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2023.11.20 Monday
アーリーアダプター
アーリーアダプターというのは、新製品が出たら、価格が高くても飛びつく早期購入者のことだ。
アメリカのEVについては、そのアーリーアダプターが終わってしまったという記事を見た。 「アメリカの消費者はEVよりもハイブリッド車を求めている」という記事だ。 とりあえず、新製品が出たら買うという人は、もちろんお金持ちである。 さらに、俗に言う「意識高い系」みたいな感じで、その新製品の価値を他人に伝えたい、というタイプだろう。 そういう人たちの間で、EVが行き渡ってしまったら、当然売れ行きは落ちる。 今年のアメリカ市場では、EVが窮地に陥っているらしい。 アーリーアダプターに行き渡ってしまったからだ。 EV専業のテスラは生き残りそうだが、それ以外の伝統的自動車メーカーは苦しいだろう。 記事によると、 「アメリカの自動車情報サイトであるEdmundsからInsiderに提供されたデータによると、EVの平均的な定価は6万1699ドル(約923万円)だが、2024ドル(約30万円)値引きされ5万9674ドル(約893万円)で販売されている。通常のハイブリッドは平均4万437ドル(約605万円)とそれよりも安いが、定価より少し高く販売されている。一方、プラグインハイブリッド(PHEV)は約5万6786ドル(約850万円)で販売されている。」 「2023年後半は、EVの近い将来にとって良い兆候が見当たらない。EVは販売するためにあらゆる種類の値引きやインセンティブが必要で、ガソリン車よりも売れ行きが遅く、大量の在庫になっていると、カーディーラーは何カ月も前から警鐘を鳴らしてきた。 多額の資金を投入して電動化を進めてきた自動車メーカーも、ようやくこのEVの窮地に気づき始めた。ここ数週間、複数の自動車メーカー幹部が、EV需要の鈍化と、それが当面の収益に与える影響について懸念を表明している。」 というようなことになっている。 とにかく、今の時点でEVは高すぎる。 BMWの最新EVは2000万以上の値段だ。 補助金等でごまかしているが、コストが高いのはどうしようもない。 電池が高いのだ。 その電池を作るときにはたくさんのCO2が出る。 それらをカウントすると、EVの優位性はさらに下がる。 いくつかの技術のブレイクスルーがなければ、EVは苦しいと思う。 結局、ポルシェやメルセデス、BMWなどの高級車を買っていた客に行き渡れば、そこから先は難しい。 日本でもこないだNboxの新型が出たが、あの比較的EVに熱心なホンダでも、軽のEVは出さないと言う。 居住空間やいろんな条件での燃費を考えると、まだガソリン車に優位性があるからだ。 もちろん、値段も安い。 やはりアーリーアダプターしか買わないと予想しているのだ。 結局必要なのは電池をそんなに積まなくてもいい、ハイブリッド車だろう。 記事の最後には経営コンサルティングの言葉として、こう書かれている。 「(関係者は)ハイブリッドのメリットや、将来的によりクリーンな環境にするためのギャップをいかにして埋めるのかについてはちゃんとした議論を避けていたようだ。それに関してホンダとトヨタ以外、みんな何を考えていたのだろうか?」 いずれは技術革新が起こって、EVの時代は来るだろう。 でも、そこまで行くためには、つなぎのハイブリッドが必要なのだと思う。 |
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