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2016.03.07 Monday
融資しない銀行
こないだ銀行の記事を読んでいて、初めてゆうちょ銀行は融資ができない、ということを知った。
たしかに、郵便局に金を借りに行く、という人は今までいなかったから、なるほどと思った。 しかし、融資ができない銀行を銀行と言っていいのかという疑問が生じる。 朝のドラマでやっているように、銀行とはお金を集めて、必要な人に貸す、という資本主義の役割を担っている。 つまり、今から伸びる産業を見極め、そこでお金がなくて事業拡大できない人にリスクを取って貸すからこそ、拡大再生産が可能になる。 だから、融資こそ銀行の一番大事な仕事と言ってもいいと思う。 その融資ができない銀行が、日本一の銀行というのは、ちょっとおかしい。 したがって、ゆうちょ銀行は有価証券で運用をしている。 なんといっても国債が主力で、41%が国債になっている。 今までは、国が運営していたから、国の借金をゆうちょ銀行が国民から集めたカネを使って支払い、利子をつける、ということをやっていたということだ。 日本国債の価値が高い間はよかったが、さすがにこれだけ借金がかさむと苦しくなってきた。 もちろん、マイナス金利の影響も一番大きい。 もともと、日本銀行は融資を勧めるためにマイナス金利にしているのに、融資ができない銀行ではどうしようもない。 有価証券で運用しようとしても、この株安ではダメージも大きいだろう。 おまけに、今から国債離れを進めて運用しようにも、運用できる人がいないらしい。 リスク分散させようとしても、担当者の数が少なく、どうなるのかということだ。 幸い、ぼくは国債ばかり買うような金融機関は、金融機関ではないと思っていたから全く預けていない。 しかし、ゆうちょ銀行は国がやっていたところだから、根強い人気がある。 だから、一番大きな銀行なのだが、集めたお金は大丈夫なんだろうか。 まして、このさなかに預金の最大枠を1000万から1300万に増やすということらしい。 日銀が国債を買いはじめた時点で、ゆうちょ銀行にも融資を認めておいたらよかったのだ。 大きな片手落ちだと思う。 でも、融資などしたことがなかった銀行が、いきなり民間に融資するのは難しいだろうなあ。 お金を集めるだけ集めて、どこに投資するのかわからないということになると、お金が回っていかないから、資本主義が成り立たなくなる。 郵便貯金というのは、そういう危ない存在だったのかと改めて思った次第。 だから民営化したのか…。 |
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