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2010.07.30 Friday
Win-Win
最近はやりの関係は、Win-Winの関係。
どちらも勝つ、ということは、どちらも得るものがある、ということだ。 それまでは、Win-Loseだった。 片方が勝って、片方が負ける。 得るものと、取られるもの、という関係。 企業間の関係は、Win-Winでなければならない、と言われている。 あくまで、希望だが…。 今や企業は良き市民でなければならず、常にWin-Winの関係を求めていく、ということに(建前上は)なっている。 実際には今まで通りWin-Loseの関係で、リクツをつけて、Win-Winにしているのが多いと思う。 Aが儲けるために、Bの部品を値引きさせる。 この関係はWin-Loseだ。 しかし、Aが与えたコスト削減の目標をBが達成し、その半分をAが値引きでもらうという構図にすると、Win-Winになる。 この場合、Bはその部品を開発して、技術力が上がったというリクツになる。 そういう、いい加減なものもたくさんある。 しかし、実際にWin-Winを語れるような状態で仕事をすることは大切な事だと思う。 人間、そう言っていれば、そうなるのだ。 「これは、値引き要求に応えるためではない。技術力を向上させるのだ」ということを唱えていれば、本当にそういう気持ちになる。 言葉が人の行動に「意味」を与えるのだ。 すべからく、人の行動というのはそういうものだと思う。 宗教などは、その筆頭だろう。 だから、「言葉」は大事だ。 その大事さをもっと訴えていかないといけない。 バラエティ番組など、意味のない言葉が多すぎると思う。 世に言う、カリスマ経営者は、宗教家なのだ。 「仕事の意味」や「商品の意味」を創り出す。 それが、その仕事に携わるものや、顧客にモチベーションを与える。 日本は昔から「言挙げの国」と言われ、「言霊(ことだま)」があると言われてきた。 それは、言葉には力がある、という事だ。 それを口にして言葉にすれば、その言葉にこもった霊がそれを実現させようとする。 これは、本当にそうだと思う。 だから、第二次大戦の時に、「日本が負けるのではないか」と口に出すことさえ憚られた。 それは非国民になる、ということだ。 だから、「では、負けないためにどうしたらいいか」ということが議論できず、本当に最後まで行ってしまい、原爆が投下された。 「負けない」事を議論していれば、あんなに多くの犠牲者をアジア各国や日本で出さずに済んだ。 最後まで「勝つ」ということが建前として通ったのだ。 結局、それを止めたのは、昭和天皇の玉音放送だった。 今でもそういうことがある。 「そんなアホな…」という事なかれ。 今でも、「この会社あぶないんとちゃうか」という言葉はひそひそ話だ。 はっきりと意識していないが、言葉に出す、ということに抵抗がある。 それは、言霊を無意識では信じているということだ。 だから、それを常に意識していないと、自由な議論ができない。 それほど、「何者からも、自由である」というのは難しいことだと思う。 自由、自由と言っているが、本当に自由になるには、そのための努力が必要だ。 それが、真のWin-Winを実現するために必要なことだと思う。 |
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