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2019.10.13 Sunday
バズる 2
バズるという言葉、ネット民には通用するようだ。
前にも書いたが、「バズる」というのは「流行る」とか「注目される」とかいう意味。 何となく悪い意味のような感じがするが、そうではない。 プラスイメージの言葉だ。 「文芸オタクの私が教える バズる文章教室」https://toyokeizai.net/articles/298940という本が出たらしい。 弱冠25歳、京大の修士修了の三宅香帆さんが書いている。 この人は大学院で万葉集を研究したらしい。 今は文筆家、書評家という肩書。いろんなところで文章教室をやったりしている。 ネットで文章を書く人は、「バズる」文章を書きたいと思っている。 この本の場合は「いいね!」がたくさんつく文章、という感じだ。 三宅さんは、バズる文章を書くためには、仕事調になってはいけないという。 仕事調、というのはビジネスの書き方で、読む方の効率を重視する書き方。 まず結論を述べて、納得できるエビデンス等を入れ、相手を短い時間で納得させなければならない。 就職面接での話し方も、これと同じ。 効率的に伝える、というふうに教えている。 ネット上に投稿するようなプライベートの文章は、全く逆らしい。 「最後まで読んでもらうために、相手を楽しませる、興味関心を刺激し続ける、ということを大切にする必要がある」ということ。 たしかに、そうだろう。 結論を冒頭に書いてしまったら、読む気が失せる。 バズる文章を書くためには、3つのルールがあるという。 ルール1:「どや顔」の文章を書かない ルール2:人を批判する文章は避ける ルール3:大多数に「ウケよう」としない ルール1は自慢話は嫌われる、ということだろう。 よほどいいことを書けば別だが、普通の人が経験したり、わかったことなど、自慢しても仕方がない。 あえて自分の弱みや失敗をさらけ出すエピソードの方が好まれる傾向があるという。 ルール2は「批判」は難しいから、やめたほうがいい、ということだ。 ぼくは教育業界のことなど、よく悪口を書いているから反省しないといけない。 「失敗すればただの悪口になってしまうから、やめたほうがいい」 そのとおりだと思う。 ルール3は「みんなに受けようなどと野望を抱くな」ということ。 もともと、ウケる文章を書くだけでも難しいのに、全員に受けようとするのは間違いだ。 そういう文章を書こうとすると、失敗する。 逆に「1人の読者に届けよう」と考えるほうがいいという。 友人に近況報告をするつもりで書いている、という有名なブロガーもいるとのこと。 そのほうがきっと書きやすいし、共感も呼びやすいのだろう。 ぼくもそう思う。 三宅さんは文芸オタクらしいが、頼もしい若者だ。 こういう人たちが、日本語を豊かにするのだと思う。 |
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