![]() |
2013.05.30 Thursday
イノベーションのジレンマ
経済学でイノベーションのジレンマという考え方がある。
これはあるイノベーションを起こした企業が、そのイノベーションに拘泥するあまり、次のイノベーションに乗り遅れる、ということらしい。 このジレンマの見本みたいな企業が、今のソニーだろう。 ウォークマンで大成功し、Walkmanという単語の意味を新しく作った。 カセットの時代から、MDの時代まで、ウォークマンと言えば、もちろんソニーだった。 いろんな会社がマネして似たような製品を出したが、やっぱり本家ウォークマンはソニー。 そんなソニーが完敗したのがアップルのipod。 ウォークマン、MDのイノベーションが、パソコンに曲を貯めて、インターネットで曲を買う、という時代に乗り遅れた。 アップルはその仕組みを、ipodという製品と共に作ったのだ。 今、ソニーはネット対応のウォークマンを出して追撃しているが、アップルには勝てない。 イノベーションのフォロワーになってしまったからだ。 ソニーは音楽業界の部門もあり、その存在がネットで音楽を配信するという仕組みを嫌った、という不幸な事実もあったと思う。 しかし…、ipodが出るまでと出てからではソニーの勢いが違う。 タブレットやスマートフォンでも後追いになっている。 イノベーターではなく、後追いなのだ。 ソニーの凋落は、日本の凋落にダブって見える。 何度も書くが、ぼくらが小学校の頃、先生が「アメリカ人はソニーをアメリカの会社だと思っている」ということを自慢げに話していて、ぼくらも誇らしく思った。 「ほう、ソニーは日本の会社なのに、アメリカ人はアメリカの会社と思っているのか、フン。」という感じだった。 テレビで見るアメリカは、とてつもない大きな冷蔵庫やたくさんの自動車、広い庭、広い家、とにかくたくさんのモノがあふれている豊かな国だった。 そんな国の人が、ソニーを使っている、と思うとうれしかった。 たしかにインターネットは革命的だった。 それに付随して、イノベーションを起こしたのがアップル。 さて、その次はどうなるのか。 もう一度日本にソニーのような会社が出てきて、イノベーションを起こし、アップルがジレンマに陥る、というような時代は来るのか…。 できれば、そうあってほしい。 |
![]() |