考えたこと2

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ひきこもり
今朝の朝刊に全国のひきこもりの人数は、推定で70万人と出ていた。
予備軍が155万人とのこと。
一番多いのは30代。
たしか、自殺が死亡原因のトップになっているのも30代だ(若いから、他の原因が少ないということも、もちろんある)。

ひきこもりになったきっかけを尋ねているが、仕事や就職活動がきっかけという人が半分近くいる。
まあ、尋ねられたから答えた、という人もいるだろうから、実際にはもっと少ないと思う。

しかし、原因が仕事や就職活動、というのが気にかかる。

学校を卒業し、社会に出る。
そこが障壁になっている。
その時までと、それから後が大きく違うから、壁に当たるのだろう。
一体何が違うのか。

今の学校教育は型にはめるのを嫌がる。
ナンバーワンよりオンリーワンとか、個性を伸ばすとか…。
しかし、教育の目的はある意味で「型にはめる」事にあると思う。
社会に出る、ということは、オトナになる、ということであり、一人前になるということでもある。
一人で生きていくためには、ルールがある。
社会のルールだ。それが「型」だろう。

一定の年になったら、働くこと、これが「型」だ。
笑顔で挨拶をする、これも「型」だ。
上の人の言うことを聞く、これも「型」だ。

ぼくらは、それが前提であり、当然だった。
何でもいい、とにかく働くことが必要であり、それがオトナになることだった。

今はその「型」がない。
「型」がないことが、素晴らしいとさえ言う時がある。

そのうえ、学校では表面上、すべて平等だと教えられる。
かけっこはタイムを計って、あまり差がつかないようにする。
相対評価はダメで絶対評価だ。

現実離れした平等の中で育つ。

受験は一部残っているが、全入化でほとんどなくなった。
進路の先生の情報を聞いて、学校を決めて、進学する。
試験を受けて入る学生は50%。
残りは推薦やAO入試だ。
大学も経営のために取らざるを得ない。

だから、就職の時が最初の壁になる。
大多数の学生には、それまでの人生に壁がなかったのだ。
おまけに、平等という概念が肥大しており、それが裏切られる。
世の中は結果的に平等ではない。
機会はできるだけ平等にしようとしているが、結果は不平等なものだ。
それを理不尽だととってしまう。
だから、引きこもるのだろう。

就職の時には、最低限の「型」にはまる人間かどうか、という観点で見る部分が絶対にある。
個性はもちろん重要だが、それは、よほどの能力を含んだ個性でなければならない。

もちろん、時代も不幸だ。

マジメにコツコツだけでは評価されない。
彼らが悪いわけではないのに…。

今日の朝刊を見て、そんなことを思う。



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