考えたこと2

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怒れる老人
こないだから2度ほど道で老人が怒っているのを見た。
一度は70代と思われる男性が同じく70代と思われる女性に説教していた。
何かあったのは、あったんだろう。
クドクドと「だから、アカンいうとんねや」などと大きな声で道端で話していた。
女性の方は「だから、すいません言うてる」と謝っていたが、その感じは謝っているという感じではなかった。

もう一度はバス停だ。
ベンチに座っている70代と思われる男性と、立っている男性。
こちらもきっかけはわからない。
多分、しょうもないことなんだろう。
こちらは言い合いになっていたが、バスが来たので片方が乗って終わった。

乱暴を働くという感じではないので、周りの人は見て見ぬふりをしていた。
まあ、しゃーないなあということだろう。
いい年をして、カッコ悪いとか、大人げない(老人げがない?)と思っているふうだった。

年をとると、人間ができてちょっとやそっとのことでは怒らない、というのは昔の中国のエライ人が言った格言にあった。
論語に「七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず」とある。
「心の欲するままに行動しても、人としての道を外れることはなくなった」という意味だ。
でも、昨今高齢化でその年齢が上がり、そういう境地に達するにはもう20年ほどかかりそうな感じだ。

このキレる原因は、脳科学によると前頭前野の動きが悪いということらしい。
前頭前野というのは、欲望や感情を抑える部位。腹がたっても、抑えておこう、というような判断をするところとのこと。
ここは十代の終わりまで発達して、そこで止まるらしい。
でも、70代の人たちは戦前の色が強い人たちに教育されており、そこは発達しているような気がする。

となると、もう一つはセロトニンという神経伝達物質の欠乏ということ。
これは前頭前野の動きを助ける働きをする。
これが、疲労やストレス、運動不足、人とのコミュニケーション不足などが重なると分泌されにくくなるらしい。
疲労やストレスはともかく、運動不足や人とのコミュニケーションは高齢者は不足しがちだ。

血糖値の乱高下というのもキレる原因らしいが、まあそれもあるかもしれない。
低血糖になると脳が不安になり、アドレナリンが増えるらしい。だから攻撃的になる、という理屈。
お腹が空くと不機嫌になるという感じだ。

でも、一番大きいのはセロトニン説だなあ。
怒っていた人たちを見ていると、あまり社会と繋がっていないような感じがする。
70代でもNPOをやっていたり、老人大学に出ていたり、宗教行事に一生懸命だったりすると、格言のような人になっているようなイメージがある。

一人暮らしで、話もしない、というような老人が外に出て何かちょっとしたことで腹をたてるのだろうか。
誰か、早めに原因を見つけて、対策を取らないと、あと何十年かしたらそういう人がもっと増える。
福祉をやっているセンセイたちにお願いしたい。

まあ、働き続けるのが一番なんだが…。


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