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2015.07.05 Sunday
地方の過疎化
今朝、会社時代の同僚、Y君から電話があった。
約束していた宴会のキャンセルだったのだが、その時に世間話をしていたら、面白いことがわかった。 Y君は九州の出身なのだが、もう来年あたり定年で、どうするのか?という話になったのだ。 「君、九州の実家はどうなってるん?」 「もう、誰もいないから、ぼくの代でたたもうと思ってる」 「どれくらい土地あるんや?」 「700坪と隣に田んぼがある」 「ほー、それは売ったらスゴイ儲けやな」 「誰が買うねん。役所に寄付します言うても断られるのに」 「え、なんでや」 「誰も買うかいな。それでも700坪も宅地があるから、固定資産税だけは高いのに払てるんで、アホらしいて…。役所に土地を寄付します言うても、断られるんやで」 「なるほど。役所に寄付されたら、固定資産税がなくなるわけや」 「そうやがな」 「隣の田んぼはどうしてんの?」 「近所の人にお任せで、耕してもうてる」 「農地は耕してたら、固定資産税かからんから、ええねんな」 「そうそう」 「帰らへんのか」 「帰っても、何もないもん」 「ほう、これで九州の人口は1人減ったわけや」 という会話が続いた。 これで、九州の人口が1人減った。 いや、関西に出てきた時点で減っていたのだが、いつかは田舎に帰るという選択肢がなくなって、名実ともに1世帯の人口がいなくなったということだ。 こういうふうにして、地方に限界集落が増えていくんだろう。 しかし、役所に宅地を寄付すると言っても、断られるのには恐れ入った。 喜ばれるのかと思ったが、寄付されても使いみちを考えないといけないし、固定資産税は減るし、困るということなのだろう。 彼が生きている間に家と土地は処分されるだろうし、戸籍上も九州とは縁が切れるだろう。 地方は集約して、コンパクトな都市を作らないと、生きていけない。 数年前、JR四国を辞めて、地方の合併でできた市の公務員になったという若い人がいたが、あの人たちは10年や20年のスパンで物事を考えていないことがよくわかる。 今の地方の公務員はもはや安定した仕事ではない。 どちらかというと、敗戦処理の負け戦を戦うという感じだ。 これが一番難しい。 自治体の人口が減り、産業がなくなり、限界集落が増えてくると、町には公務員しかいなくなるんだろう。 それをどうやって防ぐか、どういう施策を取るのか、考える公務員がいない。 長らく、国の地方交付税で生きてきたから、何も考えない。 それでも、定員だけは確保してきた。 これからどうするのか、考えないといけない。 でも、考えられない… 農地を集約して、大規模な農業を株式会社ででもやるとか、何か考えないと地方は生きていけないと思う。 国に頼っていても、国も助けるほどの財源がない。 それを規制している法律や、それを阻む農協などを潰していかないと、生き残れないぞ。 そんなことを電話の後に考えた。 |
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