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2016.05.18 Wednesday
働き過ぎて忘れてた
映画のワンシーン。
幸せを求める旅に出た医師が、旅先でビジネスマンと会って「幸せか?」と尋ねる。 そのビジネスマンは、「働き過ぎて忘れてた」と答える。 そういうものなんだろう、と思う。 幸せかどうか、考えているヒマがあるのは、幸せではないのかもしれない。 忙しいことが幸せかどうかはわからない。 働き過ぎて過労死したら幸せではないだろう。 でも、適度に忙しくて、自らやりがいを感じて仕事ができて、回りに少なくても認めてくれる仲間がいるような状態なら、幸せだろうと思う。 一生にそんな時期が何年かあれば、ラッキーだと思う。 ぼくは前の会社で最後にやった仕事がそうだった。 たくさんの紙をコンピューターに入れて、いつでも、どこでもそれが出せるようにする、ということだ。 準備期間が1年、実際に導入するのに1年、システムを立ち上げて普及するのに1年くらいかかった。 最後に何十年かかかって貯めた、たくさんの紙を捨てに産業廃棄物処理場にトラックで行った時は、なんとも言えない気持ちだったのを思い出す。 立ち上げが1月だったので、その前の年のクリスマスは遅くまで働いた。 最後のデーターのチェックをやっていたからだ。 それでも、システムの立ち上げを控えて、嬉しかった。 自分たちがやったものが、ついに形になる、ということだ。 そして、立ち上がった後、関連部署に説明に行き、紙の送付をなくしてそこでいる時に、いる分だけ印刷してもらえるようにした。 立ち上がるまでは苦労したが、他部署の理解は意外と早かった。 そして、どんどん紙は減った。 コピー機はスキャナに変わり、倉庫のようになっていた書類のストックヤードはなくなった。 お金もかかったが、それに見合う効果は十分に出た。 信頼できる仲間も、少ないながらいた。 そんな仕事をやっている時は、たしかに今ほど余計なことは考えなかったような気がする。 まさに、「働き過ぎて忘れてた」という状態だ。 サラリーマンとして、そんな仕事が出来たことは望外の幸せだと思う。 実はもう一つあるのだが、それはまだまだ生々しいから書けない。 でも、そっちは場所も違うし、環境も違って、だいぶシンドかったなあ。 小人閑居して不善を為す、ということだろう。 小人は忙しい方がいい。 |
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