考えたこと2

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消費者の視点
消費者という言葉は、高度成長に伴って大量生産・大量消費が当たり前になり、生産者側が強くなりすぎていろいろな問題が起こり、そのためにできた言葉だと思う。

Wikipediaによると、「1968年5月には消費者保護基本法が制定された。これは消費者のための憲法とも言われることがあるものであり、これによって行政・事業者・消費者それぞれの役割が明確化された。それまでの「産業優先」に凝り固まった考え方から消費者優先の原則へと移行し、消費者行政の基礎が体系づけられ、消費者保護に関する基本的方向が示されたのである。」と書かれている。

1960年代の半ばくらいから、大量消費の時代に入ったということか。
それは高度成長の時代でもあった。

そして、2012年。
ぼちぼち低成長の時代だ。
それを認めないと仕方がない。
これから人口が減って、アジア各地に生産が移行し、下手をするとマイナス成長の時代になる。

これまでは生産者は強く、強大で、少々のことでは動じないものだった。
しかし、これからは生産者も厳しくなる。
家電などすでに苦しい。
今日日経にスマートフォンの世界シェアが出ていたが、そこに日本のメーカーは1つもない。
アップル、サムソン、ノキア、RIM、そして中国のメーカーが出ていた。
すでに、そういう状態なのだろう。

今の反原発の動きを見ていると、消費者の視点ばかり主張される。
生産にタッチしていない人の声が大きいのではないか。

国会議員や公務員、学生や子供を抱えた主婦、老人など。
サラリーマンは疲れてそんなことに関わっていられない。

町工場のおじさんや、工場の関係者は電気代のことが気になっているだろう。
そもそも、電気が足りるのか、という気持ちもあるだろう。
この夏、原発が動いてホッとしているに違いない。
経団連の会長も「エネルギー問題が経済成長の足かせとならないように、今後3年から5年の電力確保の道筋を明らかにするべき」と言っている。
多少なりとも生産にタッチしている人は、この意見に同意しているだろう。

今の社会、電気がなければ何もできないに等しい。
社会のインフラも電気に依存している。
これは事実だ。
携帯電話も、基地局にバックアップの電源がなければつながらない。
信号も止まる。
石油ストーブもファンヒーターは電気がなければ動かない。
非常用の電源がない病院は手術もできない。
オール電化にしていれば、料理もできない。
マンションなどは、ポンプが動かないから水道も出ない。
もちろん、電気自動車の充電もできない。
ガソリンスタンドも給油機が動かない。
POS端末が動かないから、コンビニやスーパーで買い物もできない。

今の社会は電気があることが前提になっている。
長い時間をかけて、世の中が便利になったというのは、結局電気の力を使っているからだ。
今、レジでバーコードを読めなければ、合計の計算もお釣りの計算もできない。
アルバイトにそんな能力はない。
そんな生活を送っているということが、わかっていないのだろうか。

自分だけ、電気を我慢したらいいとか、自分だけ電気代が上がってもいいとか、そんな考えでいるのではないか。
もちろん、事は自分だけではすまない。

一番大きいのは雇用の喪失だ。

電気代が上がれば、工場は海外に出ていく。
それでなくても、出ていきたいのだが、いろんな事情があって国内に留まっているところが多いだろう。
そして、出て行けないところは潰れる。

何とかふみとどまっている製造業が出ていってしまう。

今すぐ原発を止めろという人は、そんなことは望んでいないというだろう。
しかし、結果的にそうなる。

いずれ、電気があっても、アジアに出ていく企業は増える。
本社を法人税の安いところに置くところも出てくるだろう。
まさにグローバル化なのだ。
しかし、それを早めてどうするのか。
グローバル化しても、国内に残るような産業を模索する時間が必要だ。

もっと生産者のことを考えるべきだ。
ぼくはそう思う。




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