考えたこと2

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アメリカの裏口入学
ちょっと下火になったが、アメリカのワールドニュースでだいぶ話題になっていたのが大学の裏口入学。
ドラマの出演者など、有名人が関与していたから、話題性が強かったようだ。

対象となった大学はエール大学やスタンフォード、UCLAなどの一流名門校。
そこに息子や娘を入れたい、と有名人たちが画策した。

今回は、不正入学者にはコンサルタントがついていた。
33人の親に、ニセの慈善団体に寄付をさせて、それを「賄賂」の元にした。
それらは、大学の試験監督者や大学のスポーツチームのコーチなどに支払われたとのこと。

入試の監督の場合、試験中に答えを教えるように頼んだり、後で書き換えをしてもらったりした。
スポーツチームのコーチには、やってもいないスポーツの特待生にしてもらうために、フォトショップで顔を入れ替えて大学に提出した。
わりと単純な手法だが、そのほうがバレにくいのかもしれない。

支払った額は千万円単位の人もいれば、数百万で済んだ人もいる。
偽装のスポーツ特待生はちょっと値段が高かったようだ。
この事件に絡んで、複数の運動部のコーチが解雇された。

大学も、民事訴訟で訴えられる可能性があるとのこと。

アメリカの私立大学は学費が高い。
年間学費だけで平均300万円ほどかかる。
もちろんもっと安い州立大もあるし、もっと高い私立大もある。

一般的には、大学の費用は子供が持つ。
学資ローンや奨学金、休み機関のアルバイトなどで稼ぐらしい。
全額ローンで組んだら、4年で1200万円。さすがに全額ではないと思うが、日本の奨学金のどころの話ではない。
アメリカの大学生は勉強するというが、これだけ払えばやらざるを得ないとも思う。
ちゃんとインターンにも行って、即戦力になることを身につけて、いいところに就職しないと返せないからだ。

ただし、今回の入学者たちはセレブの子供なので、余裕はあったんだろう。
そのあたりも、心情的には批判したくなるところ。
子供に罪はないのだが…。

これから捜査されて、どうなるか決まるらしい。

どうなるのかな。



| | 考えたこと | 20:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
唄娘
FMシアターというラジオドラマ、何ヶ月かに1作は保存して何度も聞きたいと思わされる作品がある。
ネットで調べると、年間のベストをアンケートしているサイト(NHKとは関係なく)があったりして、見ていると面白い。
去年1年間のベストはだいぶぼくの好みとは違っていた。
やっぱりアンケートに答える人は、年齢層が違うのか…。

というわけで、アンケート結果とは関係なく、気に入った作品の1つは、一昨年3月の「唄娘」。
制作者がHPで書いている。

「「唄娘」は、白山の麓にある村を舞台に、そこで生まれ育った18歳の“みさと”と、東京からやってきたワケありの“希星(きらら)”。2人の女子高生が出会い衝突しながらも成長する物語です。
村の民謡を代々歌い継ぐ「唄娘」の家に生まれ、村の人からも愛され育ちながらも、高校卒業後に村を出るか迷っているみさと。母親からの愛情を感じられず育ち、居場所を探し続ける希星。
育った場所も抱えている悩みも違う2人は、ぶつかり合いながらも、相手が気付かないところで互いに支え合うことができる存在になっていきます。」

そういう話だ。
岐阜県を舞台にした作品で、地方局が制作している。
地方局の作品にはいいものが多い。

この作品のクライマックスは、大晦日の日に主人公が「唄娘」を継ぐかどうかを、樹齢1800年と言われている大杉のところで、悩む場面。
ここで彼女が大杉の圧倒的な存在感のもとで独白する。

「千八百年か…。千八百…、人間なんかあっという間やなぁ。
あたし、何悩んどるんやろ…
生まれて、生きて、出会って、笑って、喧嘩して、泣いて…、いつか死んでいく。
かわいや命。」

この場面がいい。声優も上手だ。
書いてしまうと、なんだか値打ちがなくなるが、主人公が高校卒業で進路に悩み、「唄娘」の家に生まれた宿命を背負い、故郷に縛り付けられる重圧も感じ、自分は本当に何をやりたいのか迷い、樹齢1800年の大杉に「人間なんかあっという間」ということを教えられる。

「かわいや命」というのは、この作品のためのオリジナル民謡の「君丈華唄(きみたけはなうた)」の歌詞の一部。
「命」は「いぬち」と読む。

このオリジナルの民謡も、劇中で聞くとすごくいいのだ。

ラジオドラマという、場面を自由に想像できる形態でないと描けなかった場面だ。
こないだ聞き直して、やっぱりよかった。

これこそ、ラジオドラマの真髄だと思う。



| | 考えたこと | 00:17 | comments(0) | trackbacks(0) |