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2006.01.12 Thursday
じゃないよね?
英語のドラマや映画の字幕を見ていて、いつも「これはむずかしい」と思うことがある。
前に書いた、標準語の数字のアクセントみたいなものだ。 否定疑問文。これだ。 「君はアメリカ人だよね?」と聞かれたら、「いや違う」と答えればいい。 "No."でいいのだ。 しかし、「君はアメリカ人じゃないよね?」と聞かれたら、「そう」と答えたい気持ちが強い。 つまり、"Yes."と言いたい。「そう、アメリカ人じゃないよ」 ニュアンスがわかりにくいので、関西弁で書くと、 「おまえ、アメリカ人ちゃうやろ?」 「そらそうや、ちゃうがな。」 やっぱり、イエスで答えることが多い。 よく、そんな場面がドラマに出てくる。 ところが、答えは"No."になる。 問いを肯定するのに、答えは"No."という。 「君はアメリカ人じゃないよね?」(Aren't you an American?) 「そう。」(No.) これが自然な会話になる。 いつも、そういう場面で「え?」と思う。 明らかに犯人ではない人に向かって、「犯人じゃないよな?」というような場面で、相手が「ノー」というと、一瞬「え、この人犯人やった?」と思う。でも、字幕を見ると「違う」という文字が出ている。 こういうのは、なかなか身につかない。 面白い英国人で、日本人が否定疑問文が苦手なのがわかっていて、わざと否定形で聞くヤツがいた。 ついつい、"Yes"と答えると、大げさに"Yes?"と言ってびっくりしてみせる。 いやいや、この"Yes"は"No"のことだ、とあわてて言うと、笑いながら「わかってる」と言われた。 くやしい。 しかし、最近日本語がたどたどしい外国人がよくテレビに出てくるが、彼らは否定疑問文で間違わないのだろうか? きっと間違うはずだ。 「この答えは、Aではないですね?」 「いいえ」 「ブー。間違いです」 「え、Aではないんでしょ?」 でも、テレビなどでは否定疑問みたいなややこしい質問はしないから、こんな事は起こらないのか。 否定疑問文に自然に答えられるようになったら、英語も一人前かもしれない。 |
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