考えたこと2

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三角関数
松浦晋也というライターがいる。
「国産ロケットはなぜ落ちるのか」という本を読んだ。
よく取材されていて、いい本だった。

その縁で、彼のツイッターをフォローしている。
こないだの彼のつぶやきが以下のもの。

「経済が弱体化して日本技術者が中国に出稼ぎに行くというのは手始めでしかない。日本は食料輸入国なので、経済が弱体化すると食糧輸入ができなくなって食い詰める。経済の衰退の最後には飢餓が待っていると考えねばならない。

未来に向けて持続的に、日本という島国がこの星の上で食っていきたければ実体の伴う強い経済を維持するしかない。科学技術立国や高等教育システムの普及と維持はそのための方法論なのだ。

昭和一桁以前生まれが、魂の奥底に刻み込んだはずの飢餓への恐怖が、70余年を経てここまで薄れるというのは、ちょっとびっくりだと思っている。食べるものがないって、本当に悲惨で怖いことなんだよ。」

うちの父は昭和2年生まれだったが、たしかに食べ物がない時を知っていた。
毎年8月15日には、家族揃って芋粥を食べた。
その時に、戦後の食べ物のない時期の話を毎年聞いた。
芋の蔓まで食べたという話だった。
いつ頃までそんなことをしただろうか…。

「うちもそんなことをしていた」という話も聞いたことがある。
でも、そんなことをしている家庭ももうなくなった。
そのことを危惧して、彼はつぶやいたんだと思う。

小学校の先生は、日本には資源もなく、人が国を支えるという事を言っていた。
あの頃の先生も、昭和一桁生まれだったんだろう。

ぼくは橋下さんのファンだが、彼が三角関数を教えることに否定的なのは、手放しに同意できない。
確かに、三角関数など知らなくても生きていけるし、人生で成功もできる。
学校を出て、一生使わない人の方が圧倒的に多いというのもそのとおりだと思う。
それなら、三角関数を習わなくて、何を習うのか。

ことは三角関数のことではなく、役に立たないものを習うということについてになる。
人によってどういう人生を選択するか、バラバラだし、人生に役立つものを特定することは難しい。
だからこそ、こういうものを習おう、ということを誰かが決めないと仕方ない。

ぼくも三角関数は文系には不要だとは思う。
でも、その代わりに誰が何を選ぶのかということだ。

「科学技術立国や高等教育システムの普及と維持」ということを考えた時に、誰かが何かを選ばないといけない。

それはそんなに簡単なことではないと思う。



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