考えたこと2

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AI戦略
政府は大学に要請すれば、大学が何でもできる(する)と思っているのだろうか。

こないだ、政府が「AI戦略」を策定し、AIを使いこなす人材を年間25万人育てる、という目標を立てた。
そこで、文系や理系を問わず、全大学生がAIの初等教育を受けるように大学に要請したとのこと。
小学校のプログラミング教育といい、今回の大学生のAI教育といい、政府の誰が決めたか知らないが、全く現状がわかっていないと思う。

AIの何を教えるのか。
そもそもAIとは何かわかっているのか。
AIの初等教育とは何なのか。
いったい、誰が教えるのか。

AI以前にやることがあるだろう。
今の文系の大学生の大半が初等、中等教育を通じて、論理的な考え方を身につけていないと思う。
AならばB、BならばCだったら、AならばCというような考え方だ。
犬ならば動物だ、動物ならば生物だったら、犬ならば生物だ、ということ。
こういう思考ができない学生がたくさんいる。
だから計算はできても、文章題はできない。

日経によると、こういうことだ。

「目玉に据えるのが高等教育へのAI教育の導入だ。年間1学年あたり約60万人いる全大学生や高等専門学校生(高専)に初級水準のAI教育を課す。最低限のプログラミングの仕組みを知り、AIの倫理を理解することを求める。受講した学生には水準に応じた修了証を発行し、就職活動などに生かしやすくする。
 そのうち25万人は、さらに専門的な知識を持つAI人材として育成する。初級水準の習得に加え「ディープラーニング」を体系的に学び、機械学習のアルゴリズムの理解ができることを想定する。「AIと経済学」や「データサイエンスと心理学」など文系と理系の垣根を問わずAIを活用できるよう教育を進める。
 現状、4年制大学では各学年文系が42万人、理工系が12万人、保健系が6万人いる。このうち理工系と保健系を合わせた18万人に加え、文系の15%程度にあたる7万人がAI人材となる想定だ。」

これで毎年25万人が「AI人材」として修了証を持って社会に出ていく算段。
絵に描いた餅とはこのことだ。
大学にヒアリングして決めたのだろうか。

半期15回の授業で2単位だけやって、身につくのなら誰も苦労しない。
全員やるということだから、大教室になるだろうし「やらされ感」満載の授業になるだろう。
さらに、必修にすれば落としたら卒業できないし、そうなれば単位は緩くなる。
下手をすればレポート試験になるし、試験をやっても教科書、ノート持ち込み可だ。
そうまでして、25万人に受けさせるのか…。

まず政府に必要なのは、社会人の学び直しのプログラムの増強だろう。
今いるIT人材が必要に応じてAIを学べるようにする方がよほどまし。
教えるのが難しいとわかっているから、大学に丸投げするのだろう。

文科省はバカだから、「こういう案にしておこう」とエライ人が言えば、それなら各大学に文部科学大臣名で通達出しておきます、でオシマイ。

これで、またAI対応が遅れるのではないかと思う。




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