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2021.10.14 Thursday
クリック代行
クリック代行というビジネスがあるらしい。
だいぶ前にテレビでやっていた。 要は、業者に頼んで「いいね!」の類のリアクションを増やしてもらう、ということだ。 例えば、レストランがFacebookやインスタグラムのページを持っているときに、そこに出てきた記事やページそのものにクリックしてもらうということになる。 クリックの数に応じて値段が決まるという。 請け負うのはアルバイトがメイン。 そのアルバイトたちは、アカウントをたくさん持っている。 多い人は200アカウント以上持っているという。 なぜかというと、1アカウントにつき、1回しかクリックできないからだ。 要は一人で200人になりすましているとも言える。 FacebookやInstagramのことを知っていて、アカウントの作り方を知っていれば、スマホさえあればできる。 依頼ベースで仕事が来るという。 もちろん、個人でやっているのではなく、仲介業者がいて、そこからの指示で動くことにる。 複雑なものになると、褒めるコメントを書いてくれ、というようなものもあるという。 そうなると難しい。 架空で作るアカウントの写真や名前など、不自然にならないようにする必要がある。 そういうのは単価が高いのだろう。 中には月に40万稼ぐ学生スタッフもいるらしい。 Youtubeなどは実際に見ないといけなかったりするから、難しいのだろう。 FacebookやInstagramは、なりすましされやすい。 仲介業者に取材すると、みんなが知っている有名企業や製品、著名人も利用しているという。 どこまで本当かわからないが…。 今の若い人たちはテレビなど見ないから、そこに訴求しようとすると、そこそこのお金を払ってもTVCMなどに比べると格安なのだろう。 中にはフォロアーを買う人もいるという。 そんなことをすると、フォロアーが多いわりに、記事の「いいね!」が少ないということになり、「いいね!」のクリックも買うことになるのだろう。 でも、それで集客が増えたりするという効果もあるから、費用対効果の問題だ。 オークションサイトで、フォロアー何人いくら、という商売もあるらしい。 やっていること自体は取り締まる法律がないということで、取り締まりができないのが実情。 業者もよく考えている。 ただ、FacebookやInstagramは規則として禁じているから、それが判明したらアカウントが凍結されるらしい。 しかし、それを厳しくやってしまうと、自社の広告も見られなくなるから、痛し痒しなのだろう。 今までTVCMが独占していた大きなお金が要らなくなった代わりに、それをたくさんの人に分配するという効果もあるにはある。 以前、アマゾンの悪いレビューを取り下げてくれたら、いくらか払うというようなことを書いた気がするが、それも同じようなものだろう。 ネットの世界はアナーキーな世界だが、ある意味みんなの善意で成り立っている仕組みもある。 だからこそ、悪用してもそれを取り締まる法律がないのだろう。 それを暴くサイトもある。 日本語でしか書いていないのに、フォロアーが外国人ばかりだったりする場合は、不正だと判断する。 実際に広告を出している会社が被害にあったこともあるという。 何のためにやっているのかは定かではないが、ネットの広告費がいきなり跳ね上がり、調べてみると1秒にたくさんクリックしていて、ほとんどがすぐに広告を離脱している。 ネットの広告は安くて効果的だというが、こういうリスクもあるということか。 実際にクリックした人を見つけても、誰に頼まれたかもわからないし、泣き寝入りしかないらしい。 何とも難しい話だ。 実際、Googleはそういう明らかに不正なクリックは、広告代の請求から除外するという措置をしているらしい。 さすがにネット広告の大手だから、対策はしているのだ。 それでも、どこまで不正クリックと判断するかなど、難しい問題は残る。 結局はその広告を利用するユーザーが、「いいね!」やフォロアー数を過信しないことだろう。 何度も書くが、ネットの時代は便利になったが、闇の部分もあるということだ。 それでも、ネット以前よりははるかにマシだとは思うが…。 |
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