職・進路支援には万全を尽くしますので、ご理解をいただきますようお願い申し上げます。
また、卒業生のみなさまにも支障がないよう体制を整えてまいります。」

まあ、なくなるとわかっている学校にわざわざ入る学生が何人いるか…。
申請した手前、完成年度まではやらないと恰好がつかない、ということだろう。

当該の現代生活学科のページを見ると、涙ぐましい努力だったんだろうと思う。
ホームページもリニューアルして、きれいになっているし、文科省を意識して「アクティブ・ラーニング」も全面に押し出している。

専任教員は12人。
化粧品の科学、テキスタイルの科学、コミュニケーション学、舞台音響、コンピューター2名、英語教育、グラフィックデザイン、食文化、住生活、調理科学、児童英語という顔ぶれ。
この人たちは2年後以降は仕事がなくなるから、どこかに行かないといけないんだろう。
そうなると、授業どころではないという人もいるだろうなあ。
デキる教員はそうなる前に行く人が多いが、どうなんだろうか。

新しい学科を立ち上げるために、何人か教員を呼んできたんだろうか。
普通は何人かは新規だと思う。
その人たちにはどういう説明をしていたのか、知りたいところだが…。
でも、非常勤の教員はいくらでもいるから、そこから業績を見て選べばいくらでも集まるのが現実。
そういう条件で新しい人には声をかけたんだろうなあ。

シラバス(授業内容)を見ると、興味深い。
こういうところでは、もう授業にキャリアセンターが入っていて、ガイダンスなど課外でやるものを授業でやってしまう。
単位を出すのはどうかと思うが、それも就職させるためには必要になるんだろう。
特に短期大学は入ってすぐに就活になるから、大変だ。
授業は2コマあるが、キャリアプランニングAというのが一般的な就活対策だろう。

キャリアプランニングA
第1回目:社会人になるとは、 正社員のメリットとフリーターのデメリット。
第2回目:2016年の就職活動スケジュールと試験内容。
第3回目:自己分析/自分は何がしたいのか、 何ができるのか。
第4回目:自己分析の上で、 自己 PR の作成 (後日回収、 添削、 その後返却)
第5回目:リクルートスーツの選び方と着こなし。
第6回目:就職試験の種類と受け方。
第7回目:注 (木曜日4限) 就職内定している現2年生より、 就職活動の実際の話とアドバイス。
第8回目:企業アプローチの仕方;その1/学校推薦から自由応募まで
第9回目:就職ナビ登録
第10回目:就職筆記模擬試験 (SPI)
第11回目:企業形態;株式会社、 上場企業
第12回目:注 (木曜日4限) OG 懇談会/社会人として働く OG が来校。 働く現実について話とアドバイス。
第13回目:エントリーシートの書き方
第14回目:エントリーシートの作成
第15回目:企業アプローチの仕方;その2/履歴書、 カバーレター、 電話のマナー
第16回目:面接の受け方、 注意点。
第17回目:集団模擬面接

これだけ手取り足取りやっている。
それでも、去年の実績で92人の卒業生に対して、62人の就職実績。
短期大学で6割台では、閉めるのもやむを得ないという感じ。
人数が少ないから、指導ができるというワケではない。
指導できる学生がどれだけいるか、ということだろう。
でも就職先は神戸の老舗短大だけあって、地元のいいところも多いようだ。
もちろん、筆記試験対策も授業に組み入れられている。

キャリアプランニングB
第1回: 就職試験の概要・ガイダンス、 小数・分数の計算、 四則の混合算、 連立方程式
第2回: 割合・比、 金銭計算 (損益算)、 漢字の読み書き
第3回: 金銭計算 (料金の割引・代金精算)、 漢字の読み書き
第4回: 速さ・時間・距離
第5回: 流水算・通過算、 同音異義語
第6回: SPI 確認テスト?、 鶴亀算
第7回: 濃度算、 年齢算、 四字熟語
第8回: 仕事算・水槽算、 集合
第9回: 推論、 時事問題
第10回: 順列・組合せ
第11回: SPI 確認テスト?、 確率、 対義語・同義語
第12回: 図表の読み取り、 日本地理
第13回: 条件と領域、 類義語・二語の関係
第14回: 物の流れと比率
第15回: 総復習

もちろん非常勤で、関西外大でも名前が出てくる講師が教えていた。
見てもらって分かる通り、半分ほどは小学校の算数。
これが現実なのだ。
今の小学校・中学校の教育のしわ寄せが、こんなところにも来ているということだ。
それだけ一生懸命やっても、ダメなものはダメ。
まあ、大学と中高が残るから、法人としてはいいのかもしれない。

でもよく見たら大学も980人の収容定員で594人しか入っていない。
いずれ・・・という感じだなあ。

神戸山手短期大学、ついに66年の歴史に幕を閉じる。
最後の一人の学生まで、ちゃんと教育して出してあげてほしい。

| | 考えたこと | 20:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
朝日屋カレー
近所に朝日屋というカレーの店があった。
ウチの家族はそこが好きで、かなり通った。
子どもらが小さい時は、辛さが2とか3のものを頼んでいた。
ぼくは辛いのが好きなので、いつも5を食べていた。
辛いものが食べられるようになって、やっとオトナになれる、ということだ。
あの店で鍛えられて、子供らは辛いカレーが好きになったのだと思う。

最初はお母さんが店を切り盛りしていた。
数年前に代替わりして、娘の代になった。
きっと3人娘だったのだと思う。よく似た女性が3人いた。
カレーにはいろんなトッピングができたし、カツカレーやハンバーグカレー、シーフードカレーなど一通りあった。
玄米、白米を選べたし、ライスの量も選べたし、辛さも選べた。
子どもが大学生になったころ、辛さのレベルが追いついた。
その頃には店も模様替えをして、カレー鍋や定食のようなものも始めていた。
店内も模様替えしてハイカラになった。

今は子どもらのほうが辛いものに強くなった。
別に辛いものが食べられたらエライというものではないが、オトナというのはそういうものだという価値観は引き継がれたと思う。

その朝日屋カレー店も6月19日に閉店した。
あの店のカレーが食べられなくなるのは残念だ。

あの唐辛子だけでなく、スパイスで辛いカレー。
もう食べれらないのか。

残念。



| | 考えたこと | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) |