考えたこと2

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地方の過疎化
今朝、会社時代の同僚、Y君から電話があった。
約束していた宴会のキャンセルだったのだが、その時に世間話をしていたら、面白いことがわかった。

Y君は九州の出身なのだが、もう来年あたり定年で、どうするのか?という話になったのだ。

「君、九州の実家はどうなってるん?」
「もう、誰もいないから、ぼくの代でたたもうと思ってる」
「どれくらい土地あるんや?」
「700坪と隣に田んぼがある」
「ほー、それは売ったらスゴイ儲けやな」
「誰が買うねん。役所に寄付します言うても断られるのに」
「え、なんでや」
「誰も買うかいな。それでも700坪も宅地があるから、固定資産税だけは高いのに払てるんで、アホらしいて…。役所に土地を寄付します言うても、断られるんやで」
「なるほど。役所に寄付されたら、固定資産税がなくなるわけや」
「そうやがな」
「隣の田んぼはどうしてんの?」
「近所の人にお任せで、耕してもうてる」
「農地は耕してたら、固定資産税かからんから、ええねんな」
「そうそう」
「帰らへんのか」
「帰っても、何もないもん」
「ほう、これで九州の人口は1人減ったわけや」

という会話が続いた。

これで、九州の人口が1人減った。
いや、関西に出てきた時点で減っていたのだが、いつかは田舎に帰るという選択肢がなくなって、名実ともに1世帯の人口がいなくなったということだ。
こういうふうにして、地方に限界集落が増えていくんだろう。
しかし、役所に宅地を寄付すると言っても、断られるのには恐れ入った。
喜ばれるのかと思ったが、寄付されても使いみちを考えないといけないし、固定資産税は減るし、困るということなのだろう。

彼が生きている間に家と土地は処分されるだろうし、戸籍上も九州とは縁が切れるだろう。

地方は集約して、コンパクトな都市を作らないと、生きていけない。

数年前、JR四国を辞めて、地方の合併でできた市の公務員になったという若い人がいたが、あの人たちは10年や20年のスパンで物事を考えていないことがよくわかる。
今の地方の公務員はもはや安定した仕事ではない。
どちらかというと、敗戦処理の負け戦を戦うという感じだ。
これが一番難しい。
自治体の人口が減り、産業がなくなり、限界集落が増えてくると、町には公務員しかいなくなるんだろう。
それをどうやって防ぐか、どういう施策を取るのか、考える公務員がいない。
長らく、国の地方交付税で生きてきたから、何も考えない。
それでも、定員だけは確保してきた。
これからどうするのか、考えないといけない。
でも、考えられない…

農地を集約して、大規模な農業を株式会社ででもやるとか、何か考えないと地方は生きていけないと思う。
国に頼っていても、国も助けるほどの財源がない。

それを規制している法律や、それを阻む農協などを潰していかないと、生き残れないぞ。

そんなことを電話の後に考えた。


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