考えたこと2

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線を引くこと
最近の若い人に、文章を読ませて、大事なところに線を引けというと、全部に線を引く人がいるという。

ほんまかいな、と思っていたら、ほんまらしい。
全部線を引くというのは、何も引かないのと同じではないか、というと、その通りという。
文章で言わんとする意見はどこか、わからない。
その意見がなぜそういえるのか、根拠はどこか、わからない。
その根拠を支える事例はどこか、わからない。
トリプルのわからないで、全部線を引く、という事になる。

これはいたる所で起こっているらしい。

あるセミナーで同じような事をさせたら、全く大事でないところに線を引いたり、線を引いた理由が言えなかったりした、ということを聞いた。

それでなくても、分数ができないとか、割合がわからないとか、そんなことを聞くのに、算数だけでなく国語もか、という感じ。

だから、論理的に考える事ができない。
感覚的に捉える。

そういえば、何かが好きという理由を聞いても、好きだから、と答える人が多い。
好きだから好きというのは、トートロジーで何も言っていないのと同じ。
それで何か不満があるのか?という顔をする。
いや、好きな理由があるだろう、といっても、好きだから好きで何が悪いんだ、という事になる。
別にどうでもいいことなら、それで構わないが、大事な事でもそれで通そうとすると困る。
理由がいるのだ。

若い世代がそういう傾向にあるというのは、ゲーム機やスマホのアプリを見ていればわかるという。
取扱説明書、というものがほとんどない。
そういうものを読まないと使えないものは、ダメなもの、ということになる。
いじっていたら、使えるようになる、というものが普通なのだ。
だから、携帯は売れるがクルマは売れない。
クルマは勝手に動かないし、交通法規を覚えないと走れない。
だから、拒否するのだろう。
これは慶応大学の先生の受け売り。

しかし、世の中は全て感覚で生きていけるほど進んでいない。
特にこれからの世の中、世界が狭くなって、いろんな人と話さないといけない。
そうなると、好きだから好きという理屈は通用しない。
理由は何か、を説明しないといけない。

論理的に何かを考える、というのはこれからの世の中で、いや今までもずっとそうだったが、必要な能力である。
それができるようにならないと、オトナになれない。

意見、根拠、事例、という3つのもの。
これを分別して読むことができるようにならないと、本が読めない。

そのための方法論を書いているのが、この本だ。
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418279/

この本の著者に話を聞いて感激した。
読むことは難しい。だから、まず書かないといけない。
こういう人たちが、日本の教育を変えていけるのだろう。

慶応大学、エラい!

しかし、日本の義務教育は本当に崩壊している…。

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