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2015.07.28 Tuesday
寅次郎紙風船
BSでやっていたので、久しぶりに「男はつらいよ」を見てしまった。
こういう映画を見ると、ほのぼのする。 親切な人しか出てこない。 何度見ただろう。 この作品は、焼津の漁師の妹である岸本加世子が出てくる。 マドンナではなく、家出先で寅次郎と知り合う娘役。 1981年12月公開だから、彼女が21歳の時。 ちょうどこの頃の岸本加世子のファンだった。 出張で東京ローカルのラジオの放送を聞いて、しゃべりが面白かったのがきっかけ。 今でもこの映画を見ると思い出す。 同業者のテキ屋は小沢昭一がやっていた。 この人も懐かしい。 2012年に亡くなった。 この人もラジオで長いこと「小沢昭一の小沢昭一的こころ」という番組をやっていた。 1973年から2012年まで放送された。 1回10分の番組。 ぼくがよく聞いたのは、フェリーで宮崎に毎週行っていたころだから、1980年代前半。 講談調の小沢の話し方が面白かった。 その女房がマドンナの音無美紀子。 同業者のテキ屋が病死して、故郷の東京に戻り、旅館で働くという役柄。 結構地味なマドンナだったが、魅力的だった。 全作品で、たぶんたった一度だが、寅次郎がネクタイ姿で就職活動をする。 その不採用の手紙で最後のオチが着く。 世間は80年代に入って、高度成長のころ。 5%程度の成長は当たり前の時代だった。 それが、そんなに難しいことだとは思わなかった。 いろんな要因が幸いして起こった僥倖。 自分や会社の将来について、心配など全くなかった。 バブルが崩壊することや、0%やマイナス成長の時代が来るとは誰も思ってなかっただろう。 だから、「男はつらいよ」のシリーズも明るい。 まだ寅次郎もそれほど哲学的ではない。 明るかった日本がここにある。 |
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