考えたこと2

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熱力学
熱力学というものを勉強したことはないが、出張の帰りにクルマの中で話したことがある。

彼は当時のぼくの部下だった。
熱力学を少しかじった事があるという事で、教えてもらった。

出張というのは、毎月1回、茨城県のつくば市にクルマで行っていたものだ。
朝の7時半くらいに吹田に集合して、夜の8時頃に宿舎に着いていた。
帰りはその反対。
夜、暗くなって、阪神高速のオレンジの明かりが見えると、毎回「ああ帰ってきたなあ」という気持ちになったものだ。

彼曰く、熱力学というものにはいくつかの法則がある。
面白かったのは、熱力学には「時間」というものがある。
物理の法則で、時間の概念があるのはめずらしいと思う。
それがエントロピーの増大だ。
具体的に時間が言われているわけではないが、彼はそう説明した。

時間がたったら、熱は一様になる。
熱いところや冷たいところがあっても、時間がたてば全てのところは同じ温度になる、という事だ。
当たり前のことだが、これがエントロピーが増大するということらしい。

「エントロピーの増大」ということがわかりにくいので、簡単に言うとどういうことか?と尋ねると、彼は説明してくれた。

つまり、情報が来ると、整理するためにファイリングするでしょう。それと同じことです。
何も整理されず、情報がただあふれている状況がエントロピーの高い状況で、それをファイリングして、必要なものをすぐ出せるようにするのが、エントロピーの低い状況です。
温度が高いところや低いところがあるのは、エントロピーの低い状況。
放置しておいたら、だれも整理しないでしょう。それがエントロピーの増大です。
熱も同じことで、放置しておいたら全て同じ状態になります。

なるほど。

しかし、「時間がたてば」というのは、面白い。

「時間がたてば、全てが一様になる。」

物理学らしからぬ法則だ。
永遠の時間、というのを仮定していると思う。
調べてみると、実際の法則にはそのようには書いていない。
しかし、彼はそういうニュアンスで説明した。

あれには、彼の考えが示されていたのだろう。

そういう説明を聞いて、西宮インターに着いて、阪神高速に入った。

残念ながら、彼はその後すぐに辞めてしまった。
ぼくも、そのずっと後に辞めたのでえらそうなことは言えない。

しかし、面白いヤツだった。

辞める時に、後任人事の事もあるから、人事課にあまりきついことは言わないでくれと言ったら、そうしてくれた。

短い間だったが、いい部下をもった。



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