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2023.11.11 Saturday
宿世
宿世は「すくせ」と読む。
仏教からきた言葉だと思う。 テレビで剣客商売を見ていたら出てきた。 商家の跡取り娘は、婿を取るのだが、それは家が決める。 商売を継ぐことができる男を見つけて、婿入りをさせるのだ。 だから、商家の娘には恋愛の自由はない、ということになる。 もちろん、江戸時代の話。 それが「宿世」だ。 宿命と言ってもいい。 そのことをいい悪いで判断しているのではない。 そういう時代だったのだ。 いつの世も、時代の制約というものがある。 人間はその制約の中で生きる。 誰にでも宿世はあるのだ。 ぼくらは自由や平等には無条件で価値があると思っている。 みんな当たり前だと思っているが、人類の長い歴史でそんな時代はほんの一瞬だ。 今の世界でも、そんなものに価値があると思っているのは欧米の国々くらいだ。 日本は、アジアで例外的にその価値観が根付いた国だと思う。 明治維新から先は、欧米の価値観を追いかけてきた。 根っこのところは違うが、表面的にはそれらを取り入れた。 アメリカが作ってくれた憲法を後生大事に守り、戦後70年経っても同じだ。 今となっては、ぼくは戦争に負けたことも宿世だと思う。 バカみたいに、憲法9条をありがたがって、それにすがっているのも宿世だろう。 この宿世を背負って、この国はこれからどうなっていくのだろう。 |
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