2017.07.24 Monday
なくなる職業2
オックスフォード大学の研究によると、今後保険や不動産業者などの事務が機械化される可能性は97%だという。
これまでは、ロボットなどによる機械化などで単純労働が取って代わられる、ということだったが、さらにそれ以外の頭をつかう事務仕事もロボットに取られる、ということだ。
今後15年間で25万人の職が失われる、という予測結果。
そう言われても、なかなかピンとこない。
ニュースを要約して記事を書くロボットができたり、ヘルプセンターでの問い合わせに答えるAIなどが紹介されるが、まだまだ広がっていない。
それに仕事を取られた人は、危機感を感じているんだろうが…。
でも、ぼくらの時代でも、多くのことが機械化された。
工場はぼくが入社した1979年当時工場にはたくさんの人がいた。
それが2000年を過ぎて、本当にいなくなった。
この頃、コンベアだけでなく、ものを持ち上げるとか剥がすというような動きも機械になった。
機械も単に動くだけでなく他のものを認識して動くようにもなった。
初歩的なインテリジェンスを持ったということだろう。
さらに、1990年代の後半から普及を始めたパソコンで、多くの仕事がなくなった。
一般的な事務の仕事はほとんど影響を受けたと言ってもいいだろう。
仕事は上流で完結するというのがITの力だ。
ぼくが会社に入ったときには手書きで書いていた伝票は、辞める頃には全てコンピューターに起票者が打ち込むことになった。
資金課とか経理課には、その昔は伝票を打ち込み、ソロバンや電卓で検算する人たちがたくさんいた。
他の課から伝票が集まってくるからだ。
そんな仕事は、2000年を過ぎてなくなり人も減った。
ぼくらの時代は、人がやっていたことを一部機械がやるということと、さらにパソコンとネットワークの発達で、転記や計算の部分を主にコンピューターに置き換えたという時代だったと思う。
失われた20年での失業と言っているが、そのうちの何割かはこれらパソコンとネットワークによる合理化だろう。
これからは、考える仕事もAIに置き換わっていく。
ロボットも知性を持って動けるようになる。
パソコンとロボットによる合理化の第2ラウンドという感じだ。
当時と違うのは、まだまだ経済が上向きだったこと。
今は長いこと低迷している最中だから、以前よりはシンドイかもしれない。
覚えるのが主の士業などは今回の置き換わりで影響を受けるだろう。
法律を覚えてアドバイスする行政書士や弁護士、税務を覚えてアドバイスする税理士などは影響が大きそうだ。
Web上で質問に答えていけばOKというようなサービスも増えていくだろう。
そういう事務所でも、資料を揃えるというようなアシスタントの仕事はまず減るだろうなあ。
そこは既にコンピューターの得意領域だ。
音声認識の技術が上がれば、企業の問い合わせ窓口などの仕事はAIがやるだろう。
公務の領域は恐ろしく遅れているから、どうなるかというところ。
競争にさらされていないところは、本当に変わらない。
大学の研究によると、教育領域はAIで置き換えられないということだが、本当にそうだろうか。
今でもいい予備校教師の授業を流しているくらいだから、そういうのが発達すると教育領域でもAIが先生になりそうな気がするが…。
バーチャルな林先生をたくさん作って、授業を任せるとか、ありそうだ。
知らぬ間に変化は起こっているんだろう。
これから仕事を選ぶ人は、難しいだろうなあ。
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