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2013.01.06 Sunday
正月四日の客
池波正太郎が食通だったのは知られている。
その関係の書籍もたくさん出ている。 珍しいものや値段の高いものではなく、わりとありふれた素材を生かして、おいしさを追求するという感じの人だったと思う。 もともと季節の食べ物と結びつけて短編を作るのはこの人の得意とするところ。 この「正月四日の客」というのも、そういう話だった。 原作も読んだ。 今回テレビドラマも見た。 何とも言えない情趣がある。 演じたのは柄本明と松平健の二人。 市毛良枝が花を添えた。 時代劇というと、若い人には人気がないが、池波正太郎の作品はもっと評価されてもいいと思う。 これぞ日本のハードボイルドである。 ハードボイルドの意味は難しいが、イメージとしては短文である。 短文をつないでいく。 複文で表されるような、複雑な考えや概念は使わない。 見る側、読む側の人間も、言葉にしなくてもわかっている。 そんな乾いた厳しさがある。 そこで、語られるストーリー。 ああ、これが日本のハードボイルドだ、と言えるものになっている。 いいドラマを見た。 |
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