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2016.05.24 Tuesday
JAXAの失敗
日本が打ち上げた、X線で高温の天体を観測するための「ひとみ」という衛星が再起不能になった。
JAXAのホームページで「ひとみ」の説明を見ると、以下のように書いてある。 「X線天文学は約50年前に始まった若い学問分野です。今では、宇宙で我々が観測できる物質の80パーセントは、ほとんどX線でしか検出できない高温状態にあると考えられています。そのため宇宙の全貌を知る上で、X線観測は不可欠の手段です。そして,これまでのX線観測により、可視光では見ることのできない、熱く激しい宇宙の姿が徐々に見えてきました。それにつれ、より根源的ないくつもの問いが姿を現してきました。それが上に述べた「ひとみ」の科学目標です。」 今まで宇宙では可視光ばかり見ていたが、X線を使って観測するといろんなものが見えるということで、期待を持って打ち上げられたということだ。 しかし、その衛星が観測に入る前に壊れてしまったという。 なぜ壊れたのか、詳細はわからないが、衛星が宇宙空間でバラバラになったらしい。 これについて、JAXAは「X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」の今後の運用について」という発表を行った。 それに関連したサイトを見ていると、どうもJAXAのお粗末な対応が原因だったというサイトが多い。 24時間体制で監視していたら、こんなことにはならなかった、という意見もある。 実際、文科省の有識者部会ではそういう指摘もされているようだ。 税金300億をかけたプロジェクトがこんな失敗に終わったのは残念。 ぼくがニュースを見ていても、人為的なミスというニュアンスだった。 それがプログラムのミスなのか、監視体制のミスなのか、その両方なのか、それは明確にされなかったが…。 はやぶさの成功が華々しかっただけに、この失敗は痛い。 ミスは起こるものだが、宇宙空間で動作するプログラムは「あ、ミスった」と気づいた時にはもう手遅れなんだから、何度もチェックすることが必要だ。 その体制は十分だったのかと思う。 もともとが、必ず動くプログラムではなく、非常時に動くプログラムだったので、チェックが甘くなったりしたのだろうか。 ぼくらが仕事でやっていたプロジェクトなどどは比べものにならないが、そういう問題が起こる組織には、問題が起こる風土があるものだと思う。 いわゆる、風通しの悪い組織というものだ。 今回のミスに本気でメスを入れないと、また失敗が起こる。 どうやって、メスを入れるかが問題だが…。 直感では人事を変えないと、だめだろうなあ。 もちろん、組織体制も変えないといけない。 アドラー心理学ではないが、「人間関係」のところからやっていかないとムリだ。 宇宙開発にお金をかけるのは、いいことだと思うが、実際に使うほうがもっと「ちゃんと」やってもらわないと。 そうでなければ、もったいない。 300億あれば、救われる人がたくさんいるのだから。 |
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