考えたこと2

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笑える小説
何かを書いて泣かせること、これはわりと簡単だ。
泣きのつぼはわりと口が広い。
いわば、広口の花瓶のような感じだ。

でも、何かを書いて笑わせること、これは難しい。
笑いのつぼはかなり口が狭い。
試験管のようなもの。
よほど場面を共有していることでも、書いたもので笑わせるのはかなり高度だと思う。

映画でも、メロドラマの方が簡単、といっては語弊があるが、一般的にはそうだと思う。
以前、「鉄道員(ぽっぽ屋)」という映画を見たが、途中から「ああ、これはこういうストーリーで泣かせるんだろう」とわかる。
結局、予想通りの結末で、泣かされる。
音楽を使うのも手だ。そういう曲をバックで流せばいい。
人間、悲しいと思うシチュエーションはわりと類型化されていて、「泣きのスイッチ」を入れればいいのだ。
だから、書いたものでも、そのスイッチを入れるようなストーリーにすればいい。

しかし、コメディは難しい。
それも、ストーリーで笑わせるというのは非常に高度だと思う。

映画などでは現実を誇張して見せることで、大きな笑いを取ることができる。
ある意味、特撮という手法を使っている。
また、コントのような掛け合いを使って笑わせる方法もある。
これは漫才を映画の中でやるようなものだ。
これは掛け合いの内容、スピード、間で決まる。

しかし、純粋に「書いたもの」で笑わせる、というのは難しい。

ぼくが初めて小説を読んで笑ったのは、20歳前後。
筒井康隆の一連の短編集だったと思う。
「笑うな」という短編集はたしかに笑った記憶がある。
笑う、といっても、にやっとするというレベルではない。
声を出して笑うというレベル。

それ以外にあっただろうか…。

なかなか声を出して笑う、という小説はないと思う。

それほど、文字が伝える情報量は少ない。

マンガのように、絵を使えばわりと簡単なのだが…。
落語のネタを書いた本があるが、これは全く面白くない。

文字だけで笑わせるコツ、というのはあるのだろうか。

これがわかれば、かなりの発見だと思う。


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