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2010.01.10 Sunday
理想
理想は持つべきだ。
いろんなことに対して、持てばいいと思う。 しかし、現実も知らないといけない。 しばしば、というより、ほとんど理想は理想でしかないのが事実。 それをわかった上で、少しでも理想に近づこうとすること、それが普通だと思う。 若い人は大人の世の中の現実を知らないから、理想のまま生きようとする。 そこで挫折し、だんだん現実を知っていくことが、大人になるということだろう。 大人は理想を持っているが、一方で現実も知っている。 現実というのは、人間の真実だ。 人間はフェア(公正)ではない。世の中にはたくさんのアンフェア(不公正)がある。 そのアンフェアさを知って、それに対処して生きていくことが必要だと思う。 もともと自分の見方がフェアかどうかもわからない。 いろんな立場の人がいる。 物事をいろんな側面から見ないと、何がフェアかということもわからない。 そういう意味で、対象を相対化することが大事だ。 例えば、運動会。 順番に走らせたら、大きな差がつくグループができて、かわいそうだから事前にタイムを計って、近いもの同士を走らせる。 それがフェア、というのも一つの見方。 それは、走るのが遅い生徒の救済になるから、アンフェアだ、というのも一つの見方。 一つのことに対して、二つの見方ができる。これが対象の相対化だ。 何事であれ、順位をつけるのはよくないというのも一つの見方。 だから、絶対評価で成績をつける。 そんなことをしても、内申書は相対評価でつけるのだから、そんなことは意味がないというのも一つの見方。 世の中では、相対評価なのだから、間違っているというのも一つの見方。 そうやって、相対化した上で、自分は何が正しいと思うのか。 そこで理想が必要になる。 理想を持っていない大人も、現実を知らない大人も、どちらも困った存在になる。 理想を持っていて、その上で現実も知って、そこで両方を妥協させることができる人が大人だろう。 言うは易く行うは難しとはこのことだ。 |
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