考えたこと2

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禁煙とティータイム
ぼくは2008年に脳梗塞をやって、禁煙した。
当時はまだオフィスの中にも喫煙ルームがあったりして、仕事場で吸えた時代。
その後10年経って、どんどん厳しくなった。
学校でも構内は禁煙、というのが当たり前になりつつある。
喫煙者の先生は研究室でこっそり吸う、という感じだ。
オフィスビルでも、室内で吸えず、階段の踊り場などで吸うとかいう有り様。
そもそも若い人の喫煙率は下がっているから、どんどん吸う場所も減っていく。
電子タバコもだいぶ普及したが、それでも何となく人のいるところでは吸えない、という風潮だ。

禁煙してみたら、タバコを吸うと部屋が汚れるとか、灰がいろんな所に落ちるとか、匂いがするとか、デメリットが見えるようになる。
でも、一つ喫煙の良さがあるとしたら、仕事中に違う部署の人とコミュニケーションが取れる、ということだ。
ぼくが経験した職場では、他にそういう機会がなかったから、結果的にこれは良かった。
当然、喫煙者だけだが、それでも仕事のことで、いろんな情報を交換したり、知恵をもらったりした。
そして喫煙者がそれを持ち帰り、部署の中で情報交換する。
これが結果的に組織の垣根をだいぶ下げていたのだと思う。

全面禁煙にしたときに、こういう場をどうやって作るかは難しいと思う。
それまでは何の不自由もなく、自然にできていたからだ。

ぼくが新入社員のころ、もっと古い人たちには、麻雀というコミュニティもあった。
夕方4時過ぎに電話があって、課長に取り次ぐとひそひそ話をして、5時過ぎに帰る。
そういうときは、たいがい会社のそばの雀荘にいる、と先輩社員に教えてもらった。
会社が忙しくなり、雀荘も潰れてしまったが…。

今の会社は組織も大きくなり、人も増えて仕事は細分化したのだと思う。
そのうえ、全面禁煙が当たり前になっている。
おまけに、どんどん中途入社での人も雇っている。
そうなると、どうやって部署間のコミュニケーションを取るのだろう、と思う。

公式には会議体があったりして、部署の情報はシェアされるのだろうが、そんなところで話せる情報はしれている。
非公式のコミュニケーションの場がどれだけあるか、だと思う。

80年代にイギリスのオフィスで何日か働いたことがあるが、あのときはイギリスには本当にティータイムというのがあるのを知った。
古い会社だったから、それがあったのか、それともイギリスでは当たり前だったのか、そこまではわからない。
それでも、そのフロアのいろんな部署が集まって、午前と午後の2回、ティータイムをやっていた。
当時、イギリスは経済的には苦しんでいたが、それでも余裕があって、豊かな国だと思ったものだ。
今はどうなっているかは知らないが、あれはいい制度だと思う。
部署間の情報交換を非公式に進められる。
他部署の人のアイデアをもらえたりもできる。

今から思えば、脳梗塞をやってから、ほとんど他部署の人と話す機会はなかった。
週に1回の会議だけ。
もっとコミュニケーションが取れていれば、辞める時期は遅くなったかもしれないとは思う。

それほど、非公式な部署をまたいだメンバーとのコミュニケーションは大事だ。
タバコはもうだめだとしても、ティータイムならやれるのではないか。

一見、生産性が下がりそうだが、きっとこういう取り組みは生産性を上げると思う。
| | 考えたこと | 22:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
テレビCM
去年の春に関東圏のテレビCMの取引指標が変わったという。
原因は、大手の広告主へのアンケート結果。
103社中37社から「社内でテレビ媒体の利用をやめてみてはどうかという意見が挙がったことがある」との回答が寄せられたらしい。

民放はテレビCMの広告収入で成り立っている。
そのCMを止めよう、という動きが広告主の間に出ているということだ。
古いメディアの筆頭であるテレビ。
新聞や雑誌と並んで、存亡の危機にある。

インターネットの広告を出せば、いろんな情報が得られる。
大手のSNSなどが、検索の情報や個人の属性などを取っていて、それと広告のバナーをクリックした回数やどんな広告をクリックしたかなどの情報を合わせて分析できるようになっている。
値段も圧倒的に安い。
得られる情報量が圧倒的に多いのだ。
そういうわけで、テレビCMを止めようという声になる。

実際、若い人たちはテレビをほとんど見ない。
テレビよりもネットのほうが楽しいからだ。
これが進めば、確実にテレビの広告は減るだろう。
古いメディアを見る人たちはどんどん亡くなっていくからだ。

そんなわけで、関東圏のスポットCMの取引指標が、去年の4月に「リアルタイム世帯視聴率」から「リアルタイム個人視聴率」と「放送後7日以内のテレビCMの平均視聴率」というものに変わった。
遅まきながら、視聴率の取り方を個人ベースに変えて、録画への対応をしたということだ。
広告主にとっては、ちょっと情報量が増えたということになる。

ぼくは地上波はNHKとリアルタイムの中継以外ほとんど見ないが、そんな人も増えているんだと思う。
実際、広告主へのアンケートでは「5年後にテレビ媒体への出稿比率は?」という質問に「やや減っている」が45.6%、「大幅に減っている」は13.6%、合計で59.2%がテレビの出稿を減らす意向を示したとのこと。

それを食い止めようとすると、広告の値段を下げてもっと多くの広告を入れることくらいしかない。
実際、制作予算も減少していて、各局ともに安価なワイドショーやバラエティが増えている。
ひどいのは、出演者がみんなでYoutubeの動画を見たりするものや、新聞を見るもの。安く作れるんだろうが、ああいうのを流していて疑問を感じないのだろうか。

ドラマもロケが少なく、スタジオの場面が多かったりするし、昔の番組の再放送に比べて明らかにエキストラも少ない。
素人が見ても、手を抜いているのがわかる。
また、長期になるとギャラが上がるので、たいがい3か月で終了。
何年もにわたって作られる海外のドラマとは、質が違いすぎる。

遅きに失した感はあるが、テレビCMの取引指標が見直されようとしているのはいいことだとは思う。
しかし、民放という広告に頼った従来のビジネスモデルが苦しいのは変わらない。

どうなっていくのか、楽しみではある。



| | 考えたこと | 00:40 | comments(0) | trackbacks(0) |