考えたこと2

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SEは文系の仕事?
大学のキャリア支援の仕事を始めて、最初の頃はシステムエンジニア(SE)やプログラマの仕事が文系の大学に来ることが不思議だった。
IT企業の人事に聞くと、複数の理由がある。

・理系の学生にはコミュニケーション能力が足りない人もいて、SEに向いてない人も多い。
・そもそも、学校ではプログラミングを勉強していないから。
・プログラミングの言語が多く、いずれにしても研修でやるから。
・理系でITを目指す人が数が足りないから

ということで、IT系の企業ではSPIなどの一般的な筆記試験はやらず、類推する力を問うような、パズルのような試験(CABなど)をやるところが多い。
そこでプログラミングの適性を見ているのだ。
ぼくがキャリアの担当になったときには、すでにそういう状態だった。
4つ目の理系の人数が足りないから、というのは文系の大学のキャリア担当には言わないが、本音の部分では思っているのだと思う。

実際、時々報道されるが、日本のIT人材は不足している。
それがほぼ20年以上続いているのが現実だと思う。
本来ならそういう人材を育成するべく、国家が動くべきだったと思うが、今の「デジタル化」や厚労省の発表などを見ていると、到底そんなレベルではないことがわかる。
今回明らかになったが、国立感染症研究所などひどいものだ。
そもそも数字が読める人がいないのではないかと思う。

そういう人材を輩出すべき大学がこの20年全くと言っていいほど何もしていない。
IT系の専門学校はできているが、工学部や理学部でITの技術を教えようというところは世の中のニーズに全く対応できていない。
だから、会社に入ってから研修で教えているのだ。

本来なら、即戦力に近い人材がほしいはず。
それでも相変わらず、私立大学は文系メインで、役人も文系ばかり。
そういう体制が悪いのだと思う。

結局のところ、ITは80年代以降に発達した分野であり、進歩も早いので、教える人材を確保するのが従来のアカデミックルートに頼っていてはダメなのだと思う。
実際にITの仕事をしている人が教えるしかない。

旧態依然とした学問なら、掃いて捨てるほど博士がいるし、ロートルの教授もいくらでも雇える。
だから、簡単に学部を作れる。

しかし、IT系はそれができないから、これだけ社会のニーズがあっても、大学は対応できないのだ。
結局は日本の大学のアカデミックな人々のワガママが、日本の進路を狂わせたと言っていいと思う。

だが、それもIT系の新入社員に高い給料を払い出す企業が増えたら、変わると思う。

このIT人材の不足、という事態は今の日本の悪いところの膿が出た結果だろう。

もうだいぶ手遅れだが、これからそういう動きが出てくることを祈るのみだ。


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