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2017.07.09 Sunday
幸福の船
幸福の船 平岩弓枝 新潮文庫
平岩弓枝の本は時代小説を1冊読んだ覚えがあるだけ。 この本は実家で借りてきた。 どちらかというと、テレビの脚本などで有名な人だ。 「御宿かわせみ」シリーズはいつか読みたいと思う。 この本は世界一周の客船が舞台。 何ヶ月かかけて、世界を回るという贅沢な船だ。 ヒロインは船医の娘で、いろいろあって、仕事もやめてこの船に父親と一緒に乗った。 豪華客船というのは、乗ったことがないが、何百人という客がいて、船内は一つの世界になっている。 そこで繰り出される人間模様を描く小説。 小説の後に、阿川弘之と作者が対談していて、海軍好きの阿川に付き合って、船が好きになったという経緯が語られる。 なるほど。 阿川はいくつもの客船に乗ったことがあるらしい。 作者は実際に客船に乗って、起こったことをヒントに小説にした。 日本を出て、スリランカ、紅海、スエズ運河、イスタンブール、ヴェニスなど、いろんなところに寄港していく。 乗ろうと思ったら、お金がかかるし、時間も要る。 まあ、夢のような世界だ。 こういう世界こそ、小説でないと味わえない。 贅沢だが、その贅沢ができる人たちが必ずしも幸せとは限らない。 そこが人生の妙。 いつかそういう船に乗ってみたいと思っている人は、読んでみたらいいと思う。 |
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