考えたこと2

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ソニーの人事改革
ソニーが給与体系を複線にして、優秀な新卒に多くの給与を払うというシステムを2019年に導入した。
記事を見ると、この改革の障壁になっているのは「中高年の嫉妬」ということだ。

「しかしながら、こうした新しい制度に対する最大の障壁となっているのは、中高年社員の感情的な反発である。新卒の一括採用で、年功序列の賃金体系を基本としてきた日本社会においては、新人に対して高額年収を提示することについて抵抗感を持つ人が多い。」

しかし、ソニーはそれと同時に新入社員に対してもジョブグレード制というものを導入した。
2015年に導入された制度だが、新入社員にもすぐに適用するということだろうか。
年功の要素はなくなって、仕事の役割に応じて給与が払われるらしい。

入社後3ヶ月でグレードが決まるのだが、中には数年先輩と同じ職務等級になった人もいるという。
複数のプログラミング言語を使え、開発に寄与したということが評価されたらしい。
同期の間でも、年収で40万プラス。

日本型の雇用システムは入社数年後のほんの少しの給料差でモチベーションを生み出していた。
それが会社の評価であり、新卒から何年かは横並び。
終身雇用、年功序列だから、会社にしがみついて生きる。
それが20年にわたる長期停滞でようやく変わろうとしている。
遅すぎたくらいだ。

一方で、去年の4月にはAIなどで極めて高い技術を持つ人材には年収数千万以上出す「エクセプショナル・リサーチャー制度」を導入している。
GAFAに対抗するためには、こういうこともやらないといけないのだろう。

調子が悪かったころのソニーだから、先述のジョブグレード制も導入できたのだと思う。
潰れるという危機感があった。
当時は全社員の4割が管理職だったというから、相当ひどかったのだろう。
高度成長のテンポで職位を上げていたら、そうなるだろう。
まあ、毎日新聞の「社員の2割が部長」よりはマシだが…。

ソニーのような多国籍企業だからこそ、危機感を醸成してやることができたのだろう。
大企業であればあるほど、難しい。

成果重視の組織に変えていかないと、やる気も出ない。
実際、日本のサラリーマンがモーレツだったのは昔の話。
今はアメリカよりもやる気のある社員が少ない。
ほとんど最下位だ。

会社にぶら下がっている中高年のやる気を出させるためには、荒療治も必要だと思う。
それが労使双方のためになる。

企業が儲けないと、日本は豊かにならない。



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