考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< October 2021 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
高級車は高電圧
EVの弱点は充電にかかる時間。
家で夜間に充電しても、それを昼間に使い切ったら外で充電しないといけない。
大枚はたいて買った車でアウトバーンをぶっ飛ばしても、デン欠(ガス欠の電気版)で充電に1時間もかかっていたら意味がない。
ヨーロッパでは、速い車に乗ると移動時間が早いという実利がある。
だから、長距離で移動する人は、この状況ではEVは選ばないだろう。

それを避けるためのプランが高電圧化。
通常のEVの電池電圧は400Vだという。
充電時間を短くするために、電池の高圧化が役に立つという。
それが目的で、現状400V程度の電池を800Vから1KVにするという。
ポルシェのタイカンがすでに800Vになった。
EVの高級車はその方向に行くのだろう。

今や世界の高級車になったトヨタのレクサスも、ピュアEVならその道は避けられないという。
航続距離を長くするために大容量化、充電時間を短くするために高電圧化という流れ。
当然充電器も対応する必要があり、2030年に欧州、中国、アメリカの急速充電器は52%が800Vに対応するという予測もある。

そうなると直流を交流に変換するインバーターのパワー半導体が、現状のものでは損失が大きく、「金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ」というものが必要になるらしい。
こういう半導体はまだ日本の強みが残っている分野。
実際、ポルシェのタイカンには日立オートモーティブシステムズがインバーターを供給した。
電気のメーカーにとっては、EV化の流れは大きなチャンスだろう。
ハードディスクのモーターで伸びた日本電産も、EV化でいろいろとM&Aなどしているはず。

もちろん自動車大国であるアメリカやドイツの会社も熱心だ。
こういうのを見ていると、EVだけに経営資源を割きたくなる気持ちもわかる。
現実にアメリカや欧州ではその方向に行っている。

だからといって、もっと現実に戻れば今の化石燃焼で動くクルマを、全部電気エネルギーで動かすことができるほどの発電ができるのかとか、電池の材料はどうするのかとか、疑問はたくさんある。
化石燃料はいつかはなくなるのだから、それを電気で代替できるならそれは素晴らしいことだ。

問題はフィジビリティ。
実現可能性なのだ。

実際、欧州は電気の可能性は認めつつも、トヨタがハイブリッドをやるのに対抗して、クリーンディーゼルで進めていたのも事実。
それがVWのディーゼルが検査で嘘のデーターを出していたから、急にEVに舵を切った。
あわてて、方針を変更したように見える。

だから、BMWだけはそこまでEVを進めていないのだろう。
EV化、CO2削減は環境問題のように見えているが、製造段階でのCO2発生も考慮すると、ハイブリッドでもいい勝負なのだ。

高級車はいくら金をかけてもいいということなら、高電圧でやればいい。

でも、他の車もEV化できるのだろうか…。




| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:38 | comments(0) | trackbacks(0) |