考えたこと2

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京丹後市のムチャな戦略
京丹後市というと、京都の北の方。
今後、人口が減っていくという予測が立つ都市だ。

地方創生の一環で、京丹後市のホームページに「まち・ひと・しごと創生」に関する「総合戦略」というのがある。
それによると、現在の人口が5.9万人であるのに対して、国立社会保障・人口問題研究所では2060年には2.6万人程度まで減少すると予測しているのだが、市の計画によると、なんと7.5万人に増えるという。

もともと地方創生というのは、人口減少から端を発して計画された。
その減少をどうやって食い止めるか、というのが計画のはずだ。
それが、今よりも1万6千人増えるというのだから、よほどの大ナタを振るったのかと思って、計画書の概要を見てみた。

計画書には、次の4つの基本的視点から取り組むとある。

1.「若年層・壮年層を中心とした人口流入の促進」のために、産業の発展や新産業の創出・集積による「しごとづくり」をして、人口流出に歯止めをかけ、人口流入の増加を図り、またテレワーク形態のワークスタイルの発展を促し、大都市地域の事業所の「職場の本市への誘致」を推進する、とのこと。
要は産業を興すことと、インフラを整え、離れていても可能な仕事を誘致するということらしい。

2.若年層が出て行くのを防ぐために、大学生を市内で活動させる「地域協働大学」を作り、将来的には大学を誘致するということ。

3.1がうまくいっても、市の居住環境が悪ければ、近隣の自治体に若者が行ってしまうため、「若い世代が安心して働き、希望通り出会いや結婚・出産・子育てを 行い、快適に生活できる環境を実現・充実する」とのこと。

4.高齢者が健康で、長生きできるようにする。これによって、「介護、医療等の社会的負担の軽減、高 齢者層の一層の健康化による地域経済力も含めた社会活力の増進、健康な生 活環境を求めての市外からの交流や定住化等の促進」を図り、また高齢者が若い世代の子育てを支援する体制を作る。

総じて、言っていることはわかるが、それはどこの地方自治体でもあてはまる策であり、そんな策が通用しないから、みんな独自の案を出しましょう、というのが「地方創生」だと思う。
たしかに、一部には京丹後市独自のもの(もともと長寿など)もあるが、それが決め手になるとはとても思えない。
それらの効果で2060年に今よりも1万人以上人口が増える、というのはいくらなんでも虫が良すぎるのではないか。

今から45年後が2060年。
日本の人口が1億2千万人から、8千6百万人に減少するという予測だ。
全体が2/3に減るというのに、今より増えるというのはいかがなものか…。

こんな計画ばかり立てていると、それこそ地方がムチャクチャになるぞ。
公務員の採用計画にしても、将来の人口が半分以下になる、ということなら縮小方向で考えないといけないが、予想で人口増するなら、少なくとも現状は維持できる。
何でも現状維持でいってしまうということだ。
結局、何も変えない、考えない、ということだ。

これから地方公務員は、IT化を促進し、一人あたりの生産性を上げて、人数を減らしていかないといけないのは火を見るよりも明らかな状態だ。
日本は働き手が減るのだから、税金を使う人を減らすのは当然。
地方はコンパクトにして、民間の力を生かさないといけないと思う。
そういう企画ができる人材を増やしていかないといけないのではないか。

京丹後市のような計画がどんどん出てくるのだろうか。
そうなると、2060年には日本の人口は1億5千万くらいになるのではないか。

こんなことなら、何も地方に任せないほうがマシだと思うが…。



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