考えたこと2

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蛍草 葉室麟 双葉社
「蛍草 菜々の剣」の原作を読んだ。
内容はそちらに書いた。

ほぼ原作の通りのドラマだったし、主人公の菜々を、清原果耶がイメージ通りに演じていたので、違和感なく読めた。

この小説は小説らしい小説というか、よくできたフィクションだ。
いくら武家の娘と言っても、ちょっと習ったくらいで、そんなに剣術がうまくなるわけがない。
偶然奉公した先が、父親の仇が出入りする家だったというのもすごい偶然。
という具合に、いろんな苦難がふりかかるのだが、どういうわけか助けてくれる人が出てくる。

でも、読んでいても、不自然ではなく、すっと入ってくる。
ややこしいことを感じさせないのは、作者の腕もあるが、時代劇という舞台もあるんだと思う。
これが時代劇ではなく現代劇だったら、たぶん成立しない。
そんなうまいこといかん…、と突っ込むだろう。

一つ、印象に残った言葉。
菜々が奉公先の子どもたちが行っている寺子屋の先生に言う。

「はい、生きていると楽しいことばかりではありません。辛いことがいっぱいあるのを知っているひとは、悲しんでいるひとの心がわかり、言葉でなく行いで慰めてくれます。昔の偉い方は、そんなことができるひとの見分け方を学問として教えてくれたような気がするのです」

これぞ文系の学問の意味だと思う。

いい話だった。
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