考えたこと2

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唄娘
FMシアターというラジオドラマ、何ヶ月かに1作は保存して何度も聞きたいと思わされる作品がある。
ネットで調べると、年間のベストをアンケートしているサイト(NHKとは関係なく)があったりして、見ていると面白い。
去年1年間のベストはだいぶぼくの好みとは違っていた。
やっぱりアンケートに答える人は、年齢層が違うのか…。

というわけで、アンケート結果とは関係なく、気に入った作品の1つは、一昨年3月の「唄娘」。
制作者がHPで書いている。

「「唄娘」は、白山の麓にある村を舞台に、そこで生まれ育った18歳の“みさと”と、東京からやってきたワケありの“希星(きらら)”。2人の女子高生が出会い衝突しながらも成長する物語です。
村の民謡を代々歌い継ぐ「唄娘」の家に生まれ、村の人からも愛され育ちながらも、高校卒業後に村を出るか迷っているみさと。母親からの愛情を感じられず育ち、居場所を探し続ける希星。
育った場所も抱えている悩みも違う2人は、ぶつかり合いながらも、相手が気付かないところで互いに支え合うことができる存在になっていきます。」

そういう話だ。
岐阜県を舞台にした作品で、地方局が制作している。
地方局の作品にはいいものが多い。

この作品のクライマックスは、大晦日の日に主人公が「唄娘」を継ぐかどうかを、樹齢1800年と言われている大杉のところで、悩む場面。
ここで彼女が大杉の圧倒的な存在感のもとで独白する。

「千八百年か…。千八百…、人間なんかあっという間やなぁ。
あたし、何悩んどるんやろ…
生まれて、生きて、出会って、笑って、喧嘩して、泣いて…、いつか死んでいく。
かわいや命。」

この場面がいい。声優も上手だ。
書いてしまうと、なんだか値打ちがなくなるが、主人公が高校卒業で進路に悩み、「唄娘」の家に生まれた宿命を背負い、故郷に縛り付けられる重圧も感じ、自分は本当に何をやりたいのか迷い、樹齢1800年の大杉に「人間なんかあっという間」ということを教えられる。

「かわいや命」というのは、この作品のためのオリジナル民謡の「君丈華唄(きみたけはなうた)」の歌詞の一部。
「命」は「いぬち」と読む。

このオリジナルの民謡も、劇中で聞くとすごくいいのだ。

ラジオドラマという、場面を自由に想像できる形態でないと描けなかった場面だ。
こないだ聞き直して、やっぱりよかった。

これこそ、ラジオドラマの真髄だと思う。



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