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2019.01.30 Wednesday
もうすぐ春休み
大学は早いところではもう秋学期の試験も終わり、卒業式を待つシーズン。
だいたい、3月の中旬くらいに卒業式だから、下宿している学生たちはぼちぼち引き払う。 この季節は卒業する学生たちにとっては、別れのシーズンになる。 今行っている学校には、学生個人のロッカーがある。 一人ずつ、必要なものは学校に置いておける。 先週から、ロッカーの前に告知が出た。 赤い字で書いてある。 「卒業する学生は、1月末までにロッカーの私物は持ち帰ること」 それを見て、ユーミンの「最後の春休み」を思い出した。 この曲は、「春休みのロッカー室に 忘れたものを取りに行った」という歌い出し。 今の学校そのものだ。 今日は資料の印刷で、コピー室に何度も足を運んだのだが、ロッカーの前で立ったまま長いこと話し込んでいる女の子がいた。 きっと、この春に別れていくのだろう。 学校で仕事をしていると、卒業式が近づくにつれて、なんとなく切なくなる。 そういう場面を見ることが多くなるからだ。 会社時代はそんなことは全く考えなかったが、仕事柄だ。 自分の事を思い出すと、卒業式にそんなに重い気持ちはなかった。 小中高は、次の学校に一緒に行く友達もいたし、クラスの仲間と別れることにほとんど未練はなかった。 そんな高尚な気持ちはなかったのだと思う。 さすがに大学4回生の時は、これで自由な生活はなくなるのか、という思いや、住み慣れた下宿を離れるという別れの思いはあったが、それが主だった。 最後に落研の部室に行ったことは覚えている。 もう今は移転して別のところになったらしいが…。 さよなら寄席のあと、送別会はあったと思うのだが、覚えていない。 アルバムは置いてあるが、あれもそのうち燃やされてオシマイになるだろう。 なんのために、置いてあったのか、今となってはよくわからない。 まあ、思い出と称するものは、この年になればみんなそういうものだ。 若い頃は、きっと年をとって昔を懐かしむだろうから、置いておこう、などと思う。 写真を整理してアルバムを作る。 でも、実際年をとると、そんなものは見る気がしない。 よほどのナルシストでないと、見られないだろうと思う。 そのうち、捨てよう。 それでも、若い人たちの別れの時期に、切なくなるのは何故だろう。 彼らの気持ちを忖度しているのだと思う。 実際には、彼らもそれほどのことはないのだろう。 ユーミンの、「最後の春休み」がいいと思う人は、それが過ぎ去った人なのだろう…。 |
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