考えたこと2

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イノベーションのジレンマ
経済学でイノベーションのジレンマという考え方がある。
これはあるイノベーションを起こした企業が、そのイノベーションに拘泥するあまり、次のイノベーションに乗り遅れる、ということらしい。

このジレンマの見本みたいな企業が、今のソニーだろう。

ウォークマンで大成功し、Walkmanという単語の意味を新しく作った。
カセットの時代から、MDの時代まで、ウォークマンと言えば、もちろんソニーだった。
いろんな会社がマネして似たような製品を出したが、やっぱり本家ウォークマンはソニー。
そんなソニーが完敗したのがアップルのipod。
ウォークマン、MDのイノベーションが、パソコンに曲を貯めて、インターネットで曲を買う、という時代に乗り遅れた。
アップルはその仕組みを、ipodという製品と共に作ったのだ。
今、ソニーはネット対応のウォークマンを出して追撃しているが、アップルには勝てない。
イノベーションのフォロワーになってしまったからだ。
ソニーは音楽業界の部門もあり、その存在がネットで音楽を配信するという仕組みを嫌った、という不幸な事実もあったと思う。
しかし…、ipodが出るまでと出てからではソニーの勢いが違う。

タブレットやスマートフォンでも後追いになっている。
イノベーターではなく、後追いなのだ。

ソニーの凋落は、日本の凋落にダブって見える。

何度も書くが、ぼくらが小学校の頃、先生が「アメリカ人はソニーをアメリカの会社だと思っている」ということを自慢げに話していて、ぼくらも誇らしく思った。

「ほう、ソニーは日本の会社なのに、アメリカ人はアメリカの会社と思っているのか、フン。」という感じだった。
テレビで見るアメリカは、とてつもない大きな冷蔵庫やたくさんの自動車、広い庭、広い家、とにかくたくさんのモノがあふれている豊かな国だった。
そんな国の人が、ソニーを使っている、と思うとうれしかった。

たしかにインターネットは革命的だった。
それに付随して、イノベーションを起こしたのがアップル。

さて、その次はどうなるのか。
もう一度日本にソニーのような会社が出てきて、イノベーションを起こし、アップルがジレンマに陥る、というような時代は来るのか…。

できれば、そうあってほしい。
| | 考えたこと | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
意味がわからない会
先週の土曜日は仕事の関係で会に出た。

一応全体の会だから、全員集まる。
なかなかない機会だ。
順風満帆ならどうでもいいのだが、今はそういう時ではない。
まあ、日本中が危機だが、この業界も少子高齢化の影響で未来はあまり明るくない。

せめて、「未来があまり明るくない」ということを共有してはどうなんだろうか。
しかし、そんなことを言ったら縁起が悪い、という感じだった。

縁起がよかろうが悪かろうが、未来が暗いのは事実。
人口のグラフは移民を大量に入れない限り、生まれたときよりも多くはならない。
毎年減っていくのだ。

日本の見かけの失業率は先進国の中では低い方だ。
アメリカやヨーロッパはもっと高い。
しかし、潜在的に働きたい女性を入れると、もっと上がるという説もある。

巷で言っているように、アベノミクスの最後の仕上げは成長分野の創出だが、そんなことは全く実現していない。
成長分野が出てきても、そこに労働者が移るような労働市場の流動性は確保できていない。
まあ、分野を作ることが先決だが…。

そんな風にいたるところで産業の収縮が起こっている。
政府はそれに手を打つことができないようだ。
そうなると、縮んだパイの中から自社のシェアを上げないと生き残れない。
みんなで成長できる時代は終わった。

それを理解している人が、この組織の中に、いったいどれくらいいるのか。
それがわかっていれば、これはエライことだから、どうしたらいいのかとか、今までのやり方ではダメだから、新しい方法を考えようとか、少なくとも何か出てくるはずだ。

しかし、いっこうに出てこない。
いつまでも、同じようにやっている。
きっと潰れる時まで、同じようにやっているんだろう。
そして、どうして潰れたんだろう、と言うのだろう。

そういう意味で、土曜日の会は「意味がわからない会」だったと思う。

本当に、気楽なことだ。


| | 考えたこと | 00:38 | comments(0) | trackbacks(0) |