考えたこと2

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複雑な問題
原子力発電を即座にゼロにする、というのは複雑な問題だ。

大飯の原発を止めるのは、それが可能になったらできると思うが、そのトレードオフも考えないといけない。
トレードオフというのは、原発以外で必要な電気を作るという事のデメリットだ。
いくら何でも、常に上限を気にしながら電気を使うなどというのは、生産者にとっては困ったことだろう。

二酸化炭素の問題もあるし、火力を使うのなら原油価格の問題もあるし、公害の問題もある。
当然、電気代の問題もある。

2005年くらいから原油価格が高騰しており、今は80年代の倍の価格だ。
これから、新興国で石油化学産業が興ってくると、もっと高くなるだろう。
天然ガス、シェールガスに期待するが、これもどうなるのかわからない。
再生可能な太陽光発電は、ドイツを見ていると、まだまだだろう。

当然、原子力のコストが一番安い。鳩山元総理は原子力発電を増やす予定で二酸化炭素の排出量を減らすと言っていた。(現在は反原発のデモに参加しているが…)
原子力発電の廃棄物の問題はある。これは今までもこれからも同じだ。
冬の北海道で、泊の原発を止めるのも難しいらしい。
電気が足りなければ、死ぬ人がでるからだ。

何より、電気代が上がるのが困る。
消費者として言っているのではない。
生産者の目線で言っているのだ。
インフラのコストが上がると、モノの値段が上がる。
今や人件費が高くなった日本から、どんどん人件費の安い新興国に生産基地が出ていく。
日本で作れるものは高付加価値のモノやサービスだけだ。
そういうものを作るのに、電気は必要だろう。(そういうものでなくても必要だ。)
必要、というのは気にせずに使えるということだ。
そういうインフラを整備する必要がある。

そこで、いますぐ原発を全てなくすのは現実的ではないと思う。
働くところがなくなる、ということを考えてみたことがあるだろうか。
実際に若い人たちはそういう事態に直面している。
すでに、毎年10万人の大卒者があぶれているのだ。

エネルギーの問題は難しい。
地熱が有望だというが、まだまだ実用化は遠い。
何らかの再生不能なエネルギー源に頼らざるを得ないと思う。
ではそれを何にするのか。
どういう組み合わせでやるのか。
いつまでに、どうするのか、そういうことを考えないといけない。

ところが、総理大臣だった人が、二酸化炭素の排出を減らすために原発の比率を上げる、と言ったかと思えば、原発ゼロのデモに参加している。

こんないい加減なリーダーの国だから、エネルギーのポートフォリオも考えられるハズがない。

しかし、ヒステリックに反原発と言っている人たちはこういうことを考えないのだろうか。

本当に若い人の仕事がなくなってもいいのだろうか。

生産者が困ると思わないのだろうか。

きっと、根っからの消費者なんだろうなあ。
これこそ、大量消費社会の生んだ災害だ。

複雑な問題には、複雑な解決しかできない。

その複雑さを考えなければ別だが…。




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