考えたこと2

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ABC(Auto Base Chord)
コルグという会社は、日本の楽器メーカー。
シンセサイザー、電子楽器、チューナーなどを作っている。

ヤマハは誰でも知っているが、ローランド、コルグという名前になると知名度がだいぶ落ちる。
シンセサイザーというものが一般的になってきた70年代後半、これらのメーカーは一気に伸びたと思う。

このころ、ヤマハは伝統的な楽器と区別して、新たな電子楽器の一群をライトミュージックと名付けて、売り場を分けていた。
ここにエレキギターやエレキベース、リズムマシンやシーケンサーといった電子楽器も含まれていた。
今までの音楽好きな層と明らかに違う若い人たちが、新たな楽器に魅了されたのだ。
元町のヤマハでは、地下に売り場を移していた時期がある。
とにかく、いろんなものがあった。
毎年楽器フェアで新製品が出て、楽しみだった。
ちょうどバブルの頃だったなあ。

最初はアナログだったものが、デジタルに変わり、音源も色々と工夫され、ヤマハが一世を風靡したFM変調方式のシンセサイザーを出した。DX-7という機種だ。
ちょうどこの頃からコルグの調子が悪くなる。
なかなかヒット商品が出なかった。
80年代の半ばくらいだろう。
ヤマハの資本参加で助かった。
そして今は連結対象ではないが、ヤマハの関連会社になっている。
ライトミュージックはコルグに任せるという戦略を取ったようだ。
そういえば、コルグブランドのメトロノームと全く同じものがヤマハブランドで出ていた。
一部ヤマハのOEMもやっているようだ。

したがって、ポータトーンやポータサウンドなど、たくさんのキーボードを出していたヤマハだが、それも今は激減している。
カシオなどが安価なキーボードを作って出しているから、価格競争に負けたのだろう。
それと、ピアノと同じで一家に二台は要らないし、それほど壊れるものでもないので、入れ替えの需要が少ないのではないか。
マクロで見ると、少子化と相まって市場が縮小してしまった。

さらに、今の音源チップは実際の楽器の音を入れたもので、そのクオリティによって違いはあるが、安価なゾーンで言ってしまえば、どれも同じようなものになる。
要は、安いキーボードは音源チップにキーボードというスイッチを付けて、音を出すオーディオ機器みたいになってしまった。
したがって、日本製は撤退せざるを得ない。
中国製に価格で勝てないからだ。

おそらくそういうわけで、ヤマハが得意としていた分野がだいぶ食われてしまった。

今はポータトーンシリーズを高価格帯だけで出している。
ポータサウンド(これは小型鍵盤のシリーズだと思う)というのはなくなった。

ぼくは母がヤマハのエレクトーンを習ったときに、ちょっとエレクトーンをいじった。
その時に、ヤマハのABCというものを知った。
Auto Base Chordというシステム。
これは鍵盤が弾けない人のために、簡単にコードを指定して伴奏をさせるというシステムだ。

基本はコードのルートの音を押さえて、和音を指定する。
一つだけ押さえると、メジャーのコードになる。
どこでもいいからルートの音の下の白鍵を一緒に押さえると、7thコードになる。
これが黒鍵だとマイナーコードになり、白鍵と黒鍵を同時に押さえるとm7thのコードになる。
したがって、メジャー、マイナー、7th、m7thの4種類のコードが簡単に鳴らせる。
簡単な仕組みだが、当時のぼくには画期的だった。
ギターをやっていて、コードはわかるが鍵盤が弾けないという人には、これはよく分かると思う。

ルートの音と、和音の形を決めて、伴奏のスタイルを8ビートとか、ソウルとかロックとか、決めてやれば音楽の形は決まる。
これが昔のエレクトーン、それに続くポータトーンにはついていた。
それがどこに消えてしまったのか…、残念ながらなくなったと思っていた。

ところが、ふとしたことから、ヤマハからコルグに引き継がれていたことがわかった。
きっとABCを作った技術者が、意地になってコルグの製品に残したのだと思う。

コルグのマイクロアレンジャーという、小型鍵盤のキーボード。
ここにあった。
ABCという名前ではないが、One Fingerというモードがある。
大々的に書かれているわけでもなく、マニュアルの重箱をつつくようなところに書いてあるが、これがABCの生き残りだ。

やっと見つけた。

この技術、コードのことを知っているギタリストが鍵盤を弾く時くらいしか役に立たないのだが、もっと宣伝してもいいと思う。




| | 考えたこと | 20:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
アメリカの苦悩
スパイダーマン2,3をもう一度見た。

バットマンもそうだが、子供の頃に見たものとだいぶ変わっている。
全体にダークになった。
子供向けではない。
元々、昔アメコミを見ていた大人向けに作られているのだろう。

映画の中で、「勇敢で自己犠牲も厭わないヒーローは子供のよいお手本」という言葉が出てくる。
こういう台詞があるという事自体、この映画が大人向けの映画だとわかるだろう。

正義の味方も悩む。

正義とはいったい何か。
悪とはいったい何か。
真実とは?友情とは?愛とは?

ヒーローであるだけに、人一倍悩む。

この姿は今のアメリカのようだ。
70年代、アメリカはアメリカの正義を信じて疑わなかった。
しかし、最近は悩んでいる。
アメリカの正義は他国の悪かもしれない。
大きな力を持ちながら、それを使うことを悩む。
最近はアメリカの中にもいろんな意見がある。

その悩みがそのまま出ている映画だった。

あの陽気でバカ騒ぎが好きなヤンキー気質はどこに行ったのだろうか。

ハリウッドは少しはヤンキー気質でいてほしいとも思う。

| | 考えたこと | 01:39 | comments(0) | trackbacks(0) |