考えたこと2

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創意工夫提案制度
味の素は1909年に発売された。
ぼくらが小学校のころは、アジシオなども発売され、うちの食卓には欠かせないものだった。
グルタミン酸ナトリウムがうま味になっている、ということで何にでも使えるというふれこみ。

一時、食品添加物が発がん性がある、と言われてうちの食卓からは姿を消した。
グルタミン酸ナトリウムは、常識的な量であれば健康には問題ないということはファクトらしい。
それでも、いったんそういうニュースが広がると、消えてしまう。
発がん性があるというのは、フェイクニュースだった。

まあ、別に使っても使わなくてもいいような調味料だったから、なくなってもどうということはなかったのが事実。
うま味はあったほうがいいが、別になくてもよかったのだろう。

でも、年をとると、昔の味というのが懐かしくなる。
漬け物に醤油をかけて食べるときに、味の素を入れると美味しくなるということを思い出した。
今の味の素は中国を意識してか、パンダの顔のビンに入っている。
買ってきてかけたら、本当に美味しかった。
うま味調味料は必要だ。

そういえば、80年代当時品質改善活動というのが流行っていて、創意工夫提案制度というのがあった。
各部署にその担当者がいて、毎月何件か出さないといけない。
工場にはQCサークルがあるのに対抗して、技術の間接部門では創意工夫提案を出そうということになっていたのだ。

味の素が売上をあげるために、ビンの穴の面積を増やす、というアイデアはその創意工夫提案制度から生まれたというのはみんな知っていた。
実際に売上は上がったらしい。
なるほど、そんな簡単なことでいいのか、と納得したものだ。

創意工夫提案制度には賞金があった。
一番下が300円、難易度や効果に基づいて500円、1000円と上がっていき、最上位は数万円だったか。
毎月提出日になると残って書いたものだ。
当時、実験部署だったから、実験室の備品を直すとか、ものを動かして便利にするとか、そんなものが多かった。
工場の間接部門など、残業時間が制限されていたから、提案制度で毎月稼ぐというツワモノもいた。
今なら、コンプライアンス違反だが…。

90年代になると、だんだん提案制度も形骸化してきたと同時に、高度成長も終わって制度が厳格化されたり、賞金のバラマキはよくないということで、よほどでないと賞金がなくなったりした。
要はバブルが崩壊して、国内は低成長になったということだ。

あの創意工夫提案制度というのも、バブルだったのかもしれない。
金融関係など、信じられないようなボーナスが出ていたから、その分をちょっとでも賞金で補填したのだろう。

当時は事務所での喫煙もOKだったから、部屋ごとにタバコの灰を捨てる缶があった。
その缶のフタが開けにくいので、取手をつけるという提案を出して、次の月に取手がジャマだから取るというような冗談みたいな提案もあった。

そんな状態になったから、ノルマをなくして賞金を厳格化して実質上なくしたのだろう。

今思えば創意工夫提案制度がある時代はいい時代だった。

| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 22:28 | comments(0) | trackbacks(0) |