考えたこと2

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成人の日
自分の成人の日は集会にも行かず、スーツも着ず、何もしなかった。
36年前になる。

成人の日に集まって、近所の体育館で誰かエライ人の話を聞くなどということは全く興味がなかった。ぼくは、そういう類いのちょっと左がかった学生だった。権威嫌いだった。今から思うと、鼻持ちならない生意気な学生だったと思う。穴があったら入りたい。
しかし、人生で一番生意気なのは20歳近辺だから、仕方ない。

小さい頃は、ずっと成人の日というと、「NHK青年の主張」という番組を見ていた。
今朝の新聞でテレビ欄を見たが、もうやっていない。
1965年から1988年までやっていたらしい。
その後、NHK青春メッセージという名前になって1989年から2003年まで実施されたが、その頃から成人式が荒れたりして、やめてしまったらしい。

祖母がこの番組が好きで、毎年これを見ていた。
青年の主張では、この日に全国コンクールを中継していて、何人かの新成人が出るのだが、みんな夢や抱負を語って審査を受け、賞を競った。
おそらく地方の若者だろう。訛りの強いしゃべり方で「看護婦になって病気の人を助けたい」とか「親の稼業を継ぎたくなかったが、病気になった親と話をして継ぐ事にした」とか、そんな話が賞をもらっていた記憶がある。
このころ、日本はまだ貧しかった。
今のように生まれたときから何でもある、という時代ではなかった。
自分の将来について、成人の頃に考えざるを得なかった時代。
働かざる者食うべからずだったと思う。

その番組が1988年に青春メッセージという名前に変わった頃、日本はバブルの真っ最中だった。
金さえあれば何でも買えたし、その金はあった。
一部のサラリーマンが600万のクルマが買えた時代。
潰れた山一証券に代表される証券会社や銀行の天下だった。
そんな中で、青年の主張などちゃんちゃらおかしい、とみんなが思ったか…。
「金さえ儲かれば何でもいい」「その気になれば、適当な大学に行って、適当な会社に誰でも入れる」
事実そうだった。

バブルが残した負の遺産だ。
バブルは消えても、そういう気持ちは残った。
そういう環境でなくなっても、心の底ではそう思っている人もいる。

ぼくが小学校の頃、青年は立派だったと思う。
みんな苦学生だった。美化しすぎかもしれない。
ぼくらはそんな番組を見て、自分もそんなふうになるのかな、と思っていた。

でも、そこから高度成長してしまった。
豊かになったものは仕方がない。
豊かになる事で失うものもあったということだ。
青年の夢みたいなものがなくなったのだろう。

あの頃の青年が、ニートやフリーターを見てどう思うのだろう…。
というか、今の65歳くらいの人はどう思うのだろうか。

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