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2010.07.09 Friday
老け役
朝のドラマで、竹下景子が水木しげるの母親役で、老け役をやっている。
なかなか堂に入っていて、立派なものだ。 それでも、老け役に徹するのなら、もう少し化粧も工夫したらいいと思うのだが、そこはやはり娘役の名残かと思う。 実際の年が56歳だから、そのままの年を演じている感じだ。 貸本屋の女主人で一緒に出ていた松坂慶子が57歳。 松坂はまだ老け役をやる気はないと思う。 かわいさと翳りを持った中年の主婦を好演した。 女優が老け役をやる、というのは決断がいるだろう。 女優として長くいるためには、いつかは老け役をやらないといけない。 老け役をやらなかった女優というと、浅丘ルリ子や十朱幸代が思い浮かぶ。 実際、二人ともきれいだったが、やっぱり限度があるなあ。 若尾文子などは、上手に老け役をやった。 自分で選び、料亭の女将とか、ナントカ夫人とか、きれいな役をやったと思う。 しかし、竹下景子の老け役は、本当に老け役だ。 風邪薬のCMなどでは、まだまだきれいなお母さん役ができそうだが、それは選ばなかった。 女優だから、誰しもきれいな役をやりたいだろう。 しかし、容貌が衰えていくのは、止められない。 どこかで、折り合いをつけないといけない。 竹下景子は、ムリをしないで、女優というキャリアの舵を切った。 この役、ちょうど良かったのかもしれない。 いつか、こういう役のオファーが来る時があるのだろう。 そこが思案のしどころだ。 人それぞれ、そこで決断する。 これが、人生の分かれ道。 |
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