考えたこと2

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寅次郎紙風船
BSでやっていたので、久しぶりに「男はつらいよ」を見てしまった。

こういう映画を見ると、ほのぼのする。
親切な人しか出てこない。
何度見ただろう。

この作品は、焼津の漁師の妹である岸本加世子が出てくる。
マドンナではなく、家出先で寅次郎と知り合う娘役。
1981年12月公開だから、彼女が21歳の時。
ちょうどこの頃の岸本加世子のファンだった。
出張で東京ローカルのラジオの放送を聞いて、しゃべりが面白かったのがきっかけ。
今でもこの映画を見ると思い出す。

同業者のテキ屋は小沢昭一がやっていた。
この人も懐かしい。
2012年に亡くなった。
この人もラジオで長いこと「小沢昭一の小沢昭一的こころ」という番組をやっていた。
1973年から2012年まで放送された。
1回10分の番組。
ぼくがよく聞いたのは、フェリーで宮崎に毎週行っていたころだから、1980年代前半。
講談調の小沢の話し方が面白かった。

その女房がマドンナの音無美紀子。
同業者のテキ屋が病死して、故郷の東京に戻り、旅館で働くという役柄。
結構地味なマドンナだったが、魅力的だった。

全作品で、たぶんたった一度だが、寅次郎がネクタイ姿で就職活動をする。
その不採用の手紙で最後のオチが着く。

世間は80年代に入って、高度成長のころ。
5%程度の成長は当たり前の時代だった。
それが、そんなに難しいことだとは思わなかった。
いろんな要因が幸いして起こった僥倖。
自分や会社の将来について、心配など全くなかった。

バブルが崩壊することや、0%やマイナス成長の時代が来るとは誰も思ってなかっただろう。

だから、「男はつらいよ」のシリーズも明るい。
まだ寅次郎もそれほど哲学的ではない。

明るかった日本がここにある。



| | 考えたこと | 21:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
まれ化
今の朝ドラは「まれ」という。
主人公の名前が「まれ」だ。
希望の「希」をあてている。

自分の夢を見つけ、それを頑張るということから、「まれ」ということになったと思う。
それ一本のドラマである。

高校の同級生たちは各々自分の夢を追う。
まれはパティシエ。
いったんは能登で公務員になるが、やっぱり夢を追いかけて横浜に行く。
結婚相手は能登の輪島塗の職人を目指している。
弟はデイトレーダーになって、能登でパソコンで儲けている。
シンガーを目指すやつ、タレントを目指すやつ、漁師を目指すやつなど、友だちはいろいろいる。

まれの父親も夢を追って、いろんなことをやって、家を空けたり、会社を潰したりする。
夢の大安売りだ。

まれは、祖母がフランス帰りのパティシエだったりして、横浜で認められてめでたくパティシエになる。
今週はその職をいったんやめて、能登に帰って輪島塗の職人の家で手伝いをすることにした、というところ。

どうでもいいのだが、世の中なめとんのか、と思う。
そんなことは滅多にない、という意味で「まれ」だろう。

こんな風に簡単に夢をあおっていいのだろうか。
世の中はもっと大きなものだし、殆どの人はやりたい仕事などには就けない。
その中で、自分の場所を見つけ、そしてやりがいを見つけていく。
それが世の中のプロセスだ。

ろくに下積みもせず、有名な菓子店でケーキ作りをやってしまう。
そんなアホな…。

これも、「世界にただ一つの花」の世界なんだろう。

世の中が「まれ化」してきた。
夢を追いかけないと、ダメな人間みたいに描かれる。

NHKが朝からこんなのをやっていたら、げんなりする。

みんなもっと苦労してるのが、わからないのか。




| | 考えたこと | 00:29 | comments(0) | trackbacks(0) |