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2016.05.01 Sunday
アメリカの不満
BSで、アメリカの大統領選挙に合わせて、今のアメリカ人の本音を聞くために、各地のダイナーを回ってアメリカ人の意見を聞くというドキュメンタリーを見た。
ダイナーというのは、アメリカに多いプレハブ式のレストランで、ハードボイルドの小説にもよく出てくる。 典型的なアメリカの料理を食べさせてくれる店。 あの、カロリーの高そうなカリカリのベーコンと目玉焼き、フライドポテト、おかわり自由なコーヒーなど、本当にうまそうだ。 庶民の食事を支えている店といえる。 今のアメリカにはいろんな不満が渦巻いている。 一つはテロや雇用など、移民に関わる不満だ。 トランプが「メキシコとの国境に壁を作る」と言っていたが、それを支持する人もいる。 特に南部のダイナーでは、そういう年寄りが多かった。 イスラム系の移民は受け入れるなという意見も多い。 黒人の暴動が起こった街では、黒人対白人というよりも、自分たちは社会システムに対して怒っている、という黒人がいた。 そこから、トランプの言う、貧しいアメリカということが出てくる。 政府債務が大きい、という事で貧しいと言っているらしいが、それなら日本のほうがよほど貧しいのだが…。 批判しているのは、海外派兵や安全保障の問題だ。 「もうアメリカは世界の警察官をやめよう」という意見もあった。 国内に貧しい人が溢れているのに、お金をかけて海外での活動などやめ、もっと国内にお金を使ってほしいということだろう。 その活動のおかげで、ドルが基軸通貨になって、アメリカを支えている面もあるのだが、それは言わない。 この点ではヒラリーも同じ批判にさらされている。 現政権下で格差は拡大し、人々は今の政治家を金持ちの味方だと思っている。 その点、ヒラリーの対抗馬のサンダースは、富裕層からお金を取って、格差を解消すると言っている。 そこが特に若い学生たちに支持された。 今のアメリカに不信を持った勢力が、トランプやサンダースに投票している。 それが北部のダイナーで若者が言っていたことだ。 トランプやサンダースの強みは、企業献金が少ないことだ。 既存の権力者からフリーだということ。 だから、きっと何かを変えてくれる、という期待感がある。 共和党の候補者はトランプになるかもしれない。 党の中央はあまり喜んでいないようだが…。 ぼくの予想ではヒラリーが女性初のアメリカ大統領になりそうな気がするが、もしそうなっても、サンダースやトランプの支持層は確実にいるわけだから、政策に影響を与えるだろう。 いや、ひょっとしたらトランプかも…。 ダイナーに行くのは、その土地の庶民層だ。 その庶民の多くが、今の体制にNoと言っている。 ぼくが生まれてから、世界では大きな変化があったが、賛否両論あるが、結局はアメリカの傘の下で平和な時代を過ごせた。 好むと好まざるに関わらず、アメリカは日本にとって、大きな存在だ。 どうなっていくのだろうか。 |
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